プラント案件に係る貿易保険
2005年4月
ロシア向けプラント案件に係る貿易保険の条件として、決済期間が起算点から2年未満の場合、L/Cが不可欠になります。
起算点とは、おおよそ次ぎのようになっています。
(1) 単体の場合は、各船積時又は中間船積時(契約金額の50%を超えて船積された時)
(2) 2種類以上の貨物の組み合わせにより機能するものであって、据付指導等の責任を有さないも
のは、各船積時又は中間船積時又は主要貨物船積時(通常付属品を除く本体の貨物の最終船積
時又は契約金額の95%を超えて船積みされた時)
(3) 2種類以上の貨物の組み合わせにより機能するものであって、据付指導等の責任を有するもの
は、仮引渡時又は検収テスト終了時
引受方針の変更
独立行政法人 日本貿易保険は、2005年9月22日付けで上記L/C条件を解除する旨の通知を行っています。
引受方針の変更についてのお知らせ
下記の国に係る引受方針を変更することとなりましたので、お知らせします。
○ 224 ロシア : E
<変更内容>
貿易一般保険・2年未満:○条件付引受(L/C条件) → ◎引受
貿易代金貸付保険・2年未満:○条件付引受(L/C条件) → ◎引受
輸出手形保険:○条件付引受(L/C条件) → ◎引受
輸出保証保険:○条件付引受*引受態度のみ → ◎引受
前払輸入保険:○条件付引受*引受態度のみ → ◎引受
限度額設定型貿易保険:×引受停止
→
◎引受
中小企業輸出代金保険:○条件付引受(L/C条件) → ◎引受
<変更理由>
近年における同国の経済状況・取引状況等を勘案し、二年未満に係るL/C条件を外し、引受方針を緩和することとしました。
(実施日)2005年10月1日を予定しています。
以上
ロシア - リース業を利用してのプラント輸出
ロシアではリース業が盛んである。ロシアでリース取引が急増している背景として、製造業が直面している深刻な投資不足の問題がある。ロシアの製造業の生産設備は老朽化・陳腐化が著しい。他方、自前で投資を行うには、自己資金の不足などの障害がある。その点、リースであれば、新しい産業設備を導入することが比較的容易である。
リース業者が、自らの責任において、プラントのサプライヤーから賃借人の指定したプラントを取得し、賃借人に提供する。リース物件はリース会社の資産として扱われる。契約期間中、リース物件の紛失や磨耗のリスクは、リース業者の出費により、契約当事者の合意した保険会社によって付保される。
リース取引は、実質的に投資プロジェクトの一種であると言える。契約期間の終了に伴い、賃借人はリース物件を返却することも、契約を延長することも、新規の契約を結ぶことも、買い入れることもできる。
リース取引の利点として、税制の優遇がある。例えば、資産はリース業者のものなので、賃借人は重い負担となる資産税の支払を免除される。
リース取引により、賃借人は、設備の料金を数年間にわたって月割でリース料という形で支払い、リース期間終了時にリース物件の所有権を取得することができる。
ロシア向けプラント輸出で複合一貫輸送が不成立
2006年7月21日
ロシア向けプラント輸出契約の決済条件としてL/Cを受領したが、このL/Cで要求されるB/LのDestinationは、数百キロメートル内陸のプラント・サイトまでとなっていた。
積荷は機械類で多くはコンテナに収まるが、大型機械は木箱梱包でオン・デッキとならざるをえず、中国船籍のセミ・コンテナ船への船積みとなった。(積み地:横浜、名古屋)
Combined B/Lの発行を船会社に求めたところ、現地に陸送を引き受けるオペレーターをかかえておらず、サンクトペテルブルグ揚げ後の陸送部分をカバーする通しB/Lの発行を拒絶された。
やむを得ず、輸入者に仕向地サンクトペテルブルグまでのOcean B/LとするようL/Cのアメンドを求めた結果、アメンドされて一件落着となった。
*複合運送証券(Combined Transport B/L):複合運送証券に関する統一規則により全運送区間を通
して荷主に対する責任を負う。
*通し運送証券(Through B/L):最初の運送人が全運送期間について発行する船荷証券。在来貨物
船においても、船積地から陸揚地経由最終仕向地までの運送を引受ける通し運送証券が発行さ
れるが、「自己の運送区間で発生した損害についてのみ責任を負う」という責任分割約款が必
ずB/Lに記載されているので、全運送区間を通して荷主に対する責任を負う複合運送証券
(Combined Transport B/L)とは性格が異なる。
JBICは日本政策金融公庫に組織替え
国際協力銀行(JBIC))は、平成20年10月1日より、株式会社 日本政策金融公庫の 国際協力銀行となりました。
日本政策金融公庫は、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び国際協力銀行(国際金融等業務部門)を統合したものです。
旧国際協力銀行は、1999年、海外経済協力基金(OECF)と日本輸出入銀行(EXIM)が合併したものですが、ODA(政府開発援助)を担当する部門(旧OECF)は、国際協力機構(JICA)に移行し、国際金融業務を担当する部門(旧EXIM)が、日本政策金融公庫に参加しました。
なお、日本政策金融公庫は、同じ政府系の日本政策投資銀行とは別個の機関です。
(JBIC)の国際金融業務
2007年4月2日
アドバイザー仲間でJBICの現役期部長である藤田豊明さんより、2007年4月時点のJBICについて、話して貰う機会がありました。
JBICは、平成20年10月1日より、株式会社 日本政策金融公庫の国際協力銀行(JBIC))になりましたが、下記については、現在も基本的には変わっていない事項です。
輸出金融の形態
輸出金融の形態はバンクローンが主流になっている。サプライヤズ・クレジットはほとんど利用されなくなっており、また新JBICでもその業務は廃止される予定である。
インドネシア向けバイヤーズ・クレジット
インドネシア向けのバイヤーズ・クレジットとしては、政府を貸し付け先とする電力公社(PLN)の既存発電設備(チラチャップ発電所等)のリハビリ用機器・役務の調達資金の供与がある。又、最近は、パイトン発電所のようなIPP(独立発電業者)向けのプロジェクト・ファイナンスが主流となっている。
プルタミナ向け融資とプルタミナの活動状況
インドネシア石油ガス公社(プルタミナ)を合弁パートナーとする開発会社への資金供与もある。また、最近のプルタミナの事業は原油の輸入と下流部門(製品であるガソリンや灯油、LPGの国内供給)が主体になっているという。
海外投資の有望仕向先 - BRICs
JBICの融資先800社への2006年度のアンケート調査の結果によれば、海外投資の有望仕向先の1位は3年連続して中国だが、得票率は前年2005年度より減少している。一方、インド(前年と同じ2位)、ベトナム(前年4位から3位)、ロシア(前年と同じ6位)、ブラジル(前年8位から7位)の得票率は増加している。10位までに入っているBRICsとベトナム以外の国は、タイ、米国、韓国、インドネシア、台湾となっている。
海外投資金融-海外投資保険の付保は必須条件ではない
海外投資金融を受ける場合、独立行政法人日本貿易保険の海外投資保険の付保は必須条件とはなっていない。かってサプライヤズ・クレジットを受ける場合、輸出保険(現在の貿易保険)の付保は必須条件であったので、認識を新たにした。
JBICによるイスラム金融スキーム
JBICは、中東オイルダラーをアジアに還流させるため、イスラム国のマレーシアを拠点とするイスラム金融を検討している。シャリア法(イスラム法)では、リスクのない不労所得である利子の受取りを禁じているが、元本保証のない事業に投資して利潤を得ることは正当なものとしている。
JBICによるイスラム金融スキームは、シャリア法に合致しているかどうかをチェックするシャリア委員会(イスラム法学者委員会)の設置を前提としている。
イスラム金融/イスラム銀行
国際協力銀行(JABIC)がマレーシアを拠点とするイスラム金融を検討しているという話を聞き、「イスラム金融」という用語自体が初めてなので、大変なスキームを検討しているものと感じ入っていたのだが、いろいろ調べたところ、イスラム金融//イスラム銀行の設置はすでに一般化している傾向ということをあらためて認識した。
その傾向を簡潔に表した記事を見つけたので、下記する。
原油価格の高騰でイスラム金融が活発になっている。中東産油国の石油収入は05年3000億ドルに達したと見られ「オイルマネー」の行方が注目される。その行く先の一つにコーランの教えに従い資金を運用するイスラム銀行がある。
コーランは「利息」を禁止している。正確に言えばカネを貸すだけで確定した利息をとる行為を否定している。事業者にだけリスクを負わせ、自分は担保を取って安閑と利息を貪(むさぼ)るのは不道徳、という考えだ。
「ベニスの商人」を否定するのがイスラム金融と思えば分かりやすい。
だが金利を否定すると銀行は成り立たない。そこで金利を取らずに資金を融通する試行錯誤が20世紀半ばから検討されてきた。
銀行は借り手と共同事業を行い、成功すれば利益を折半し元金に上乗せして回収する。あるいは銀行が資材を買ってリースし手数料を取る。方法は様々だが銀行も事業リスクをとり、失敗すれば損失を被る。貸手も責任を負うのが特徴だ。
取引先にも厳格な規定がある。酒、賭博、ブタ肉など戒律に触れる資金提供はしない。利益の過半が金利収入という企業もダメ。つまりサラ金やマネーゲームにはカネを提供しない。
誠実、公平、相互扶助がイスラム教の根底にある。イスラム銀行には「シャリア委員会」と呼ばれる組織があり、資金がイスラム法に従って使われているかを審査。モラルを収益より重視する経営で、企業の社会的貢献(CSR)や企業のコンプライアンス(法令順守)に似た潮流である。
流れはアジアに広がっている。マレーシアはマハティール前首相の時代にイスラム金融が盛んになった。ヘッジファンドによる投機が引き金になったアジア通貨危機への怒りが発端だ。タイはタクシン首相が地域の活性化にイスラム金融を奨励した。
9・11がこの流れを加速した。反米感情がイスラム回帰を促し、金融の世界も戒律が重視されるようになった。米国に向かったカネが資産凍結を恐れイスラム圏にUターンした。シティバンクやパリバ銀行など米欧の金融機関までが、子会社や専門支店を作ってイスラム金融を始め資金獲得にやっきになった。そこに石油価格の高騰が重なる。
バーレーンやドバイの目抜き通りには「イスラム銀行」の看板があふれている。いまや40カ国余で200を超える銀行が約3000億ドルの資金を動かしている、といわれる。
(以下略)
山田厚史(編集委員) / 「【経済】イスラム金融の台頭」(朝日新聞 be)
イスラム金融とコーラン
イスラム銀行には、「シャリア委員会(イスラム法学者委員会)」と呼ばれる組織があり、コーランで禁じられている利子の受取がないか、取引相手等の当事者が教義に反する事業(豚肉、アルコール、武器、賭博、ポルノ等)に関わっていないかをチェックしている。
コーランとシャリア
コーランがイスラム教の聖典であることは知られている。コーランには、確かに、「男性は4人の妻を持てる」、「目には目」、「豚肉は不浄」、「禁酒」など、伝え聞くイスラム教の教義が記述されている。「礼拝」、「断食」、「メッカ巡礼」などの義務づけも明記されている。イスラム法(シャリア法)は、これらを法制化したものと言える。参考までに教義に対応するコーランの章節を下記する。
2章. 雌牛(アル・バカラ)
110. 礼拝と喜捨
185. ラマダーンと斎戒
196. 巡礼〔ハッジ〕
3章. イムラーン家 (アーリ・イムラーン)
97. 礼拝
4章. 婦人 (アン・ニサーア)
3. 2人、3人または4人の女を嬰れ。
5章. 食卓 (アル・マーイダ)
38. 盗みをした男も女も、報いとして両手を切断しなさい。
45. 生命には生命、目には目、鼻には鼻、耳には耳、歯には歯
90. 酒と賭矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である。
91. 酒と賭矢によって、敵意と憎悪を起こさせ、礼拝を捧げるのを妨げる。
6章. 家畜 (アル・アンアーム)
145. 死肉、流れ出る血、豚肉 - それは不浄である
24章. 御光 (アソ・ヌール)
2. 姦通した女と男は、それぞれ100回鞭打て。
コーランとイスラム法(シャリア法)との関係をフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用すると、次のようになる。
コーランは、ムハンマドに対して神(アッラー)が下した啓示、すなわちムハンマドが予言者として、アラブ人にアラビア語で伝えた神の言葉そのものであるとされる。イスラム法学では、神の言葉そのものであるコーランは、イスラム法体系における憲法に相当し、イスラム法(シャリア)の基幹である。
シャリアとは「水のみ場への道」という意味だが、砂漠地帯での「水のみ場への道」は生きることに繋がる道である。神が定めた絶対の掟であるシャリアは、ムスリムにとっては、人間としての正しい生き方を示す指標である。ムスリムにとって、シャリアへの服従はイスラムへの信仰と同義である。ただし、すべての法規定を集大成した「シャリア法典」のようなものは存在しない。法というよりは、道徳的な規範であり、義務である。
コーランは利息の受け取りを禁じている
コーランにおいては、どのように利息を禁じているか、利息に関係するコーランの章節を抜き出してみる。
雌牛の章(2章275節)
利息を喰らう奴らは、(復活の日が来ても)すっと立ち上がることなんかできないよ。ま、立ち上がるにしても、まるでシャイターン(サタン)の一撃をくらってぶっ倒された奴みたいな(情けない)立ち上り方だろうて。それというのも、奴らときたら「なあに商売だって結局は利息を取るみたいなものさ」などとほざきおるからな。アッラーは商売はお許しになった、だが利息取りは御法度だぞ。神様からお小言を頂戴しておとなしくそんなこと(利息を取ること)をやめるなら、ま、それまでに儲けた分だけは見のがしてやろうし、ともかくアッラーが悪くはなさるまい。だがまた逆戻りなどしおったら、それこそ地獄の劫火の住人となって永遠に出してはいただけまいぞ。(『コーラン』上 井筒俊彦訳 岩波文庫)
雌牛の章(2章276節)
アッラーは利息(取りの習慣)をあとかたもなくなしてしまおうとしていなさるのだ。だが施し物を出せば、それにちゃんと利子をつけて返して下さるはずじゃ。アッラーは誰であろうと罪業深い罰当たりはお好きにならん。(だが)立派な信仰をもち、善行をなし、礼拝をきちんと守り、喜捨を出す人たち、そういう人たちの御褒美は神様が引受けて下さり、もう何も恐しい目にも悲しい目にも逢うことはなくなるのさ。(『コーラン』上 井筒俊彦訳 岩波文庫)
ビザンチンの章(30章39節)
あなたがたが利殖のために、高利で人に貸し与えても、アッラーの許では、何も増えない。だがアッラーの慈顔を求めて喜捨する者には報償が増加される。
イスラム教は商業による利潤追求を是とする
イスラム教以外の宗教では、物品を生産せず流通させるだけで利益をあげる商業を卑しいものとしている。日本でも、商業を最下級とする「士農工商」という言葉がある。これは江戸時代の封建的階級観念によるものである。
イスラム教は、開祖ムハンマド自身が交易商人であったこともあり、商業の成否は当事者の才覚によると考え、商人による「判断」を知的労働と捉え、「利潤の追求」を正当なものとした。イスラム発祥地での商業の基本的パターンのひとつが、キャラバンによる長距離交易だったことが、商業を「不労所得」と捉えない観念と関係していると思われる。長距離交易では商人自身の才覚・努力が求められ、それらを満たしていても不慮の事故によってすべてを失うリスクを抱えていた。商業による利潤追求を是とする一方で、「利子」については厳しく禁じている。
イスラムでは、商業による「利潤」は労働の一種とされるが、金貸しによる「利子」は、自ら努力せず、かつ危険を負わずして財産を増殖させる「不労所得」として禁じられた。イスラムにおいては前者は推奨され、後者は徹底的に非難されるべきものであった。(引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
BRICs・VISTA
現代用語として、BRICs(Brasil:ブラジル、Russia:ロシア、India:インド、China:中国)は、広く浸透している。このBRICsにVISTAを組ませて、BRICs・VISTAというタイトルのコラムをマネックス証券の画面で目にした。
VISTAとは、一般的にはWindows
XPの次にマイクロソフトが売り出しているOSを指すが、マネックス証券の記事によれば、BRICsに勝るとも劣らない成長性を有すると期待されているVietnam:ベトナム、Indonesia:インドネシア、South Africa:南アフリカ、Turkey:トルコ、Argentina:アルゼンチン5ヶ国の頭文字をとったもので、「世界経済におけるBRICs、VISTAの存在感が高まっている中で、BRICs、VISTA各国の動向は無視できず、市場情報の収集が不可欠となってきています。」と結んでいる。
G8とG20
日本、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアの8ヶ国により毎年、開催されている主要国首脳会議は、G8サミットと呼ばれる。
*1998年、ロシアが加わってG8になるまでは、先進7ヶ国(G7)のサミットであった。当時のロシアは経済破綻
で発展途上国であった。現在も、G7と言う場合は、先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議を指す。
G8サミットには、2005年以降、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国の新興5ヶ国が、準レギュラーとして参加している。
また、アジアの通貨危機などをきっかけに1999年、20ヶ国の財務相・中央銀行総裁会議として始まった「金融・世界経済に関する首脳会合(Summit
on Financial Markets and the World Economy)=金融サミット」は、G20サミットと呼称される。G20(Group
of Twenty)構成国は、G8とG8サミットの準レギュラーである新興5ヶ国に加えて、韓国、オーストラリア、インドネシア、アルゼンチン、トルコ、サウジアラビア、EUの20ヶ国・地域である。
危険なメール - United Postal Service
Outlook Expressを開いたら、受信トレイに、送信者:United Postal Service、件名:UPS Tracking Number 02915529404、受信日時:2008年9月30日 9:48という添付ファイル付きメールが入っていた。
本文記事は次の通りである。
Unfortunately we were not able to deliver postal package you sent on Sept the 28 in time because the recipient’s address is not correct.
Please print out the invoice copy attached and collect the package at our office
Your UPS
心当たりがないわけではない。郵便局を使って、9月10日に船便、9月16日にEMSを発送している。しかし、EMSについては、9月20日に受領を確認しているし、船便は、まだ太平洋上のはずである。
先日も、発信人がAmerican Airlines で、件名が"Your flight ticket N7223278"という添付ファイル付きメールを受けとった。今年5月訪米した時のフライトがAmerican Airlinesなので、ちょっと気になり、AA予約セクションに電話したところ、"Buy airplane ticket Online"の件かと即答あり、「多数からの問い合わせを受けて、迷惑している。迷惑メールなので、破棄した方がよい。」とのアドバイスだった。
今回も同じ類の迷惑メールだろうが、一応、United Postal Serviceなるものを確かめておくこととし、ネット検索したところ、略称は同じUPSだが、Pの部分がPostalではなくParcelであるUnited
Parcel Service(UPS)というヤマト運輸とも提携している米国の国際貨物航空会社(United Parcel Service of America, Inc. )があった。また、アメリカ郵政公社の正式名称は、United Postal Serviceではなく、United States Postal Service(USPS)であった。略称もUPSではなく、USPSである。
添付のインボイス・コピーをプリントしろとの指図に従って、添付ファイルを開いたら、即、ウイルス感染だったであろう。
United Postal Service発の迷惑メールをホームページにアップした翌日、またまたUPS発で、件名が[NO-REPLY] UPS
Tracking Number 76303698という添付ファイル付きメールを受信した。
NO-REPLYと言っているので、前のメールを参照しているのではないかと思い、本文を見ると、内容はまったく同じである。ただ、前回が9月28日発送となっていたのに、今回は、9月18日発送となっている。また、根本的な違いとして、前回は、UPS
Tracking Number 02915529404なのに、今回はUPS Tracking Number 76303698である。送信者のアドレスもtello@qea.comとtequila301@yahoo.comと違っている。ちなみに、United States Postal Service(USPS)のURLはhttp://www.usps.comである。
この迷惑メールは、殊の外にしつこく、今度は、”Problems with delivery UPS”という件名である。Deliveryの日付が3件とも違う以外、本文はどれも同じだが、件名は、次のように変遷している。
1.件名:UPS Tracking Number 02915529404
2.件名:[NO-REPLY] UPS Tracking Number 76303698
3.件名:Problems with delivery UPS
郵政民営化と国際郵便事業
郵政民営化の結果、郵政三事業(郵便・簡易保険・郵便貯金)を営み、郵便局という名で周知されていた旧日本郵政公社は、平成19年10月より、持株会社である日本郵政株式会社(Japan
Post Holdings Co.,Ltd.=JP日本郵政)の下に、郵便事業株式会社(Japan Post Service Co., Ltd. = JP日本郵便)、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険、窓口業務を行う郵便局株式会社の4社を置く日本郵政グループとなった。
民営化とはいえ、郵便法第4条は、JP日本郵便以外の者は、何人も、郵便の業務を業とし、また、会社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない、として、JP日本郵便による郵便事業の独占を規定している。ただし、郵便法と相まって施行されている「民間事業者による信書の送達に関する法律(信書便法)」により、JP日本郵便の完全独占事業というわけではない。
郵便とは、広辞苑によれば、信書(書状・はがき)その他所定の物品を国内・国外へ送達する通信制度とある。また、信書とは、いわゆる手紙であり、契約書、請求書、領収書や免許書、印鑑証明書、戸籍謄本、健康保険証なども信書に該当する。一方、新聞、雑誌、カタログ、カレンダーなどの印刷物(Printed Matters)やダイレクトメール、商品券、キャッシュカード、ポイントカードなどは、信書に該当しない。
なお、宅配便事業について、JP日本郵便は、日本通運との合弁会社JPエクスプレス株式会社を設立、日通ブランドであった国内宅配便(ペリカン便)を取り扱っていたが、2010年7月、JPエクスプレスを精算、JP日本郵便のブランドであるゆうパックがペリカン便を吸収することになった。。
日本郵政グループの事業で国際取引に関係するものとしては、ゆうちょ銀行が国際送金や外貨両替などの外国為替・外貨取り扱い業務を営む一方、JP日本郵便が「万国郵便連合憲章」のルールに従って、国際郵便事業を営んでいる。
国際郵便と国際宅配便
国際郵便は、国連の専門機関である「万国郵便連合(Universal Postal Union=UPU)」が定める万国郵便連合憲章及び万国郵便連合一般規則(Constitution and General Regulations)のルールに従って、業務が行われている。万国郵便連合憲章は、多国間における国際郵便において、事実上最上位の効力を有する条約である。
UPUは、1874年、ベルンで開催されたUPUを設立するための第1回万国郵便大会議において署名された「万国郵便条約」に基づき、設立された。
日本においては、JP日本(郵便事業株式会社)が、海外向け通常郵便物(手紙・ハガキ)と小包郵便物を扱っており、小包郵便物については、航空便、SAL便、船便の3通りの発送手段がある。
*SAL(Surface Air Lift)便
国際郵便を一般の航空便より低い優先度で航空輸送するサービス
船便(surface mail)を空路(air)に引き上げる(lift)の意。
郵政においては、船便(surface mail、sea mail)を平面路便=surface mailと呼称
*EMS(Express Mail Service=国際スピード郵便)
荷物を迅速に配送する国際航空郵便サービス、輸送中は最優先で取り扱われる。
国際宅配便は、航空機による輸送が主体であり、JP日本郵便が扱う小包郵便物の船便扱いを別として、船舶による輸送はまずないと言える。
FEDEX、DHL、TNT、UPSなど外資系宅配便業者にしても、創業が航空輸送のFEDEXに代表されるように、空輸をベースとしている。
日本の代表的な宅配業者であるヤマト運輸や佐川急便は、元々、トラック輸送専門なので、国内宅配事業はトラック輸送で行っているが、国際宅配便は空輸であり、且つ、法人との契約に基づいているので、日本における様な一般家庭向け宅配サービスはない。参考までに、宅配便の英語表現は、Home-delivery
ServiceまたはDoor-to-door Serviceである。
なお、日本通運の国内宅配便(ペリカン便)は、2010年7月より、JP日本郵便が扱っている郵便小包(ゆうパック)に吸収統合されたが、国際宅配便(海外ペリカン便)は、現在も、日通の航空事業部である日通航空の扱いである。また、日通の生い立ちは、トラックを用いて鉄道貨物の集荷・配達業務を行う全国の通運業者を統合して日本通運法のもとで成立した国営企業だった。旧国鉄との関係は密接であった。
日本郵政 ペリカン便を「ゆうパック」に統一
日本郵政グループの郵便事業会社は、ペリカン便事業を営んでいた日本通運との合弁会社JPエクスプレス株式会社を精算し、2010年7月より、ペリカン便を「ゆうパック」に統一した。
かって、日本通運の宅配便「ペリカン便」の名前は、強いブランドイメージを持っていたが、消滅した。
なお、国際宅配便(海外ペリカン便)は、航空事業部である日通航空の扱いで存続している。
宅配便とメール便
宅配便とは、比較的小さな荷物をdoor to doorで配送する輸送便である。国土交通省の用語の解説にある「宅配便貨物」は、“一般貨物自動車運送事業の特別積合せ貨物運送又はこれに準ずる貨物の運送及び利用運送事業の貨物自動車運送にて運送した貨物のうち、重量が30キログラム以下のものをいう。単位は一個を一口とする。”と説明されている。
「宅配便」という用語は、トラック運送に関わる物流二法(貨物自動車運送事業法と貨物利用運送事業法)においては、用いられていない。「宅配便」を指す「特別積合せ貨物運送」は、「貨物自動車運送事業法」第2条第6項で、“この法律において「特別積合せ貨物運送」とは、一般貨物自動車運送事業として行う運送のうち、営業所その他の事業場において集貨された貨物の仕分を行い、集貨された貨物を積み合わせて他の事業場に運送し、当該他の事業場において運送された貨物の配達に必要な仕分を行うものであって、これらの事業場の間における当該積合せ貨物の運送を定期的に行うものをいう。と定義されている。
貨物利用運送事業法が規定する「貨物利用運送事業」には、航空、鉄道又は海運を利用して行う貨物の運送に先行、又は後続して自動車による集配を行う「第二種貨物利用運送事業」と、第二種貨物利用運送事業以外の貨物利用運送事業である「第一種貨物利用運送事業」がある。宅配便事業は、第二種貨物利用運送事業に相当する。
郵便局が扱っていた小包郵便物は、2007年の郵政民営化にともない、郵便法の定める郵便物には該当しなくなり、貨物扱いになったが、「小包」という呼称は一般に広く認知されているため、現在も小包と呼ばれている。
一方、メール便とは、宅配便のシステム(配送網)を利用して、書類や商品カタログなど、郵便法上の「信書」ではない軽量の荷物を運ぶ輸送サービスで、コンビニなどで取り扱われている。
私は、A4サイズの書類を発送する場合、もっぱらコンビニ経由でメール便を利用している。料金は、通常80円、速達で180円である。平日しか取り扱わない郵便局と比べて、休日でも発送できる。郵便局(実際は、郵便事業会社)だと、A4サイズは定形外となり、50gまで
120円、 100gまで 140円、 150gまで 200円である。
先日、VHSビデオ・カセットとDVDを封筒に詰めて、メール便で送ろうとしたところ、厚さが2cmを超えているので、メール便では扱えない、宅配便扱いになり、その場合、料金は740円とのこと。郵便局の定形外郵便物扱いだと500gまで390円なので、結局、郵便局から発送した。
メール便として受け付けられるサイズは、郵便受けに入るサイズであり(その範囲内であれば封筒の種別・サイズは問わない)、料金は郵便と異なり外形寸法だけで次のようになっている。
・A4厚さ1cmまで……80円
・A4厚さ2cmまで……160円
・B4厚さ1cmまで……160円
・B4厚さ2cmまで……240円
実運送と利用運送
貨物利用運送事業法において、「実運送」とは、船舶運航事業者、航空運送事業者、鉄道運送事業者又は貨物自動車運送事業者(以下「実運送事業者」という。)の行う貨物の運送をいい、「利用運送」とは、実運送事業者の行う運送(実運送に係わるものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう。
すなわち、鉄道、船舶、航空機等の輸送手段を有する運送事業者を「実運送事業者」、実運送事業者が行う運送を「実運送」といい、事業者自らは鉄道、船舶、航空機等の輸送手段を保有せず、他の実運送事業者が行う運送を利用して、貨物の運送を行う事業を「貨物利用運送事業」という。
NVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier)は、自らは、船舶の保有と運航を行わない利用運送事業者である。
なお、貨物利用運送事業法が規定する「貨物利用運送事業」には、航空、鉄道又は海運を利用して行う貨物の運送に先行、又は後続して自動車による集配を行う「第二種貨物利用運送事業」と、第二種貨物利用運送事業以外の貨物利用運送事業である「第一種貨物利用運送事業」がある。宅配便事業は、第二種貨物利用運送事業に相当する。
*NVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier)
アメリカの1998年外航海運改革法では、NVOCCとOcean Freight Forwarder(OFF =海運貨物取扱業者)は「海上
運送仲介業者(OTI= Ocean Transportation Intermediary)」として明確に規定されている。日本においては「貨物 利用運送事業法」で定義されている「利用運送事業」が、NVOCCと混載業者(consolidator)を指す。
海貨業者と通関業者(乙仲)
ある相談会で、通関について、「海運貨物取扱業者」で「乙仲」なるものがあると聞くが、どのようなものかとの質問があった。それは、通関業者のことで、製品がハンド・キャリーでも持ち込めるような物なら、通関業を兼ねている宅配業者に頼めば、まず問題なく、輸入者に届けてくれると説明した。
「乙仲」とは、戦前の海運組合法(1939年)で、定期船貨物の取次をする仲介業者を乙種仲立業(乙仲)、不定期船貨物の取次ぎをする仲介業者を甲種仲立業(甲仲)と分類していたことに由来する。海運組合法は、1947年に廃止されたため、甲仲、乙仲という分類はなくなったが、乙仲という呼び方は、現在でも、海貨業者や通関業者の俗称になっている。
海貨業者とは海運貨物取扱業者(freight forwarder)の略で、文字通り海運貨物を取り扱う事業者である。海運貨物取扱業者と言うと、いかにも法律で定められた事業者のように聞こえるが、港湾運送事業法に海運貨物取扱業なる業種はない。港湾運送事業法で規定される事業の種類は、一般港湾運送事業、港湾荷役事業、はしけ運送事業、いかだ運送事業、検数事業、鑑定事業、検量事業である。
一般港湾運送事業は、検数、鑑定、検量を除いて、港湾荷役(輸出貨物の船積、輸入貨物の荷卸し及び国内運送までの作業などステベに代表される荷役)のほか、通関、はしけ運送、いかだ運送、沿岸荷役、倉庫業など貿易に関する荷役・通関業務を幅広く行っている。いわゆる海貨業は、この一般港湾運送事業である。
海貨業や倉庫業は、通関業を兼ねているのが普通だが、法律上、通関業と海貨業や倉庫業は別個の業種である。税関への輸出入申告を取扱う通関業者(Customs Broker)は、通関業法に基づく通関業の許可を受けており、通関士を置くことが義務づけられている。海貨業は港湾運送事業法、倉庫業は倉庫業法によって規制されている。倉庫業とともに物流の重要な一端を担っているトラック輸送業は貨物自動車運送事業法と貨物利用運送事業法によって規制されている。
ステベ
ステベとは、ステベドア(Stevedore)の略称で、本来の意味は沖仲仕だが、港湾運送業界では、船舶または埠頭における貨物の積卸しを専業とする船舶荷役請負業者を指す。荷主または船会社の依頼を受けて船舶で運送される貨物を揚げ積みし、そのため船内、はしけ、沿岸、いかだの荷役業務を一貫作業として行う。ステベは、船会社から船内の積揚荷役作業を専属的に指定されるのが普通であり、船会社との結びつきが強い。
海外移転企業 - 労働集約型と省力型
2006年9月
最近、ある海外進出企業より、製品の市場性が乏しくなって来ている労働集約型事業部門を閉鎖し、省力型事業部門に注力かつ拡大を図りたい、ついては一事業部門の閉鎖に関わる現地の法的手続き、配慮すべき問題等について教授願いたいとの相談を受けた。
一般に、海外現地法人の増資や事業内容の変更は定款の改訂と届け出で済むのが通例である。ただし、減資や解散の場合は、やや面倒な手続きが必要になることもある。今回の相談の場合、手続き面での問題はないが、労働集約型事業部門の閉鎖にともなう多数の労働者の解雇に問題が発生するおそれがある。通常、現地政府の外資誘致の大きな目的の一つとして、雇用機会の拡大がある。したがって大量解雇は国策に反することであり、社会問題になったとき、政府の庇護が受けにくい。今回の相談者も、その点を十分心得ており、退職金に割増しをつけて円満退職させる他、しかるべき筋にも十分な根回しを行うと言っていた。
ここで注目すべきは、安い労働力が大きな要因であった企業の海外移転に転機が来ているということである。そういえば一頃、あれほど喧伝された「産業の空洞化」問題が鳴りを潜めている。日本企業は、1985年9月のプラザ合意以降、急速な円高に直面したため、安い労働力や土地を求めて中国やインドネシアなどアジア各国に生産拠点を移していった。
このため、国内工場の閉鎖や雇用不安の増大など、いわゆる「産業の空洞化」がさかんに議論されていた。もちろん、安い労働力や土地を求めて海外に生産拠点を移転させる流れが止まったわけではない。しかし、輸送用機械や電気機器の海外生産比率が非常に高くなり、付随して海外に出ようとする部品メーカーの機械類が、どちらかといえば、省力型であるという現実を無視するわけに行かない。またさしあたっての問題ではないが、労働集約型移転企業には、撤退を検討する場面もありえるということを認識すべきである。
*プラザ合意(Plaza Accord):五ヶ国蔵相(G5)は、1985年9月22日、ニューヨークのプラザ・ホ
テルで会議を開き、当時問題となっていた過度のドル高を是正する
ため協調介入に乗り出す旨の声明を出した。
教科書と現実 - 信用状と並行輸入
2006年9月
最近受けた貿易相談には、かって我々が金科玉条としてきた原則が通用しないケースが多い。
信用状決済であるにもかかわらず、L/Cの要求する条件を確認することなく、L/C到着前に船積みしてしまい、ディスクレパンシーがあっても、後でアメンドすればよしとして、取り立てにまわす等々である。
しかし、聞いてみると、やむを得ないのかな、と思わざるをえない。すなわち、商品が中古車両であり、業界ではそれが常識であるということ、仕向国の輸入法規が朝令暮改のため、少しでも早く輸入通関させる必要があるということ等々である。
業界の常識という観点から見ると、我々の常識ではまったく驚きでしかないのが、輸入者との直接交渉でなく、インターネットでつながったエージェントを介しての交渉であり、書類はプロフォーマ・インボイスのみで契約書は存在しないという。案の定、トラブルが発生すると、エージェントとの連絡はぷっつり途切れたという。
初心者向け貿易基礎講座などで、我々は、初めての取引相手には信用調査を行うとか、売買契約書が不可欠であると講義する。特に、信用状取引の仕組みについては細部にわたって解説する。
しかしながら、今や信用状決済は、輸出で全体の三分の一、輸入で四分の一程度の利用度でしかなく、「送金決済方式」が主流になり、銀行、特に地方支店の場合、比較的新しい客先では信用状付きでも荷為替の買取りはなく、取り立て扱いにするとのこと、当然、与信行為である輸入信用状の開設は、ありえないという。
ある外為専門家は、新規顧客のための信用状開設が困難になった理由を次ぎのように説明している。
銀行は、不良債権処理とそれに伴なうリストラの一環として、処理コストと収益性の見直しをした。数多くの銀行が、コストと収益性の観点から、専門性を必要とし画一的に機械処理ができない国際業務を縮小した。そのため、信用状開設、ドルユーザンスの供与など新規与信行為の取り上げには極めて消極的になった。また国際業務撤退により、銀行窓口に国際業務精通者がいなくなったことも、一つの要因である。
貿易の参考書には必ず載っていて、講義の際にも言及する事柄だが、実際には、あまり意味がなくなったものに「ブランド商品並行輸入」がある。アドバイザー間のQ&Aを下記引用する。
Q:グッチ(Gucci)などのブランド商品の並行輸入を考えており、フランチャイズ・チェーンなどの
仕入先をインターネットで探しているが上手く行かない。米国でも香港でもシンガポールでも
どこでも良いから安く仕入れできる販売店をどうしたら探せるか教えて貰いたい。
A1:ブランド商品の並行輸入のルートは非常に複雑です。真正品の輸入は認められていますが、
税関に対して真正品であることの証明はなかなかやっかいです。素人や小売店の方が思いつき
で手を出され失敗するケースが多いです。海外の直営店へハンドキャリーで買い付けに行く方
法もありましたが、現在は有名ブランドは世界統一価格戦略を取っており、それほどうまみは
ありません。
A2:ミプロ貿易・投資アドバイザー宛てのブランド商品の並行輸入の相談は、一時期に比べると
非常に少なくなりました。多分、海外店からの連続的買い付けの困難さ、真正品であることの
立証の難しさ、知的財産権に属するあらゆる権利の行使による輸入差し止め、アフターサービ
スへの不安、価格差の暫減、並行輸入業者の資金不足などの理由から、ブランド商品の並行輸
入の「うまみ」が、薄らいで来たのでしょう。また、高価なブランド商品は、正規販売店で買
うとする消費者の意識も強まったと考えられます。
ウイスキーのJohnnie Walkerのように、蔵元が積極的に並行輸入業者へも販売し、総売り上げを
稼ぐ会社もあれば、並行輸入を黙認している企業もあります。ルイ・ビトン(Louis Vuitton)は、
並行輸入を徹底的に締め出しており、業態は様々です。
註:商標で保護されるブランド商品は、特許製品、著作権保護商品などとともに知的所有権の
保護対象となる商品である。
国の制度の有効利用
海外要員の派遣経費や研修費用の軽減のために、国の制度(すなわち税金)を利用することは得策です。例えば、国際社会の一員として日本が拠出を義務づけられているODA(政府開発援助)資金の利用です。
ODAの実施機関には、有償資金協力(いわゆる円借款)を行っている国際協力銀行(JBIC)や無償資金協力と技術協力を担当する国際協力機構(JICA)がありますが、JBICやJICA以外にも、ジェトロやJODC等の実施機関があります。
海外要員の派遣や研修を事業目的とする機関と制度は下記の通りです。
(財)海外貿易開発協会(JODC) :専門家派遣事業
(財)海外技術者研修協会(AOTS):受入研修と海外研修
(財)国際研修協力機構(JITCO) :外国人研修・技能実習制度
数年前までは、海外職業訓練協会(OVTA)に派遣訓練と受入訓練という制度がありましたが、最近の同協会の主要事業はセミナーやコンサルティングが中心になっています。また、日本貿易振興機構(JETRO)は、海外に進出する中小企業を支援していますが、2005年からは「輸出有望案件発掘支援事業」という制度を発足しています。
JODC専門家派遣制度
専門家の派遣を通じて開発途上国の産業発展に寄与することを事業目的とするJODC(Japan Overseas Development Corporation)の専門家派遣制度の概要は下記の通り。
1. JODCの専門家派遣制度は、財源により、ODA型と中小企業型の2種類に分かれる。
(他に「研修生派遣制度」がある。)
2. 自社従業員もしくは嘱託契約を結んだエキスパートを派遣する場合、必然的にODA型の選択に
なる。自社従業員もしくは自前のエキスパートの派遣が困難な場合、中小企業型の選択となり、
JODC登録専門家が派遣される。
3. 現地の受入先は、出資関係にある日系企業でも純然たるローカル企業でもいずれも適用可能で
ある。現在は派遣国の裾野産業の発展につながる業種、例えば自動車部品産業などが優先されて
おり、日系企業の利用が多い。
4. ローカル企業の場合、取引関係にある企業もしくは過去にプラント機器が納入された企業が対
象となる。現地工業会等の要請があれば、より有効に制度の適用が可能である。
5. 派遣制度が適用されると、派遣費用の3/4をJODCが負担する。残り1/4は受入れ先ローカル企業
の負担である。一方、本制度の適用を申請した企業(協力企業という)は、派遣経費合計額の12%
を別途負担する。
6. 2005年9月時点、平成17年度予算は満杯状態なので、平成18年度(平成18年4月~19年3月)の
適用となる。なお、1社により同時に2国、例えば同年度にマレーシアとインドネシア向け同一
内容の適用を申請しても受理されない。
JITCO外国人研修・技能実習制度
財団法人 国際研修協力機構(JITCO=Japan International Training Cooperation organization)は、開発途上国の人材育成に寄与することを目的として、法務、外務、厚生労働、経済産業、国土交通の五省共管により1991年に設立された公益法人である。(建前は“開発途上国の人材育成に寄与”だが、真意は“安価な労働力”を求める経済界の要望に応えたというのが本音である。)
JITCOの事業は、「外国人研修制度」および「技能実習制度」の推進のために、研修生・技能実習生の「受入れ機関」と海外の「送出し機関」や派遣企業に対し、総合的な支援・援助や適正実施の助言・指導を行うとしている。具体的には、研修生の来日のための入管手続き・ビザ申請などの事前点検サービスなどである。
なお、JITCOの上記の支援を受けられるのは、原則として賛助会員である。
外国人研修制度
外国人研修制度とは、諸外国の青壮年労働者を日本に受入れ、研修生として、1年以内の期間に我が国の産業・職業上の技術・技能・知識を修得できるよう支援する仕組みである。入管法上の在留資格は「研修」である。
「外国人研修生」は、民営または国公営の「送出し機関」から送出されて来日し、日本側の「受入れ機関」において研修する。
「受入れ機関」には、商工会議所・商工会、事業協同組合等の中小企業団体、公益法人などの「団体監理型」と、海外の現地法人、合弁企業、または外国の取引先企業よりの研修生を単独企業が受け入れる「企業単独型」がある。
技能実習制度
技能実習制度とは、外国人研修生が、雇用関係の下、研修期間と合わせて最長3年間、研修により修得した技術・技能・知識を、より実践的かつ実務的に習熟することを支援する仕組みである。入管法上の在留資格は「特定活動」である。
送出し機関
JITCO
は、協力関係を結んでいる送出し国政府による民営または国公営の送出し機関の認定や認定取り消し等を所掌し、送出し国政府窓口というリストに纏めている。また、送出し機関の中には、本制度を労働者派遣と位置付け、営利目的に活用する動きが見られるとして、外国人研修・技能実習制度送出し機関の送出しマニュアルの作成・公表を行っている。
受入れ機関 - 事業協同組合など団体監理型研修
一般的には、外国人研修生の受入れは、商工会議所や事業協同組合のような「第一次受入れ機関」を通じて行う仕組みで許可されており、中小企業単独での受入れは難しいのが現状である。“安価な労働力”を求める個々の中小企業は、事業協同組合の組合員として組合費と研修事業費を払うことで「第二次受入れ機関」となり、研修生の受入れが可能になる。
受入れ企業が受入れられる研修生の数は限定されているが、事業協同組合等を通じて受け入れる「団体監理型研修」は、受入れ可能な人員枠が緩和されている。
中小企業による外国人研修・技能実習制度の利用
私は、10数年前、移籍した造船会社と関係のある南米の某国より安い労働力を合法的に招く方策を講ずるため、設立間もない国際研修協力機構(JITCO)を訪問し種々話を聞いたことがある。結果的には、JITCOの制度を利用するまでには至らなかった。ついで、私が現在、顧問をしている会社の中国子会社より研修生を呼ぶ可能性調査のため、一昨年、またJITCOを訪問した。 そこで分かったことは、現行のJITCOの仕組みでは、中小企業単独で研修生を呼ぶことが難しいということである。事業協同組合や賛助会員の仕組みも耳にした。
それが今年(2008年)に入って、顧問をしている会社がある事業協同組合とベトナムより研修生を呼ぶ契約を結んだ。会長は、事業組合がセットした「ベトナム・ホーチミン面接・視察ツアー」に参加し、現地で政府系の「送出し機関」を訪問、また研修生の出発前教育を行っている「日本語学校」の見学をした。
契約は、研修生を受け入れている組合が研修生の座学研修の一部と実務研修を会社に委託するという形を取っており、入国管理局やJITCOに対する業務は、組合の責任の下にあるわけである。結構な金額の支払金額の中には、JITCOへの年会費も含まれている。
そんな状況の中で、私が関係する貿易投資相談会でもJITCOの外国人研修制度や技能実習制度にからんだ相談事例が立て続けにあった。
最初の相談会には、機械組み立てと人材派遣を行っている企業よりの”中国に日本人向け教育機関の設立を考えているが、どのような形態がよいか?”という相談ともう一つは現在、実際に中国より研修生・技能実習生を受け入れている神奈川県所在の事業協同組合よりの”他の団体による研修生送り出しと受け入れの事例を聞きたい”という相談依頼であった。この相談会には、中国から一時帰国したアドバイザーが相談員を勤めたので、私はオブザーバーとして立ち会った。
二番目の相談会の事例も別のアドバイザーの報告だが、ベトナムに進出している大手人材派遣会社が研修制度を利用して技術者を呼んでいるという話であった。”中国に日本人向け教育機関を設立”も人材派遣業の設立を意味しているので、中国もベトナムも人材派遣という分野への日本企業の参加を認めていると解釈できる。
私がお手伝いをしている会社は、ベトナムから研修生を呼ぶことになったが、本音は、中国子会社から研修生・技能実習生を呼びたいところである。会社の所在地が川崎市なので、同じ神奈川県ということで、上記中国人研修生の受入れ機関である事業協同組合に打診したところ、定款上、所在地の企業しか組合に参加できないということであった。
JITCOに、一次受入れ機関になっている川崎市所在の事業協同組合はないか、問い合わせたところ、賛助会員との協定で、第三者に会員の情報を知らせることはできない、川崎商工会議所に聞いてみてはとのアドバイスをくれた。しかしながら、商工会議所も市役所も、その種の事業組合の存在を知らず、その代わり、中小企業の連携体である事業協同組合等の設立手続きやその後の運営支援を行っている団体を紹介してくれた。結論としては、川崎市には、中国人研修生の一次受け入れ機関はないということだった。
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