◆日産ディーゼル U-JP系
左側面 右側面
西東京バス(多摩バス) U-JP211NTN

<概要>
 平成元年排出ガス規制(U-)適合の日産ディーゼル製大型バスで、1993年〜1995年に製造された。
富士重製の車体を架装した場合、全車R18型ボディー(8E)が架装される。他の車体架装例には西工がある。

 この型式はもともと、1992年秋、西日本鉄道(福岡県)が路面電車の北九州市内線(砂津〜黒崎)を廃止するにあたり、その代替用バスとして
西鉄および西日本車体工業が開発した車両である。
 代替バスには「乗りやすい」車両を充当することになったが、当時は大型の全面ワンステップバスは特注ベースの高価な車両だった。
そこで、既に発売されていた中型のU-JM210GTNワンステップ車の軸距を延長して、廉価で大型ワンステップ車を生み出したのである。
 このため、大型車というより、大型車並みの軸距を持つ中型と考えたほうが適切である。
なお、車体長は10.49mで、ほぼ同じ軸距のU-UA440NSN等より約0.5m程車体が短い。

 当初、型式はU-JM210GTNの改造扱い、車体も当然ながら西工のみの架装であった。
が、1993年に日産ディーゼルが正式に型式認可を取得し、富士重工も車体を架装するようになった。
 ただし、製造期間が短いため、富士重工8Eを架装した採用例は、
秋田市交通局、京王帝都電鉄(現、京王電鉄)、西東京バスの3例のみである。

<8E架装車の特徴>
・右側面最後部に正方形の開口部(但し、京王帝都と西東京の車輛は、右角が矩形に切り取られている)がある。
・給水口の位置はリヤの窓下である。
・軸の長さが中型のRMより長いため、フェンダーアーチは大型車同様に淵が一段高くなっている。
 その形状は、秋田市が鋼板で真円形なのに対し、京王帝都と西東京はゴム製で頂点が平らである。

秋田市
秋田市交通局 U-JP211NTN のリア

<型式内容>
 1990年(U-)以降〜現在に登場した型式で使用されている型式基準で、大型のUA、中型のRM・JM、 9m大型のRP等と同様である。
(1)はエンジンとフレーム、(2)は車種を表している。この車輛はフレーム付シャーシのJMをベースとしていることから、やはりフレーム付シャーシである。
(3)はエンジン型式、(4)は車種またはエンジン単位での使用変更順位をあらわしている。
当系列のエンジンは同時期の中型車で使用されていたFE6にターボを付けた、FE6Tである。
(5)は軸距である。5560mmのみの設定である
(6)はサスペンションで、Tは低床リーフサスの意味である。この型式とJMだけに存在する。
(7)はブレーキで、路線バス系車輛は基本的にNのみである。

U- J P 21 1 N T N
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
意味 当系列への適用例 他系列への適用例(参考)
排出ガス規制 U=平成元年規制  
(1) エンジン配置
フレーム
J=リヤ(フレーム付) E=ミッドシップ
R=リヤ(フレームレス)
U=リヤアンダー
(2) 車種 P=9m大型、中型ベースの大型 N=小型
M=中型
A=大型
(3)
(4)
エンジン
仕様変更順位
211=FE6T 210=FE6 (中型路線車、9m車)
460=PG6 (大型路線車 6気筒)
521=RF8 (大型路線車 8気筒) 
(5) 軸距 N=5.50〜5.74m(5.56m) E=3.75〜3.99m(中型路線車 3.9m)
G=4.00〜4.25m(中型路線車 4.28m)(9m車 4.3m)
H=4.50〜4.74m(大型路線車 4.72m)
L=5.00〜5.24m(大型路線車 5.24m)
N=5.50〜5.74m(大型路線車 5.55m)
(6) サスペンション T=低床リーフサス A=エアサス
S=リーフサス
(7) ブレーキ N=空気油圧複合式  

<U-JP211NTN+8E 採用事業者一覧>
事業者名扉配置窓形状冷房導入数備考
秋田市交通局折引―逆T字富士5秋田中央交通に移管。
京王帝都電鉄折4―逆T字富士30現在分社:京王電鉄バス他。関東自動車、熊本バス、鹿児島交通に移籍。
西東京バス折4―2段(銀)富士8一部車両。多摩バスに異動、三州自動車に移籍。

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