前書き

 前回のこのホームページ(Rev.1)で説明したように、現在の多くの画像処理装置の現場では並行光束を扱うことが非常に少なく、このことから、視野角という条件を無視することはできないものだが。

 この視野角を考慮すれば、シェーデイング補正に適用されるべき参照光源としては視野角を考慮に入れたものでなければならないところだが、実態としては、旧来からの参照光源のように”所謂”並行光束を対象とする参照光源の適用で済ますようにして来て、そして、今後もその線に沿って行くようである。

結果として、このことが画像処理装置市場への問題を解決するのではなく、寧ろ、複雑化し、混迷に拍車を掛けることに繋がってしまったのも事実と私は判断している。

例えば、この手法による技術的な正論性を保証するための論理的説明には視野角に関するファクターを付加せずに、”均一である光源を参照してその条件での検出結果を利用して偏差を算出したのであるから正しい補正値である。”と、単に取得データの結果だけを理由とする手法を用いて都合の良い結果を表示し、また、シェーディングのプロファイルを単一湾曲プロファイルに固定することで対応を簡単にすることで済ませる状況を作ってしまい、その結果として、補正にすらなっていない状況に至ってしまったものということができる。

これは、レンズによる不整発生を補正することが主なる目的であった筈の工程をレンズの厄介な特性を付加せずに対応することで難易度を低く抑えて”誰でも分かる説明”と逃げてしてしまったことが画像処理そのものの存在を寧ろ促進する結果となってしまったものである。

”それならば、簡単な数学的手法で対応が可能である・”とばかりに現在のような処理方法に進むことになってしまったと考えている。

複合化されたアナログ領域での物理的要因に於ける歪成分を、単純明快なデジタル発想の処理に置き換える現状ではデータの整合性を担保するために、制約事項を付加したり、あるいは、無視すること、あるいは、高画素センサーによる解像度という物理的要因で処理の正当性に対応することにより数字的高精度を標榜しながら現在に至っていると私は考えている。

この結果として、多くのユーザー側からの不具合やコストパフォーマンス的状況を指摘されるに至り、その対応が正論とは言えない詭弁による手法で対応して来たもので、現在ではこのシェーディング補正手段が無意味な処理方法として存在価値すらないと判断される場合も多々発生するに至ってしまった状況であると考えている。

前回説明したように、視野角による条件を加味しない方法によりこの歪を補正した結果は、2値化処理や微分処理とは”程度、あるいは、方向こそ違え論理的に相違している意味においては同等なもの”である。”と言うことが言える。

上記での説明のように、シェーディング補正や図形歪に関する補正はレンズシステムによる歪を補正することが最大の目的である筈だったと思っているが、しかしながら、本当にレンズ、あるいは、レンズシステムの持つファクターである複合球面収差においての歪への対処の適用は旧来の補正処理ではデータを保証に対応できると言えるのかどうかが疑問と考える。

画像処理装置の正当性を訴えるために適用された方式に、最大の問題を発生させる視野角というファクターを残したまま運用のみ推進してしまえば後戻りすることができなくなってしまうことは当然であり、現状のような無意味で不思議な状況が現れても仕方がないものと考える。

以前から記述するように、私の能力には、レンズ関連に対するバックグラウンドを持っているものではないので簡単に説明をすることは困難であるので、自分の業務の経験から到達した内容がjこのホームページとなったものである。

多くの先達の方々においても、当然、不可思議な状況を、多々、御覧になられているものと感ずるものであるが、この場合も”日本人の特性として、前例を崩す積極性が無い”特性が災いしているように思える。

不条理や不可思議な状況があった場合には、それらを解析し対応をしなければ、後日、その対応のために四苦八苦することになる経験は何方もされているものと思うのであるが・・・・・。

また、シェーディング補正用参照光源としての意義が実際の画像計測時に適応されるべき光源としての性状においても、視野角が大きな意義を持つものとなるが、それに対する適応光源も市場には見当たらないことを憂慮するべきかと考える。

                      


 本論

 1、補正処理の予備説明

   今回は、参照光源に関する内容から1歩出てみようと思う。

データ作成において、取り込みセンサー側での数値保証に関わるもので、画像処理(特に、画像計測)においてのセンサーに関わる内容から始めたいと考えた。

画像処理において、センサーのからのデータ保証についてであるが、センサーそのものの問題やセンサーの取り付け基板、あるいは、筐体などのカメラ側に関してはそれぞれが保証範囲を説明しているものと考えることと、発生するノイズや安定性等はある意味固定的要素であり安定性もない場合には不良として判断されるために、実態としては、固定的ファクターとして考えても差し支えないと捉えることができる。

しかしながら、旧来の画像処理においての補正手段中に存在していた、あるいは、しているシェーディング補正ではレンズシステムに対する補正において不正とも思える手法を用いているために、結果として、最大の補正適応条件を無視することから始めてしまった。

その補正適用条件となるものは、視野角が存在する条件に対しての補正に適用する筈の参照光源が不適格であったことであり、数十年も経った現在、その修正を行う必然性を、”物理的変更に関わり発生するものではなく、理論的で直線性が存在するかのような不整に対する補正の研究”を提案するように変更して来たものが実情であると考える。

つまり、今回は、改めてシェーディング補正の手法を考察するところから始めて、主に、画像計測のデータ保証に繋がる不整ファクターの抽出と対応のルーティンワークを提示するものである。

そこで、登場するのが像を抽出したり、あるいは、補正光源を参照したりするためのマスターセンサーとなるカメラとレンズシステムに関するものからその補正に関する記述することとした。

   本来、この内容は特許申請に関する内容と同等であることから”私の将来にしたいと考えていた内容”を公開するものであり、できれ
   ば、これを実現化して頂ける研究者殿がおられることを期待しての公開であることをご理解頂きたい。


   *従来のシェーディング補正に関しては、カメラを基本とする論理的補正説明であったことが如何に物理的要素に欠けていたかもご
    理解頂きたいものと考える次第である。

    この記事においては、このことに関しても多少の説明を加えることになる。

 この第1歩目としては、当たり前のことであるが、画像処理(特に、画像計測)の高精度計測に関してであり精度維持のための手法となる高集積度センサー以外での歪や不整に対応する方法を如何に考慮するかからとなる。

まづ、全体の装置の構成としては、下図のような構造が殆どである筈だ。

      図1     

従来のシェーディング補正では、参照光源として下図の様に光源から直角に照射する光束を対象とする特性を基本とした均一光源を用いていたものである。(つまり、並行光束という訳である。)

      図2       

しかしながら、計測条件に適用される装置構成のうち重要である像の入力条件が同様なことは少なく、殆どの場合が視野角を有するとして適応される計測条件である筈で、それに合致する光束は下図のようなものでなければならない筈である。
当然のことながら、実際の運用にあたる光源においても同様の光束をもつものが必要となる筈である。

   図3      図4  


  *上図2図のうち、左側が等距離等輝度を表示しているものので視野角に対応する均一光源とはどのようなものであるかを示すもの        である。
    右図は、撮像対象が2次元面であることを示し、この撮像条件に合致する光源である場合は、左図とは相違し周辺よりも中央部
    の距離が周辺よりも短くなるものである。

従来のシェーディング補正用参照光源と、私が提案している参照光源の相違は既に像の入力条件におい大きく相違しているものである。

もし、儒頼の光源を視野角に対応させた場合ではどのようになるかは想像して頂くことで簡単にご理解頂けるものと考える。

多分、下図の図5のように検出されるとか、あるいは、図6の実線ように検出幅をもって検出されると考えたく思われると考えるのであろう。

   図5    図6  

   *図5が成り立つ条件としては完全並行光ではないガウシャン分布を持つ光束である場合であるがその際には、正対して均一
    な光束では角度を有する光束については角度依存のある減衰率を持つ光束であるために均一光源とは言えないものであり、
    図6が成り立つ唯一の条件としては、光学系(レンズシステム)に視野角を持たない場合のみであり、しかも、図6が成り立つ
    完全並行光束である場合には中点のみの結像となる。
    ただし、実際には、図5の照射光が実態であることも事実であり、そのためにも均一光源としての適用にはそぐわないものと
    考える。
    つまり、視野角を有する条件では、参照光源としての利用が適用不可であること示すこととなる。

では、参照光源は如何なる性状を必要とするかであるが、図3と図4の条件から下図のようなプロファイルとなる。

              図7    

   *このプロファイルにおけるレベルに関しては、等距離等輝度に対する光束が平面で切断される距離の変化で等距離同等
    の偏差率の変化が重要となる。

さて、ここで最大の問題があることに気がつかなければ全ての状況が無意味となってしまうものである。
それは、どのような手法でその値を保証するかにある。
つまり、どうやって計測を行うかである。

カメラは正しいと認識されておられる方々には酷な話ではあるが、その意味は、CCDに対して完全並行光束を適用するというデジタル的要因でのみ考察を続けておられる方々には理解が不能と思うが、レンズシステムを適用したことで、しかも、視野角を有する条件で対応しなければならない状況にはそのような考察は一切意味を為さないことを理解されることからしか始まらない題材であるために、頭をクリアにして御覧頂く以外にはないとお伝えしておく。

カメラやセンサーに入光する光束において、レンズシステムの作り出す歪、即ち、シェーディングが単純なものではないことは以前何度もお伝えして来たものだが、レンズシステムの何処をいじっても特性が変化をすることでそこには直線性などというものは一切無いと断言する。

また、図形歪や対応面での視野角内での角度推移偏差等の問題を考慮できない方々では、高精度画像計測などという状況はあり得ないものと思って頂きたい。

つまり、現状の画像計測装置の状態では、画像計測が普遍的となる”更に更に”大きな市場での存在価値が無くなることをその時に受け入れる覚悟をもって頂きたいということである。

以後に記述する内容は、特許申請が可能であり、更には、取得可能であると思われる内容ではあるものの、私の能力と年齢、あるいは、周辺事情から、これらの内容を公開して何方かの手に委ねることが目的であるからと考えるためであり、それが、画像計測市場に意義があると判断をしたからである。

そのつもりで、お読み頂きたいと考えるものである。

既に、過去数回に亘って、シェーディングのプロファイルは条件変化によりいろいろで一定ではない状況に変化をすることを紹介して来たものであるが、それは、基本となる状況がどのような条件でどのようになると理論的に説明がつかないものであり、レンズシステムは”せいぜい程よい結像が目的の装置”であるから像の精度にまでは保証するようにはできていないものである。

しかしながら、他の手段では非接触で面検出が難しいためにこれを広く適用されている装置であることを理解すると理解の糸口となることと考えて頂きたい。

例えば、レンズシステムの用法として無限遠での焦点距離に対応する場合でも理想に近づけるだけである。(これらは、あくまで、画像計測という対応に関する適応であるが)


 2、補正処理方法の説明

さて、説明の順序として、入力条件から話を進めることとするので、視野角に於ける補正条件のシェーディングを如何に抽出するかになるが、それは、等距離等輝度の光束を入力条件としてレンズシステムを通してカメラで捉えた場合には如何なることが起きているかを抽出するところから始めるべきと考えた。

これは、面光源ではなしえないことであるから、図8のように点光源を機械的移動を伴い視野角内を図3のように焦点距離のと同じ条件のエッジ部分に相当する等距離で走査をしてカメラ側で検出してどのようなプロファイルとなるかをデータとすることから始めるものである。

       図8     
 
出来れば、この手法により全面(全画素)に対応する位置での計測を行うことがよいとは思うが、点光源の輝度安定度が長時間維持できるものが有ればよいのであるが、私が作成したものでも2時間で±1%程度であったことから長時間を望むことは難しいので、せめて、十字形や対角線上に相当する画素での計測はしたいと考えるが光源の首振りと計測の相互制御が必要となることからそれも難しいこととは思うが、是非、やって頂きたいものである。

それでなければ、シェーディングのプロファイルの問題とこの計測に伴う単純円形走査との誤差抽出には繋がらないことになるからである。
(つまり、最終的精度を保証、あるいは、公差設定の内容には至らないことである。)

ここまでの機構でも、特許出願が可能であると思い更なる内容は伏せておくことにした。


次の作業として、

このままでは、計測面である平面に対する条件設定が不可能であることから平面との対比による計測を行うことになる。

今回も、先と同じ機構を使うことは不可能であることから図9のように関係の平面移動の機構とのリンクで計測を行う必然性が発生する。

      図9   

当然、平面で視野角に対応して等輝度の光束を作成することが不可能であるところから、点光源を視野角に対応する角度移動を伴いつつ正対する平面移動を行いながら光源に関しては輝度制御を必要とすることになる。

移動しながら、カメラ側では先の視野角での適応画素に対する画素計測値と同じ値となるように光源を制御しながら行うものであり、その上で光源側からの輝度値を検出しながら行うものである。

   *当然のことではあるが、視野角を基本とすることから点光源が正対するのは画素となる機会制御は必要となる。

更には、この計測中に計測面に対する画素間での距離データの作成も視野に入れることでさらに測長等の精度を維持しやすくなるものと考える。

      図10   

この際の光源側から抽出された値がカメラに適用されたレンズシステムに対応するシェーディング補正用の補正データに関わるものということである。

   *これらも同様に、工業所有権にかかわる内容である。

しかしながら、これで全部が終了するものではなく、初期値としての補正値の作成であり、実際に適用されるべき状況ではレンズシステムの特性が時系列による、あるいは、衝撃などによる変化を受けた際にも同様なことが必要となると考えた場合には何方も画像処理装置を使いたくなかったと考えるものであろう。

そこで、代理的に、面で適応できる光源を参照光源とするとその適応には時間的にも作業的にも対応がしやすくなると考える。
無論、このような面倒な手段を講じられる企業/団体殿ではそちらの方が良いとは思うが。

   *あるいは、以上のサービスをしながら以下に説明する2次元均一光源の販売を行う事業展開を図る事業主殿には大きな市場
    となるということができる。

上記までに作成されたシェーディングデータを、参照光源となる”2次元面となる視野角に適用可能な光源”の面データに適用することで、更なる適用性に有意義なものとすることが可能と考える。
   *つまり、参照光源の補正データである。

   *この2次元光源については、窓から内部を参照すると中央部の方が周辺から中央部に至るに従いより輝度が低く推移する
    傾向でなければならないが、従来の参照光源ではそのようにはならない。
    ついでに言えば、視野角に関わる多少なりとも距離や画角変化にも追従できる要素が必要となる。

   *これらを統合して、特許申請が可能と判断するものである。(私が現役ならば出願をすることは間違いがないが)
    ただし、この光源に関してだけの特許申請は既に施行済であるものの破棄することとなっている。
    また、光源の製造方法も既に公開済である。


 3、補正処理の市場への適応性

ここまでの内容で、全ての画像計測に対応できる画像処理装置が完成するかというと、そんなに簡単なことではないとお伝えしておく。

視野角については、距離や画角設定ごとに条件が変化するためにその条件ごとのデータ作成や参照光源が必要となるものであり、思いの外手間が掛かるものとなる。

つまり、これらのサービスを生業とする企業も本来ならば必要となるものと考える。

また、高精度を考慮した場合には、カメラとレンズシステムごとに特性が違うことから画像処理に実際に適用する装置ごとにデータを作成する必然性もあることを理解されたい。(代用とすることは難しいものと理解されたい)

しかしながら、この業界では、人間の判断で導入決定を行うことが当然であることから人間の感じ方や視野の問題も当然考慮に入れる必要があり、導入条件としては装置の視野を対象としてということになる。

図11は、人間を対象とする2眼の説明であるが、1眼でも僅かな移動を伴い情報量と質を経験という補正値を利用して判断を行うものであるために、画像計測装置の見抜けないノウハウも重要な要素であることを理解されなければ存在理由を確立することは難しいものである。

           図11         

それらが、最低の条件とするには簡単に説明をしたような補正処理=予備的処理に多くを割く必然性から”面倒だ!”というリアクションが市場から帰って来るものと思うがそれは仕方がないものと考えるべきであろう。

工業製品には、”保証という言葉が常についてくるものである。”からである。


 4、最終的問題点

但し、今回の記述全般で示すように、2次元対象画角に対する画像処理装置の適用に於ける保証は検出手段のどれを選択するかを対象とすることにより変貌することから、単純に保証とするに至るには供給者側と使用者側の考え方、あるいは、感じ方においての共通性が重要なものと判断されることを希望します。

                                                             以上



mailto:hisashi.matsuzaki@amail.plala.or.jp




  Rev.3  2015年12月21日
   追記有り。

                           画像計測の基本的問題点