LNGの開発輸入
1.天然ガスの利用-LNG
 天然ガスは都市ガス、化学肥料の原料、発電や還元鉄処理工程での熱源に利用される。陸続きや近海のガス田からならパイプラインで輸送できるが、海外の天然ガスを日本に輸送するには液化してLNG(Liquefied Natural Gas)にする。LNGは硫黄分を含まない高カロリーのクリーン・エネルギーであるため、ガス会社にとって最良の都市ガス燃料として、早くから注目されていた。LNG の開発輸入には現地の液化プラント、輸送用のLNG タンカー、受け入れ基地の建設等巨額の投資を必要とする。また投下資本を回収するためには年間100 万トン以上の需要が必要であり、受入量の調節や他市場への転用がきかないなどの問題もある。
 日本へのLNGの最初の導入は、1969 年、アラスカからの輸入であった。その後、1972年ブルネイ、1977年UAE(アブダビ)とインドネシア、1982年マレーシア、1989年オーストラリア、1997年カタール、2000年オマーンと続き、2009年にはロシアのサハリン2プロジェクトからの輸入も始まった。入荷の実現前には数年の準備期間が必要である。1969年11月、日本に初めてLNGが輸入されたアラスカの場合、東京ガスと東京電力が購入を決定したのは2年半ほど前の1967年3月であった。インドネシアのボンタンからのLNGが日本に輸入されたのは1977年8月、アルンからの入荷は1978年10月だが、アルンとボンタン併せての売買契約は、3年半から4年近く遡る1973年12月の締結であった。

2.LNG のサプライ・ソース
日本が輸入している液化天然ガス(LNG)の輸入相手先は、LNG国別輸入表(1969-2001)によれば、1977年に始まり1979年にはブルネィを抜いてトップに立ったインドネシアが40%以上のシェアで首位を維持していた。しかし、最近数年間の国別シェアは著しく変化した。

 
 
  それまで輸入先1位であったインドネシアが順位を下げてマレーシアと入れ替わったのが2010年度である。下記の図表は、インドネシアが1位をキープした最後の2009年度とマレーシアが初めてトップに立った2010年度及び2011年度のシェアを示している。
 
 2009年度    2010年度    2011年度
         
 
 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC:Japan Oil, Gas and Metals National Corporation)の「2012年日本の輸入状況」によれば、2012年ではオーストラリアが初めてトップに立ち、カタールが僅差の2位、マレーシアは3位になったとある。ロシアもインドネシアと入れ替わって4位、インドネシアは5位に順位を下げている。なお、中長期契約によらないスポット調達先としては、ナイジェリア、赤道ギニア、ペルー、ノルウェー、イエメンがあり、スペイン、ベルギー、フランス、ブラジルからのスポット輸入もあるとのこと 。
 
        * ポートフォリオ契約 : 供給源を特定せず、保有する複数の供給源から製品を供給する契約  

 1995年度     2006年度
   
 
 上記の表は、1995年と2006年のLNG輸入相手先を示している。1995年時点のサプライ・ソースは、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、ブルネィ、アブダビの5ヶ国とアラスカであったものが、2006年には、カタールとオマーンに“その他”が加わった。LNGプロジェクト・リスト(1999年)は、“その他”を除く7ヶ国とアラスカからの輸入契約状況をレポートしている。LNGプロジェクト・リスト(2011年)は、終了したアラスカ・プロジェクトを除き2009年にサハリン2プロジェクトからの輸入が始まったロシアを加えた8ヶ国の輸入契約と開発中・計画中のプロジェクトについてのレポートである。  
 


 
インドネシアのLNG事情
1. 天然ガスの開発
 生産分与契約(P/S 契約)に基づいての探鉱の結果、モービルは1971年末、北スマトラのアルン地区で、ハフコ(現在はVICO)は1972年初頭、東カリマンタンのバダック地区で、それぞれ、世界有数の埋蔵量を持つガス田を発見した。プルタミナ、モービル、ハフコの3者は、天然ガスを液化して日本向けに輸出することに合意し、ベクテルをコントラクターに起用してのLNGプラント建設の準備を整えた。
 プルタミナは、子会社で日本法人のファーイースト・オイル・トレーデイング(FEO)と日商岩井(現在の双日)を窓口に、日本のLNG ユーザーである電力・ガスと輸出商談を始めた。1973年12月3日、プルタミナと関西電力、中部電力、九州電力、大阪ガス、新日鐵5社との間に20年間に渡る長期売買契約が締結された。その時点、LNGの生産体制はまだ整っていなかったが、プルタミナは、1977年中頃までには、プラントを建設しLNGを輸出することを約した。生産体制を整えるためには、インドネシア側はガス田よりのパイプラインとLNG プラントの建設資金を必要とした。世界的に権威のあるデゴニア・マクノートンによって確認された埋蔵量はバイヤーや金融機関などに大きな効果を発揮した。これにより、LNGプラント建設に必要な資金をプルタミナに供与する融資契約のネゴが始まった。1973年暮れに長期売買契約が締結されて、すぐ翌年(1974年)の2月25日、プルタミナへの窓口として、売買契約の交渉、契約の実務実行、ファイナンス手配などを業務とする日本インドネシアLNG 株式会社(JILCO)が、日商岩井とFEO、電力・ガス等5社を中核に設立された。JILCOは、1974年5月17日、LNG 輸入代金の前渡金という名目でプルタミナに資金供与する融資契約をプルタミナと結んだ。
 おりしも、1973年10月にオイルショックが発生したことから、日本政府はエネルギー政策上、インドネシアのLNG 事業を最重要案件と位置づけた。両国政府の話合いによりガス田よりのパイプライン敷設には海外経済協力基金の円借款の供与も決まった。 

2. P/Sコントラクターと天然ガス液化会社の発足
 1974年2月25日に発足したJILCOは、アルン、バダック両基地での天然ガス液化を目的として同年11月26日に設立されたPT Arun NGLとPT Badak NGLにも参加している。PT Arun NGLは、プルタミナ55%、モービル30%、JILCO15%の株主構成であり、PT Badak NGLは、プルタミナ55%、ハフコ30%、JILCO15%であった。なお、PT Badak NGLは、1990年にハフコの全資産がVI COに譲渡されたことと1993年よりトータルが10%の株主として参加したことにより、プルタミナ55%、VICO20%、JILCO15%、トータル10%の株主構成となっている。
 P/Sコントラクターは、プルタミナとのP/S 契約によりガス田で生産される天然ガスの35%の取り分を持っているが、LNGの販売権はプルタミナにある。したがいモービルとハフコ(現VICO)は、天然ガス取り分のプルタミナへの供給契約をP/S 契約とは別にプルタミナと結んでいる。バダックの場合、当初のP/Sコントラクターはハフコ単独であったが、その後、鉱区が増えたことにより、VICO、トータル、シェブロンなど複数のP/Sコントラクターが操業している。

3. ファイナンス・スキーム
 LNGプラント建設資金を供与する1974年5月17日付け融資契約の締結の後、プルタミナは、Continental Bank International(CBI)にモービルとハフコを交えた「受託者及び支払代理人契約(Trustee and Paying Agent Agreement)」を同年7月15日に締結した。同日、これに同意したJILCOは、プルタミナと日本興業銀行(現在のみずほ銀行)3社間の「エスクロ及び信託契約」を締結した。エスクロ勘定とは、その勘定に振込まれた金の運用を銀行に寄託することにより、受寄者である銀行が決められた手続き通りに管理する勘定である。上記「エスクロ及び信託契約」に基づき、プルタミナは、日本興業銀行信託会社(IBJTC)にエスクロ勘定を設置した。
 1973年売買契約の下でのファイナンス・スキームの通り、電力・ガス等5社がプルタミナに支払うLNG代金は、上記CBI(現在はBank America International)を経由してIBJTCにあるプルタミナ名義のエスクロ勘定に振り込まれる。IBJTCは、エスクロ勘定に入金した金額のうち融資契約で定められている所定の金額相当分をJILCOへの返済に振り替える。また、1975年4月25日、プルタミナ、IBJTCとJILCO3社間に締結された「貸付金信託契約」により、IBJTCは、プルタミナとの融資契約に基づいてIBJTCが管理する信託勘定にJILCOが振り込むプラント建設費用の運用を委されている。

4. LNGプラント
 1974年5月17日付け融資契約の締結に伴いファイナンス・スキームが整備され、さらに11月26日にPT Arun NGLとPT Badak NGLが設立されて液化事業体制が発足したことにより、ベクテルをEPC(Engineering Procurement Construction)コントラクターとして、アルンとバダックで5つのTrainの建設が始まった。アルン基地ではTrain 1、2、3 (Arun I)の3つで、完工は1978年から1979年に掛けてであった。一方、バダック基地ではTrain AとB (Badak I)が1977年に完工、操業が開始され、バダックからの第1船アクエリアス号が大阪ガス泉北基地に入港したのは1977年8月14日であった。この5つのTrain以外にベクテルがEPCコントラクターとして建設したプラントは、1980年7月に着手、1983年に完工したバダックのTrain CとD (Badak II)があり、これには千代田化工がCS (Construction Supervision)で参加した。その後、千代田化工は、バダックにおいて、1989年完工のTrain E (Badak III)、1993年完工のTrain F (Badak IV)、1997年完工のTrain G (Badak V)をEPCコントラクターとして請け負った。ただ、1999年に完工したTrain H (Badak VI)のEPCコントラクターはケロッグであった。
 アルンにおいても、千代田化工は、1982年に着手し1983年に完工したTrain 4と 5 (Arun II)を請け負っている。1984年に着手、1986年に完工したアルンのTrain 6 (Arun III)のEPCコントラクターは日揮であった。

Arun
• Train 1, 2, and 3 (Arun Project 1) was built in early 1974 and completed in late 1978 by Bechtel Inc.
• Train 4 and 5 (Arun Project II) was built in February 1982 and completed in late 1983 which was done by Chiyoda
• Train 6 (Arun III Project) was built in November 1984 and completed in September 1986, which is done by the Japan Gas Corporation (JGC)
Bontang
•1977 - LNG Terminal commissioned with two trains, A & B by Bechtel
•1980 - construction commenced on train C & D by Bechtel (Chiyoda in CD)     
•1989 - Train E Commissioned by Chiyoda
•1993 - Train F Commissioned by Chiyoda/IKPT
•1997 - Train G Commissioned by Chiyoda/IKPT
•1999 - Train H and the 3rd loading pier Commissioned by Kellogg/IKPT
*IKPT:PT Inti Karya Persada Tehnik (Bob Hassan Group)

5. 契約形態の違い-Ex-ShipとFOB
 インドネシアよりのLNG輸入の基となった1973年12月3日締結の長期売買契約とは別個のLNG長期売買契約が1981年に2件締結された。一つは、1981年4月14日締結の「1981年バダック増量契約」であり、二つめは4月27日締結の「アルンII売買契約」である。「アルンII売買契約」により、1984年から東北電力、東京電力2社がLNG の供給を受けるようになった。「1981年バダック増量契約」には、中部電力、関西電力、大阪ガスの他、東邦ガスが新たに加わった。東邦ガスは、「1973年売買契約」のバイヤーにも名前を連ねることになったので、「1973年売買契約」のバイヤーは従来の5社から6社になった。
 さらに1990年10月23日、プルタミナと東京ガス、大阪ガス、東邦ガスの間に「バダックIV売買契約」が締結され、1994 年から輸入が始まった。バダックIVとは、1991年に着工し1993年に完工したTrain F建設プロジェクトのことである。ちなみに、バダックIはTrain AとB、IIはTrain CとD、IIIはTrain E、VはTrain G、VIはTrain Hを指す。
 1992年10月13日には、大阪ガスに加えて広島ガス、日本ガスが参加する「バダックMCGC契約」が締結され、1996年から輸入が始まった。MCGC(Medium City Gas Company)契約とは、中堅都市ガス向け販売契約の意である。
 1973年から1992年まで、断続的に、「1973年売買契約」、「1981年バダック増量契約」、「アルンII売買契約」、「バダックIV売買契約」、「バダックMCGC契約」の5件の長期売買契約がプルタミナとの間で結ばれた。2009年12月2日「タングーLNG売買契約」が締結されたが、1992年10月の「バダックMCGC契約」以降17年間は、新規契約はなく、「アルンII売買契約」は2009年12月で打ち切られた。「1973年売買契約」も、1995 年8月3日の契約更新を経て2009年2月13日の更新では、「1981年バダック増量契約」と統合して「ボンタン(73・81)契約」となり、大幅な減量となった。
 上記LNG長期売買契約のどれも、内容に大きな違いはないが、デリバリー条件と輸送方法に若干の差違がある。「1973年売買契約」のデリバリー条件はINCOTERMS のDES (Ex Ship)である。プルタミナはLNG を自らの責任とリスクで日本の揚げ地まで運び日本側に引渡すのに対し、1981年締結の「アルンII売買契約」と「バダックIV売買契約」、では日本側バイヤーが海上輸送のリスクを負うFOB 条件である。現行のプルタミナとの輸入契約では、2014年に契約が切れる「バダックIV売買契約」のみがFOB条件である。

6. LNG契約の推移
日本のLNG輸入の相手先として、1985年には53%を記録するなど圧倒的に首位をキープしていたインドネシアが2012年時点では、6.2%のシェアで5位に落ちている。これは、アルン生産基地がガス田の枯渇により2014年に完全閉鎖されるため、日本との売買契約が2009年12月に終了、また、ボンタン基地もガス田の産出量の減少と需要が増加している国内供給を優先するという政策の影響で、長期契約による2011年以降の輸入数量が大幅に減少したことによるものである。なお、2011年2月、タングーLNGの輸入が始まった。

日本向けLNG中長期契約(2002年時点)
プロジェクト   輸入
開始年
 既存/新規契約
期間(契約年数)
 契約数量
  (万t)
 買主(数量=万t)  受渡条件
 Arun/Bontang
(73年契約)
 1977  1977~2000
  (23年)
 818 関西電力(257)、中部電力(215)、九州電力(156)、大阪ガス(130)、新日鉄(54)、東邦ガス(6)   Ex-Ship
 2000.1~2010.12
 * (11年)
845 関西電力(257)、中部電力(215)、九州電力(156)、大阪ガス(130)、新日鉄(62)、東邦ガス(19) 
  Badak増量
(81年契約)
 1983   1983~2003
  (20年)
 352   中部電力(165)、関西電力(88)、東邦ガス(55)、大阪ガス(44)、中部電力(165)、関西電力(88)、東邦ガス(55)、大阪ガス(44)  FOB
2003.4~2011.3
 * (8年) 
352 中部電力(165)、関西電力(88)、東邦ガス(55)、大阪ガス(44)、中部電力(165)、関西電力(88)、東邦ガス(55)、大阪ガス(44)
 Arun II  1984  1984~2004
  (20年)
 351  東北電力(300)、東京電力(51)  FOB
 2005.1~2009.12  ** (5年)    96  東北電力(83)、東京電力(13)
 Badak IV  1994  1994.1~2013.12
  (20年)
 230  大阪ガス(127)、東京ガス(92)、東邦ガス(11)
 FOB
 Badak MCGC        ***  1996  1996.2~2015.12
 (20年)
 40   大阪ガス・広島ガス・日本ガス (3社で40)
 Ex-Ship
 * 1995年8月3日延長契約                                          
 ** 2000年8月28日延長契約
 ***MCGC(Medium City Gas Company):中堅都市ガス向け販売契約(MCGCプロジェクト)

日本向けLNG中長期契約(2008年時点)
プロジェクト   輸入
開始年
 既存/新規契約
期間(契約年数)
 契約数量
  (万t)
 買主(数量=万t)  受渡条件
 Arun/Bontang
(73年契約)
 1977  2000.1~2010.12
  (11年)
845 関西電力(257)、中部電力(215)、九州電力(156)、大阪ガス(130)、新日鉄(62)、東邦ガス(19)   Ex-Ship
 Badak増量
(81年契約)
 1983  2003.4~2011.3
  (8年)
352 中部電力(165)、関西電力(88)、東邦ガス(55)、大阪ガス(44)  FOB
 Arun II  1984  2005.1~2009.12   (5年)    96   東北電力(83)、東京電力(13)  FOB
 Badak IV  1994  1994.1~2013.12
 (20年)
 230  大阪ガス(127)、東京ガス(92)、東邦ガス(11)
 FOB
 Badak MCGC          1996  1996.2~2015.12
 (20年)
 40   大阪ガス・広島ガス・日本ガス (3社で40)
 Ex-Ship


インドネシアLNG契約延長に関する基本合意書の締結 (2009年2月13日)
プロジェクト   輸入
開始年
 既存/新規契約
期間(契約年数)
 契約数量
  (万t)
 買主(数量=万t)  受渡条件
 Bontang
(73・81)延長
  1977
 1983
 2011~2020
  (10年)
300 関西電力、中部電力、九州電力、新日鉄、
大阪ガス、東邦ガス
(計300) →2016年から(計200)
 Ex-Ship
(100~200)
FOB (100)

タングーLNGプロジェクトに関するLNG売買契約等の概要(2009年12月2日契約締結)
プロジェクト   輸入
開始年
 既存/新規契約
期間(契約年数)
 契約数量
  (万t)
 買主(数量=万t)  受渡条件
 Tanguh  2010   2010.1~2024.12
 (15年)
   12  東北電力(12)   Ex-Ship

日本向けLNG中長期契約(2011年)
プロジェクト   輸入
開始年
 既存/新規契約
期間(契約年数)
 契約数量
  (万t)
 買主(数量=万t)  受渡条件

Bontang
(73・81)延長

  1977
 1983
 2011~2020
  (10年)
300 関西電力、中部電力、九州電力、新日鉄、
大阪ガス、東邦ガス
(計300) →2016年から(計200)
 Ex-Ship
(100~200)
FOB (100)
 Badak IV  1994  1994.1~2013.12
 (20年)
 230  大阪ガス(127)、東京ガス(92)、東邦ガス(11)
 FOB
 Badak MCGC          1996  1996.2~2015.12
 (20年)
 40   大阪ガス・広島ガス・日本ガス (3社で40)
 Ex-Ship
 Tanguh   *2011   2010.1~2024.12
 (15年)
 12  東北電力(12  Ex-Ship
 * タングーLNGプロジェクトからのLNGの受入れ開始:平成23年2月22日


7. 開発中または計画中のプロジェクト
(1) Donggi Senoro LNG Project
 スラウェシ中部において、PT Donggi Senoro LNG(DSLNG)が実施するLNG製造・販売事業である。2014年後半から200万トンを生産、13年間に渉り、韓国ガス公社に70万t、中部電力に100万t、九州電力に30万tを供給する。DSLNGの株主は、スラウェシLNGディベロップメント社59.9%、プルタミナ・フル・エナジー社 29%、メドコLNGインドネシア社 11.1%であり、スラウェシLNGディベロップメント社(PT Sulawesi LNG Development)は、三菱商事75%、韓国ガス公社 25%の合弁会社である。日揮がプラントの設計、調達、建設を行う。

(2) Sengkang LNG Project
 東京ガスは、インドネシア・スラウェシ島南部のLNGプロジェクト権益の25%取得と、プロジェクトへの参画について、オーストラリアの天然ガス会社、エナジーワールドコーポレーション(EWC)と協議を始めることで合意した。同プロジェクトからのLNG購入についても協議していくと、2010年3月24日プレスリリースした
 同プロジェクトはEWCが手掛けるガス田開発と、スラウェシ島内での発電、LNG生産、LNG販売の4事業で構成する「Sengkang LNG Project」、採掘した天然ガスを使って1997年から天然ガス発電を実施している。現在の19万5000kWの発電規模を2011年中に31万5000kWに拡張するとともに、新たに2011年から年間生産能力50万tの小規模設備を4基並べて年間200万tのLNGを生産する。