◆九州地方

西工のお膝元であるが、細かく見てゆくと富士重工の採用例が意外に多いことに気がつく。
その殆どが日産ディーゼルで、継続的な採用例は、それほど多くは無い。
2000年代には首都圏から移籍車が相次ぎ、こちらはいすゞが多い。

※2018.10.16 北九州市交通局に画像を追加しました。

・北九州市交通局
1)西工が殆どの中、若干ながらU-、KC-の日デ大型車を導入した。
 他に特定の路線専用に移籍車を数台購入している。
 このほか、市の特別支援学校送迎バス(自家用→交通局)で導入例がある。

2)同局標準の前中ワイドドアで、逆T字窓である。エアサスを採用。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型○△
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
若松市営 若松市営 若松市営
日デ U-UA440LAN 2013.5 北九州市八幡西区(折尾)
 
日デ U-UA440HSN 2009.5 北九州市八幡西区(折尾)
 もと東京都交通局。当初は特定の路線専用車だったが、現在は汎用。
日デ KC-UA460LAN 2018.10 北九州市八幡西区
 7E架装車の中で唯一のKC-車。この車両だけ新塗装に変更された。

・堀川バス
1) もともと富士重工とは無縁の事業者だったが、川崎鶴見臨港バスより継続的に車両が移籍。
 この過程でいすゞの大型・9m大型を導入した。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型 9m大型を含む
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
堀川
いすゞ U-LV324K 2011.5 福岡県久留米市
 もと川崎鶴見臨港バス。

・昭和自動車
1) 自社発注、サンプルカー、移籍車の各種が入り乱れ、シャーシメーカーも日デを中心に、いすゞ、三菱が加わる。
 いずれのタイプも1種類あたりの車輛数は少なく、百花繚乱となっている。

2) 大型車はP-のみが存在。いすゞと三菱の、軸距4.6〜4.8m級を採用。
 中型車は日デが殆どで、1台のみいすゞを採用。いずれも長尺である。またKC-の日デは高出力(KC-RM250GSN)であるのが特徴。
 大型・中型ともに、扉配置はKL-が前中引戸であるほかは、前中折戸で、窓構造はT字窓である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型○△ ○△
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E ○▲
昭和 昭和
いすゞ P-LV314K 2006.9 福岡県前原市
 自社発注の大型で、他にP-MP218Mが同一仕様で存在する。
日デ KL-UA452TAN 2005.8 福岡市博多区
 数台保有するサンプルカーの中でも変り種。
短距離高速路線で使用される。

・佐賀市交通局
1) 自社発注で富士重工の採用実績はあるものの7E・8Eに関しては皆無。
 1990年代後半〜2000年代初頭にかけて導入した移籍車に、日デの大型での架装例が存在する。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
佐賀市
日デ P-U33K 2002.7 佐賀県佐賀市
 もと東京都交通局。

・祐徳自動車 (→2006年4月分社:祐徳バス)
1) 自社発注でP-、U-の大型車とKK-の中型車を導入した。いずれも日デである。

2) 大型車は軸距4.7m級のエアサス車を採用している。扉配置はトップドアで、窓構造は逆T字窓である。
 中型車は長尺を採用。同社では珍しい前中引戸である。窓構造は逆T字窓。ただし台数は少ない。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E ○△ △はRNのみ
祐徳 祐徳
日デ P-UA33K 2001.9 佐賀県佐賀市
 祐徳の車両は、基本的に何でもトップドアだった。
日デ KK-RM252GAN 2016.5 佐賀県佐賀市
 撮影時、祐徳バス。唯一の自社発注の8E。旧塗装で登場したが、のちに新塗装となった。

・西肥自動車
1) 大型・中型ともに継続的に富士重工架装車を導入した。殆どが日デだが、1台のみ三菱が存在する。
 このほかに移籍車で日デが数台導入した。

2) 大型は軸距5.2〜5.3m級のエアサス車を、中型は長尺車を採用する。
 扉配置は前中折戸、窓構造は、新7Eが逆T字であるほかは2段窓である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型○△
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E ○△ △はJPを含む
西肥 西肥
日デ P-UA33L 2006.9 長崎県佐世保市
 旧塗装車。
日デ KC-MP617M 2002.7 長崎県佐世保市
 新塗装車。唯一の三菱車への架装例である。

・佐世保市交通局
1) P-の中型を最後に富士重工の採用は途絶えていたが、KK-の日デ中型で漸く復活した。
 自社発注の7E/8E架装はこれのみ。
 他に移籍車で、日デといすゞの大型を導入した。
 このほか、市の特別支援学校送迎バス(自家用→交通局)で導入例がある。

2) 中型は長尺を採用。扉配置は前中折戸、窓構造は2段窓である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E ○△
佐世保
日デ KK-RM252GSN 2013.5 長崎県佐世保市

・長崎県交通局
1)長い間、日野および三菱の自社発注車を揃え、富士重工架装車とは無縁であったが
 2009年以降、いすゞの大型が移籍した。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E    
県営バス
いすゞ KC-LV380L 2010.5 長崎県長崎市
 もと横浜市交通局。

・島原鉄道
1)自社発注は日野が中心であったが、長崎県交通局から路線移管を受けた頃から移籍車を導入。
 2010年に日デのRNが移籍した。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型  
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E RNのみ
シマテツバス
日デ KC-RN210CSN 2010.5 長崎県島原市
 もと京王帝都電鉄。

・大分交通 (分離子会社:中津観光バス、高田観光バス(→統合:大交北部バス)、国東観光バスほか)
1) 自社発注は大型車はU-の日デと日野が1台づつ在籍するのみ。中型車は日デを多数導入した。
 分離子会社側で1台だけRNの採用例も存在。このほか移籍車で、いすゞの大型を導入した。

2) 大型は軸距5.2m級で前中ワイドドア・T字窓。  中型は短尺・長尺ともに存在し、窓配置はトップドアもしくは前中折戸、窓構造は2段窓である。
 なおRNは、トップドアでメトロ窓という珍しい仕様となっている。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E RNを含む。
大分交通 中津観光 高田観光(暫定)
日野 U-HT2MMAA 2013.12 大分県大分市
 数少ない自社発注の大型路線車の1台である。
日デ U-RM210GSN 2013.12 大分県国東市
 国東観光バスの車輛で、帯の色が一部水色になる。
日デ U-RM210ESN 2001.9 大分県豊後高田市
 高田観光バスの車輛で、当初は帯の色を一部だけ変えていた。
高田(トラバス) 高田観光
日デ U-RM210ESN 2001.9 大分県豊後高田市
 豊後高田の「昭和の町」にあわせ旧塗装を復活させた車輛。右上の車輛のその後の姿である。
日デ KC-RN210CSN 2005.8 大分県宇佐市(豊前善光寺)
 高田観光バスの標準塗装。極めて珍しいトップドア・メトロ窓のRNである。

・大分バス (分離子会社:大野竹田バス、臼津交通)
1) 日野+富士の大ユーザーで、自社発注のP-とU-の大型を導入した。
 他にU-とKC-で日デの中型を、また移籍車で日デの大型とRNを導入した。

2) 大型は軸距4.8m級を採用、中型は長尺を採用する。
 扉配置は中型の一部が前中折戸であるほかは前中ワイドドア、U-の中型での採用はたいへん珍しい。
 窓構造は2段窓である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E ○△ △はRN(分離子会社側のみ)を含む
大分バス
日野 P-HT233BA 2012.5 大分県大分市
 多数のバリエーションを揃える5Eに対し、7Eは変化に乏しい。

・荒尾市交通部 (→2005年3月限りで事業廃止)
1) U-で若干の日デ9m大型車を導入した。

2) 扉配置は前中ワイドドア、窓構造はメトロ窓である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型 9m大型のみ。
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
荒尾
日デ U-RP210GAN 1998.9 熊本県荒尾市
 2台のみの存在。廃止後は九州産交グループに移管された。

・熊本市交通局 (→2015年3月限りで事業廃止)
1) 自社発注では日デの中型と大型ノンステップを導入した。
 2005年以降、いすゞと日デの大型が移籍している。

2) 中型はU-が長尺の前中折戸、KK-が短尺のワンステップ車で前中引戸。窓構造は逆T字窓を採用した。
 大型ノンステップは屋根が厚い初期車のみである。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ 初期車のみ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
熊本市交 熊本市交 熊本市交
日デ U-RM210GSN 2008.7 熊本県熊本市
 標準の塗装。
日デ UA460MAM 2006.7 熊本県熊本市
 ノンステップバスとワンステップバスの塗装。
いすゞ KC-LV380N 2014.7 熊本県熊本市
 もと新京成電鉄。2015年の市バス廃止に向けて2013年11月から走りはじめた復刻塗装車。
熊本市交
日デ U-UA440LSN 2008.7 熊本県熊本市
 もと西武バスで競輪輸送専用車。路線車にも同タイプが存在する。

・熊本都市バス
1)熊本市交通局の民間移譲拡大に伴い、在熊民営3社が出資して設立された受け皿会社。
 富士重工架装車も同局から異動しているほか、移籍車も導入されている。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ 初期車のみ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E ☆△ 日デの△はJPのみ。
都市バス
日デ KK-RM252GAN 2010.5 熊本県熊本市
 熊本市交通局からの移管車両。

・九州産業交通 (→2006年4月分社:九州産交バス 分離子会社:産交バス)
1) 長らく日デ大型・中型で導入が続いたが、新7Eのみいすゞの架装例がある。
 他に移籍車、荒尾市交通局からの引継車が存在。

2) 大型は軸距5.2〜5.3m級で扉配置は前中ワイドドア、P-を除きエアサスを採用。中型は長尺で前後折戸を採用する。
 窓構造はP-の大型と初期の中型を除き逆T字窓である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型○△☆ 日デの△☆は9m大型を含む
7E ノンステップ○△
新7E 大型○△○△
新7E フルノンステップ
8E ○△ 日デの△はJP、RNを含む
九州産交 九州産交
日デ KC-UA460LAN 2012.5 熊本県熊本市
 撮影時、九州産交バス。逆T字窓・前中ワイドドアの標準的な仕様の車輛。
日デ KC-UA460KAM 2011.5 熊本県熊本市
 撮影時、九州産交バス。富士7E架装のノンステップバスは、この1台のみ。

・熊本電気鉄道
1) P-とU-で断続的に日デの大型を導入した。

2) 軸距5.2m級で、扉配置は前中ワイドドア、窓構造は2段窓である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
電鉄
日デ U-UA440LAN 2008.7 熊本県熊本市
 

・熊本バス
1) 自社発注では無縁であったが、2007年以降、首都圏から移籍車が相次ぎ
 いすゞと日野の大型、日デの中型とJPを導入した。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E JPを含む
熊本バス
いすず U-LV324L 2008.7 熊本県熊本市
 もと京浜急行電鉄。

・宮崎交通
1) P-の大型とKK-の中型を導入した。いずれも日デである。
 このほか、もとサンプルカーの日デRNと移籍車の日デJPが在籍する。

2) 大型は軸距5.2m〜5.5級のエアサス車で、扉配置は前中折戸もしくは前中ワイドドア。中型は長尺で前中引戸。
 窓構造は、いずれも逆T字である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E ○△▲ △はJPを含む、▲はRNのみ
宮交
日デ P-UA33N 2014.7 宮崎県宮崎市
 軸距5.2m級は前中折戸、5.5m級はワイドドアである。

・鹿児島市交通局
1) 入札方式ゆえなのか、年度毎に投入車種が異なる。
 富士7Eは1996年導入の日デ大型車で実績がある。

2)軸距5.2m級のエアサス車であるが、最大の特徴は8気筒エンジンの高出力車を採用したこと。
 扉配置は前中ワイドドア、窓構造はメトロ窓である。
 フロントガラスが1枚窓であることも特筆される。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
鹿児島市営
日デ KC-UA521NAN 2014.7 鹿児島県鹿児島市

・南国交通
1) 自社発注でC系の3E架装車を導入した後は富士重工が途絶えていたが
 2014年に、突如として新移籍車で、いすゞの大型を導入した。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
南国
いすゞ KL-LV280L1 2016.5 鹿児島県鹿児島市
 もと相模鉄道。1台のみ。

・鹿児島交通 (→統合:いわさきコーポレーション→分社:鹿児島交通、大隈交通ネットワーク、三州自動車 子会社のいわさきバスネットワークを含む)
1) P-までは富士重工とは無縁だったが、U-、KC-で大量導入。殆どは大型で2台のみ中型。いずれも日デである。
 また、2004年頃から移籍車を大量導入し、日デといすゞの大型・9m大型・中型が登場している。

2)大型車は軸距5.2m級のエアサス車を採用。郊外線向けはトップドアで高出力車、市内線向けは前中ワイドドア。
 中型車は長尺の高出力車を採用。バンパーが8B用である点が特徴。
 いずれもエアサスで、窓構造はメトロ窓である。
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型○△ △は9m大型を含む
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E ○△ 日デの△はRN、JPを含む
いわさき いわさき いわさき
日デ U-UA510LAN 2002.7 鹿児島県鹿児島市
 郊外線用の高出力車。
日デ U-UA440LSN 2012.5 鹿児島県鹿児島市
 もと西武バス。
日デ KC-UA460LAN 1999.8 鹿児島県鹿児島市
 市内線用の車輛で、百貨店のタイアップ塗装。

・林田産業交通 (→1998年4月商号変更:林田バス→2008年2月 いわさきバスネットワークに事業譲渡)
1) 林田産業交通時代は長い間富士重工と縁が無かったが、1996年の破綻直前に日デ大型を1台導入。
 その後、いわさきグループ引き継ぎ林田バスになったあとは、鹿児島交通と同じ展開になり、
 自社発注で日デの大型車、のち移籍車で日デといすゞの大型と日デの中型が導入されている。

2)
日デいすゞ日野三菱備考・その他
7E 大型○△
7E ノンステップ
新7E 大型
新7E フルノンステップ
8E
※いわさきバスネットワーク以降の動きは、鹿児島交通を参照。
林田 林田
日デ KC-UA460LAN 2006.5 鹿児島県鹿児島市
 林田産業交通最後の新車のうちの1台でもある。
いすゞ U-LV324K 2006.5 鹿児島県鹿児島市
 もと東京都交通局。林田バス時代の導入である。

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