ビジネス情報ノート

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世界貿易機関(WTO)を設立するマラケシュ協定    郵政民営化と国際郵便事業
関税及び貿易に関する一般協定   国際郵便と国際宅配便
セーフガード    米国の郵便局 
経済連携協定(EPA=Economic Partnership Agreement)   危険なメール- United Postal Service 
インコタームズと信用状統一規則    宅配便とメール便 
Incoterms 2010   実運送と利用運送
UCP600 (信用状統一規則)   海貨業者と通関業者(乙仲)
SWIFTシステム   JBICは日本政策金融公庫に組織替え
プロジェクト・ファイナンス   JBICの国際金融業務
国際プロジェクト・ファイナンスの実務と法律問題   海外投資の有望仕向先 - BRICs
償還請求権 (Recourse)、Forfaiting と Factoring   JBICによるイスラム金融スキーム

ウイーン売買条約(CISG)に加盟

  イスラム金融/イスラム銀行
AEO制度    イスラム金融とコーラン
AFTA(ASEAN自由貿易地域)とATIGA   BRICs・VISTA
特恵関税制度と原産地証明    G8とG20 
一般特恵関税(GSP) - 原産地証明 Form Aの実例   インドネシア キャピタルゲインに関わる源泉税軽減
特別特恵関税(LDC特恵)    インドネシア向けプラント案件に対する輸出金融
経済連携協定(EPA)における関税制度   ロシア向けプラント案件に係る貿易保険
原産地証明書(非特恵)   ロシア - リース業を利用してのプラント輸出
合同会社    ロシア向け複合一貫輸送が不成立
原産地について    米国製品再輸出規制 
国内販売における商品の原産国    天然ガス発電所 
生鮮食品と加工食品の原産地表示制度    ESTA(電子渡航認証システム)
化粧品の原産国   米国のビザ
検疫制度    Form W-8BENと米国納税者番号
食品等の輸入手続き    米国での報酬に対する日米租税条約の適用 
健康食品としての伝統茶の輸入    二重課税防止のための居住者証明
外国子会社配当益金不算入制度    居住者証明 FORM-DGT 
中国子会社よりの配当    国の制度の有効利用
OECD輸出信用ガイドラインと貿易保険   JODC専門家派遣制度
OECDモデル租税条約と移転価格ガイドライン    JITCO外国人研修・技能実習制度
移転価格税制   中小企業による外国人研修・技能実習制度の利用
税関と国税庁の視点 - 現実支払価格と移転価格税制    消費者庁 - 所管または共管する法令 
ドイツからの自動車部品輸入にともなう金型の代金     公正取引委員会と独禁法および下請法
輸入貨物の課税標準と課税価格 - 関税定率法   PCIの元社長など4人逮捕 - 不正競争防止法違反
税関への提出書類 - 関税法    秘密保持契約 
貿易統計における価格の基準    インターネットにおける著作権 
海外移転企業 - 労働集約型と省力型   YouTubeにリンク
教科書と現実 - 信用状と並行輸入    
 
 




















































ウイーン売買条約に加盟
 2008年7月、日本は、「ウイーン売買条約」の名前で知られる「国際物品売買契約に関する国際連合条約(Convention on Contracts for the International Sale of Goods=CISG)」に加盟した。同条約の締約国は、米国、中国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ等70ヶ国、我が国は第71番目の締約国となる。2009年8月1日に効力が発生する。
 同条約は、国際的な物品売買契約において、契約の成立及びそれから生ずる当事者間の権利義務等についての統一ルールを定めるもので、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)が起草し、1980年4月のウィーン外交会議において採択されたものである。
 外務省の概要説明によれば、条約のポイントを下記としている。
(1) 国際物品売買契約に関し、1)契約の成立及び2)当事者(売主・買主)の権利義務を規定する。
(2) 主に、異なる締約国に営業所を有する企業間の物品売買契約に適用される(消費者取引等には適
  用されない。)。
(3) この条約は、任意規定であり、特約があればそちらが優先する。
(4)「契約の成立」について、詳細に規定している。例えば(イ)契約成立時を承諾の到達時とし
  ている。また、(ロ)申込みに対する承諾の内容が申込みの内容と異なる場合であっても、そ
  の相違が実質的でない場合には、契約の成立を認めることによって、申込みと承諾の軽微な相
  違による契約の不成立を回避している。
(5)「当事者の権利義務」について、(イ)契約の尊重の観点から、契約の解除を重大な契約違反が
  ある場合に限 定している。また、(ロ)債務者による契約違反が予想される場合について、債権者
  保護のために、契約の履行期日前の契約解除といった予防的な救済方法を規定している。 






























 
AEO制度とは
 私の属する貿易アドバイザー協会の勉強会の案内に「今、話題のAEO制度取得」という講演テーマがあった。寡聞にして「AEO制度」の何たるかを知らなかった。勉強会当日は、他用があり、出席できないので、ネットで調べてみた。
 AEOとは、Authorized Economic Operatorsの略で、「認定貿易関連事業者」という意味合いのようだ。事業者には、輸入者、輸出者、倉庫業者、通関業者、運送業者(船会社、航空会社、フォワーダー等)があり、認定は税関長が行う。
 AEO制度について、国土交通省のホームページに次ぎのような記事が掲載されている。
 
日本版AEO制度
 米国同時多発テロ以降、国際物流におけるセキュリティ確保と円滑化の両立が課題となっています。先進国では、セキュリティ確保とコンプライアンスに優れた事業者をAEO(AuthorizedEconomic Operator:認定事業者)として認定し、税関手続を簡素化する「AEO 制度」の構築が進められてきています。
 我が国においてもこれまで、輸出入者(荷主)等を対象としたAEO 制度が整備・運用されていましたが、2007年12 月の関税・外国為替等審議会答申において、国際物流のセキュリティ確保と更なる円滑化を図る観点から、欧米諸国と同様に、通関業者、船会社、航空会社、フォワーダー等できる限り広い事業者を対象とするため、「AEO 制度」の見直しを行うこととされました。
 これを受け、これまで国土交通省と財務省が連携して検討を進めて参りましたが、今般の関税法改正により、国際運送事業者向けの「AEO 制度」(特定保税運送制度)を創設し、運用を開始しました。

また、税関ホームページは、認定制度を下記のように説明している。

「AEO(Authorized Economic Operator)制度の拡充・改善」
 国際物流におけるセキュリティ確保と円滑化の両立を図り、我が国の国際競争力強化するため、特例輸入申告制度特定輸出申告制度特定保税承認制度認定通関業者制度及び特定保税運送制度の順次導入・改善を行い、AEO制度を構築してきました。 







































 
検疫制度
 私は、ジェトロ貿易投資相談Q&Aの編集委員を務めており、検疫について記述している原稿を何度かチェックしている。例えば、食品の輸入手続きにおいては、検疫所で審査・検査する必要があるといった記事である。
 また、私自身は経験ないが、例えば、ハワイからパイナップルを持参する場合、検疫所に申告する必要があることも承知している。フルーツといえば、米国旅行をした時、一度目は梨二度目はリンゴの無申告持ち込みということで没収されたことがあるが、これは植物検疫にひっかかったということであろう。
 検疫の英語がQuarantineで、Customs(税関)、Immigration(出入国審査)の頭文字をあわせたCIQが出入国手続の総称ということについては、かなり昔から知っている。1980年頃まで、コレラと天然痘に対する予防注射の証明書は、イエローブックと呼ばれており、出入国手続き上、Qに関係する必須の書類として、Iに関係するパスポートと同等の扱いであった。
 しかし、検疫について、具体的にどういうものか説明しろと言われたら、お手上げである。漠然とした認識の検疫について、改めて調べてみようと思い立ったのは、先日の勉強会で、食品の輸入における検疫所の検査についての話を聞いたことによる。食品の輸入に際して、事前にサンプルを検疫所に提出し検査を受けて、パスすれば、以後一定期間、同一品の輸入は検査なしという報告について、自分なりに納得したかったからである。
 調べてみて、認識を新たにしたのは、一口に検疫所といっても、3種類の検疫所があることである。厚生労働省検疫所があり、農林水産省には、動物検疫所と植物防疫所がある。 

種類  検査の対象  規制の対象  担当   関係法
検疫  人 人間の伝染病 厚生労働省・検疫所 検疫法
食品衛生 食品  人間が飲食して害のある物質  厚生労働省・検疫所  食品衛生法 
植物検疫  植物  植物の病害虫  農林水産省・植物防疫所 植物防疫法 
動物検疫 動物・畜産物 動物の伝染病  農林水産省・動物検疫所  家畜伝染病予防法
狂犬病予防法など 

 食品を販売目的で輸入する場合、食品衛生法に基づき、輸入港を管轄する厚生労働省・検疫所輸入食品監視担当へ「食品等輸入届出書」に必要書類を添付して届け出る必要がある。 
 検疫所による審査・検査の結果、同法上問題がなければ、届出書に「届出済」印が押捺され返却される。税関へ輸入申告する前段階として、厚生労働省・検疫所による審査・検査が必要なのである。
 ところが、同じ食品でも食肉および食肉製品の輸入の場合、家畜伝染病予防法の規定により、農林水産省・動物検疫所の手続きが必要だという。動物検疫所に 「輸入検査申請書(畜産物)」を提出、パスすれば、「輸入検疫証明書」が交付される。動物検疫所の手続きを済ませれば、食品衛生法による厚生労働省・検疫所の手続きは不要になるのか、両方とも必要ならどちらが先か、インタネットを検索した結果、(社)日本輸入食品安全推進協会のフローにより、農林水産省・動物検疫所の手続きの後、食品衛生法に基づく通常の食品輸入の手続きに入ることがわかった。
 果物、野菜、穀類を輸入する場合も、食肉の場合と同様、食品衛生法に基づく通常の食品輸入の手続きに入る前に、植物防疫法に基づく農林水産省・植物防疫所の手続きが必要である。
食品等の輸入手続き

                                        (社)日本輸入食品安全推進協会
 






































健康食品としての伝統茶の輸入
 「韓国の伝統茶の輸入を計画している。加工食品の輸入手続きおよび関税率等を知りたい。」という事前予約の相談を受けた。
 これまで、概念的にしか承知していなかった薬効のある食品の取り扱いについて、相談員としてアドバイスを行うからには、万全を期するために、健康食品と医薬品との関係などを事前に調べてみた。
 たまたま、最近、「検疫制度」と「生鮮食品および加工食品の原産地制度」を纏めていたので、これとの関連づけとジェトロ貿易投資相談Q&Aの「茶類の輸入手続き」、「高麗人参の輸入手続き」および「健康食品ラベル表示」から、相談者に次ぎのような回答を行うことができた。
 お茶は、薬用目的のものと薬用でないものがある。薬用目的であれば、薬事法の規制により製造販売業として認可されていなければ輸入できない。健康食品的な用途を考えているのであれば、加工食品として、食品衛生法に基づく輸入手続きが必要である。前提条件として、植物防疫法に基づき、厚生労働省植物防疫所の検査が必要になることもあるので、事前に同所にサンプルを提出して検査してもらうことを勧めた。
 また、日本国内で販売する場合、健康食品であっても、薬事法の規制により、薬効についての表示基準は極めて厳しい旨、説明した。
 関税率については、「実行関税率表」のHSコード第9類より割り出せることをアドバイスした。



























 
 
















セーフガード(緊急輸入制限措置)
 WTOは、一定条件下において、特例として、緊急輸入制限措置(セーフガード)を認めている。鉱工業品と農林水産物すべてを対象とした「一般セーフガード」と、ウルグアイ・ラウンドで関税化された農産物だけに適用される「特別セーフガード」の2種類がある。
 「一般セーフガード」とは、GATT第19条及びWTO協定の「セーフガードに関する協定」を根拠とし、輸入の急増により、国内産業に重大な損害又はその恐れがあり、国民経済上緊急に必要があると認められるとき、関税定率法第9条の規定による「関税引上げ」または「貨物の輸入の増加に際しての緊急の措置等に関する規程」に基づく「輸入数量制限」による緊急輸入制限措置である。
 「特別セーフガード」とは、WTO農業協定第5条関税暫定措置法第7条の3及び第7条の4を根拠とし、定められた基準を超えた輸入の急増や輸入価格の低落時に自動的に発動する緊急輸入制限措置である。輸出国が対抗措置をとることができないのが特徴である。

































 
 





ASEAN(Association of South East Asian Nations=東南アジア諸国連合)
 ASEANは1967年8月、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5ヶ国により創設された。その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、カンボディア、ミャンマーが参加し、現在、加盟国は10ヶ国である。

AFTA(ASEAN Free Trade Area=ASEAN自由貿易地域)
 AFTAとは、ASEANの域内貿易の活性化、産業の国際競争力の強化、直接投資の促進を目的とした自由貿易地域のことである。1992年にシンガポールで開催された第4回ASEAN公式首脳会議で、AFTAの実現が正式に決定し、AFTA-CEPT 協定(Agreement on the Common Effective Preferential Tariff Scheme for the ASEAN Free Trade Area)により、CEPT(Common Effective Preferential Tariff=共通効果特恵関税)と呼ぶAFTAの特恵関税制度が始まった。
 CEPTでは、ASEAN加盟国の原産である原材料、部品等が40%以上あれば、ASEAN原産品とみなされ、域内特恵関税であるCEPT(共通効果特恵関税)の適用が受けられていた。
 
ATIGA(ASEAN Trade in Goods Agreement=ASEAN物品貿易協定)
 従来のCEPTは、2010年11月より、ASEAN物品貿易協定(ASEAN Trade in Goods Agreement=ATIGA)に基づくATIGA特恵関税制度に移行した。
 ATIGAは、1992 年のAFTA-CEPT 協定以降のAFTA に関連する多くの協定、議定書、行動計画などを総括したものであり、物品の自由な移動に向けての法的、制度的な整備はATIGA によりほぼ完成したといえる。
 2015年には、後発4カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)を含めて、関税の完全自由化を達成、AFTA‐CEPT体制はATIGAに移行し、ASEAN経済共同体(AEC)の基盤となる。
 なお、AFTAにおける特恵関税の適用のためには、従来のCEPT原産地証明書(CEPT Form D)に代わって、ATIGAの新しい原産地証明書(ATIGA Form D)が使われる。
                         ATIGA Form D
     
   


 
  インドネシア産品の輸出に際して必要な原産地証明書  
   インドネシアから日本にインドネシア産品を輸入する場合、EPA特恵税率が適用されているが、一部品目(コーヒーや肉類など76品目)はEPA特恵税率の適用対象外のため、GSP税率が適用される。インドネシアから輸入するインドネシア産品にEPA特恵税率を適用する場合の「特定原産地証明書」の様式は、”Form IJEPA”である。また、GSP税率を適用する場合は”GSP Form A”が使用されている。
 インドネシアからのインドネシア産品の輸出に際して必要な原産地証明書の様式や発給機関、原産地の認定基準、輸出者の申請手順や記入方法などは、「輸出品の原産地証明の発給規則に関する商業大臣規則No.59/M-DAG/PER/12/2010」に基づいている。
 同規則に規定されている原産地証明書は、特恵関税を利用する目的のものと原産地の証明のみを目的とし非特恵関税用途のものとの二つに分類される。特恵目的で国・地域向けの原産地証明書には、“GSP Form A”と”Form IJEPA”の他、“Form D”、”Form GSTP”、“FORM E“、“FORM AK“、“FORM AI“がある。多少の差は見受けられるが、基本的には同じ様式と言える。“FORM E“は「ASEAN・中国自由貿易協定」、“FORM AK“は「ASEAN・韓国自由貿易協定」、“FORM AI“は「ASEAN・インド自由貿易協定」、それぞれの自由貿易協定に基づく原産地証明書の様式である。また、“Form D”とは、AFTAでの特恵関税を適用するために使われる原産地証明書であり、”Form GSTP”は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの開発途上国77ヶ国グループが締結した協定の加盟国を対象とする原産地証明書である。GSTP(Global System of Trade Preferences)とは、同協定に基づく特恵関税制度である。
 なお、「輸出品の原産地証明の発給機関等についての商業大臣規則No.60/M-DAG/PER/12/2010」には、原産地証明書の発給機関(全国85の商業省支局)のリストが添付されている。
 
     
 














































外国子会社配当益金不算入制度
 「所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)」により、 法人税法が改正された。改正法人税法により、従来の外国税額控除制度に代えて、外国子会社から受け取る配当を益金不算入とする制度が導入された。
 対象となる外国子会社は、内国法人の持株割合が25%(租税条約で異なる割合が定められている場合は、その割合)以上で、保有期間が6ヶ月以上の外国法人である。また、外国子会社から受ける配当等の額からその5%相当額を、その配当等の額に係る費用として控除(その配当等の額の95%相当額を益金不算入)できる。
 関係する法令として、下記がある。 
法人税法
第二十三条の二(外国子会社から受ける配当等の益金不算入)
第三十九条の二(外国子会社から受ける配当等に係る外国源泉税等の損金不算入)
法人税法施行令
第二十二条の四(外国子会社の要件等)
第七十八条の二(損金の額に算入されない外国源泉税等)
法人税法施行規則
第八条の五 (外国子会社から受ける配当等の益金不算入に関する書類)

 国際的な二重課税排除方式の仕組み(図解)
 
国際的な二重課税排除方式の仕組み(イメージ)

財務省 国際課税に関する資料(平成22年4月現在)
 


























OECDモデル租税条約と移転価格ガイドライン
 2010年7月、OECD租税委員会は、「OECDモデル租税条約2010年版」を公表した。第7条(事業所得)の改訂などを主な内容としており、2005年版および2008年版の部分改訂である。
 また、「恒久的施設(PE)への所得の帰属に関するレポート(2010年版)」も公表された。
 参考:恒久的施設(PE)への所得の帰属に関するレポート(2008年版)の仮訳

  OECDモデル租税条約は、2国間において租税条約(二重課税防止条約=Convention between State A and State B for the avoidance of double taxation with respect to taxes on income and on capital)を新たに締結したり、既存の租税条約を改定する場合の雛型である。正式には「所得と財産に対するモデル租税条約(Model Tax Convention on Income and on Capital)」といい、1977年に公表された。それ以前の1963年草案は、閣僚理事会で承認されなかったが、1977年版が承認され、正式に採択されるに至った。1992年には、全体を逐一承認するというスタイルからルーズ・リーフ形式(必要な修正部分だけを採択し既存のモデル条約に部分改訂を加える方式)に変更する改正が行われた。その後、1994、1995、1997、2000200320052008と改訂が重ねられた。
 モデル租税条約は、第1条(適用される居住者=Persons Covered)、第2条(対象となる租税=Taxes Covered)、第3条(定義=General Definitions)、第4条(居住者=Resident)に続いて、第5条は、恒久的施設(Permanent Establishment=PE)を規定し、“PEなければ課税なし”とする国際ルールの根拠になっている。第6条(不動産から取得する所得=Income from Immovable Property)、第7条(事業所得=Business Profits)、第8条(国際運輸=Shipping, Inland Waterways Transport and Air Transport)、第9条(特殊関連企業=Associated Enterprises)、第10条(配当=Dividend)、第11条(利子=Interest)、第12条(使用料=Royalty)と続いている。
 第9条(特殊関連企業=Associated Enterprise)は、特殊関連企業間取引に用いられた「移転価格(Transfer Pricing)」に「独立企業原則(Arm's Length Principle)」を適用することを規定している。「独立企業原則」とは、一方の国に所在する企業が他方の国に所在する特殊関連企業に通常の取引価格(独立企業間価格=Arm's Length Price)と異なる価格でモノ・カネ・サービス等を提供した場合、その価格(移転価格)と独立企業間価格との差額を課税所得に算入する仕組みである。独立企業間価格よりも低い価格でモノ・カネ・サービス等を提供した場合、提供した側の企業に加算された課税所得は、提供された他方の国の特殊関連企業においても課税されているので、同一所得に対して二重に課税されることになる。また、独立企業間価格よりも高い価格で提供した場合は、高い価格で提供した側の企業の課税所得は変わらないが、提供された他方の国の特殊関連企業の課税所得は、独立企業間価格に換算された結果として、増えた部分が二重課税になる。二重課税防止を目的とするモデル条約は、第9条第2項で、当該一方の国は、これらの利得に対して当該一方の国で課された租税の額について、適当な調整を行なうとし、両締約国の権限ある当局は、必要がある場合には相互に協議すると規定している。 
 モデル租税条約(2000年版)以降の[Article 14 – Independent Personal Services]は[Deleted]となっている。企業の利得については「恒久的施設(PE)なければ課税なし」の原則、自由職業の所得については「固定的施設(a fixed base regularly available to him)なければ課税なし」の原則が、それぞれ、第5条(恒久的施設)および第14条(自由職業の所得)で適用されていたが、双方の規定に差異がないとの結論に達し、2000年の改訂により、自由職業所得条項で取り扱われてきた所得についても第7条「事業所得」条項を適用することになり、第14条は削除された。この結果、第13条「譲渡収益」の次は、第15条「勤務に対する報酬」になった。
 ただし、2000年以前に日本が締結した日本インドネシア租税条約(1982年調印)日中租税条約(1984年調印)など多くの租税条約では、第14条はそのまま存続しており、第13条「譲渡収益」の次は、第14条「自由職業の所得」、第15条「勤務に対する報酬」と続いている。
 1971年調印の日米租税条約(旧条約)は、1977年に公表されたモデル条約以前に作成されていたため、モデル条約とは別個の形式であったが、2004年改訂の新日米租税条約では、モデル条約に準じて、条項が組み直された。「自由職業の所得」は削除されたが、モデル条約の第15条「勤務に対する報酬」が第14条となり、以下、順次、繰り上げられている。
  一つ疑問なのは、第7条「事業所得」と第14条「自由職業の所得」は、差異がないという判断で第14条を削除したとのことだが、第7条で規定されている所得は、企業の所得であって、個人の所得に言及していない。自由職業に従事する個人は、法人形態にしなくてはならないのか、という疑問である。
 ある相談会で、私が相談を受けた「米国での報酬に対する日米租税条約の適用」は、格好の事例である。相談者は個人事業主のコンサルタントだったが、純然たる個人の場合、報酬を非課税にする手続きはあるか、非居住者証明であるForm W-8BENをチェックしたところ、個人コンサルタントでも申告することにより、報酬を非課税にできることがわかった。ただ、これが新日米租税条約のどの条項に該当するか、日米租税条約をチェックした。
 日米租税条約は、芸能人又はスポーツマンの所得については、第16条で規定している以外は自由職業者の所得を直接規定している条項はない。しかし、同条約第3条(e)項は、“「者(person)」には、個人、法人及び法人以外の団体を含む。”と定義しており、同じく(g)項は、「企業(enterprise)」は、“あらゆる事業の遂行について用いる。”とあるので、芸能人又はスポーツマン以外の自由職業者に係る所得については、同条約第7条(事業所得)が適用されることになる。


 
移転価格ガイドライン
 OECD モデル租税条約のコメンタリーは、租税条約の各条項について、その例証又は解釈を意図しており、加盟国政府から租税委員会に派遣された専門家によって起案され、合意されたものである。最新のOECD モデル租税条約第9条のコメンタリーは、”「移転価格ガイドライン」は、国際的に合意された原則を表明するものであり、また、本条が権威をもって言明する独立企業の原則の適用のための指針を提供している。”と述べている。
 「移転価格ガイドライン」とは、正式には、「多国籍企業と税務当局のための移転価格算定に関する指針(Transfer Pricing Guidelines for Multinational Enterprises and Tax Administrations)」といい、OECD租税委員会が、多国籍企業に関する「移転価格(Transfer Pricing)」及びそれに関連する税務上の問題について、各国の税務当局と多国籍企業双方にとっての解決の方策を示したものである。ガイドライン自体は法的拘束力を持つものではないが、OECD加盟国の総意の上で取り纏められており、国際的コンセンサスとして機能している。「OECD移転価格ガイドライン(1995」は、1979年にOECDが公表した報告書「移転価格と多国籍企業(OECD Report Transfer Pricing and Multinational Enterprises)」を1995年に全面的に見直し、ガイドラインとして公表したものである。第1章から第5章までが1995 年7月、第6章および第7章が1996 年、第8章が1997 年の公表である。その後、2009年9月に第1章から第3章までの改定案が公表され、パブリックコメントを経て、2010年7月に承認されたのが「OECD移転価格ガイドライン(2010年)」(2010年版仮訳)である。
 
 

























 

 











 

OECD輸出信用ガイドラインと貿易保険
 OECD輸出信用ガイドライン(正式には、Arrangement on Guidelines for Officially Supported Export Credits=公的支持を受ける輸出信用ガイドラインに関するアレンジメント)は、機械・設備等の輸出に対し公的機関が輸出信用を供与する場合の条件を規定している。
 *OECD(Organization for Economic Cooperation and Development=経済協力開発機構):ヨーロッパ
  諸国を中心に日・米を含め
30ヶ国の先進国が加盟する国際機関
 公的機関による輸出信用の供与とは、民間企業では負うことが困難なリスク(戦争、相手国の内乱等)を国がカバーするもので、貿易保険と国際協力銀行の融資などがある。このガイドラインに規定された取引条件に合致しない案件は、原則として公的支援である貿易保険もかけられないし、国際協力銀行の融資も受けられない。
 ガイドラインは、仕向国や輸出される設備等の種類に応じて頭金、最低金利、最長償還期間等を取極めており、適用対象となるのは、償還期間が2年以上の中長期案件である。
 取極めの内容概要は以下のとおり。
 1. 頭金として原則輸出契約価格の15%以上を起算点迄に支払う。
 2. 償還期間とは起算点から輸出契約上の最終償還日までの期間。
 3. 最長償還期間は、国により原則5年と10年である。
 4. 最低金利は、日本の場合、長期プライムレート-0.2%であるが、入札時に固定する場合は長期
  プライムレートを採用している。

 5. 元本の支払は、起算点後6ヶ月以内に開始し、6ヶ月に1回以上の頻度で均等返済。金利の支
  払は、延払代金の起算点後6ヶ月以内に開始し、以後6ヶ月に1回以上の頻度で行う。
 
 註:「起算点」とは、おおよそ次ぎのようになっている。
   (1) 単体の場合は、各船積時又は中間船積時(契約金額の50%を超えて船積された時)
   (2) 2種類以上の貨物の組み合わせにより機能するものであって、据付指導等の責任を有さない
   ものは、各船積時又は中間船積時又は主要貨物船積時
(通常付属品を除く本体の貨物の最終
   船積時又は契約金額の
95%を超えて船積みされた時)
   (3) 2種類以上の貨物の組み合わせにより機能するものであって、据付指導等の責任を有するも
   のは、仮引渡時又は検収テスト終了時

日本貿易保険(NEXI)は、OECD輸出信用ガイドラインに基づき、償還期間により2年未満案件」と「2年以上案件」に区分している。2年超の延べ払いには「輸出承認」が必要という旧外為法の「特殊決済」の規定は、OECDガイドラインに従ったものである。(19984月施行の現行外為法では、「特殊決済」は撤廃されている。)
 2年未満案件」とは、代金の決済が起算点から2年未満に行われる輸出契約(10%以内のリテンション部分の決済が起算点から2年以上になる場合も含む。)をいい、「2年以上案件」とは、「2年未満案件」以外の輸出契約をいう。
 2年以上の中長期案件がガイドラインの適用対象となる根拠は、下記に示すガイドライン第5条の規定による。

5 適用の範囲
本取極めは、政府またはそれに代わる機関が供与する財及びサービスの輸出に対する公的支持すべて、並びにファイナンス・リースで償還期間が2年以上のものに適用される。

5. SCOPE OF APPLICATION
The Arrangement shall apply to all official support provided by or on behalf of a government for export of goods and/or services, including financial leases, which have a repayment term of two years or more.

 






















プラント案件に係る貿易保険
                                                  2005年4月
 ロシア向けプラント案件に係る貿易保険の条件として、決済期間が起算点から2年未満の場合、L/Cが不可欠になります。
 起算点とは、おおよそ次ぎのようになっています。
 (1) 単体の場合は、各船積時又は中間船積時(契約金額の50%を超えて船積された時)
 (2) 2種類以上の貨物の組み合わせにより機能するものであって、据付指導等の責任を有さないも
  のは、各船積時又は中間船積時又は主要貨物船積時
(通常付属品を除く本体の貨物の最終船積
  時又は契約金額の
95%を超えて船積みされた時)
 (3) 2種類以上の貨物の組み合わせにより機能するものであって、据付指導等の責任を有するもの
  は、仮引渡時又は検収テスト終了時



引受方針の変更
 独立行政法人 日本貿易保険は、2005922日付けで上記L/C条件を解除する旨の通知を行っています。

引受方針の変更についてのお知らせ

  下記の国に係る引受方針を変更することとなりましたので、お知らせします。 
○ 224 ロシア  : E
  <変更内容>
貿易一般保険・2年未満:○条件付引受(L/C条件)    ◎引受 
貿易代金貸付保険・2年未満:○条件付引受(L/C条件)    ◎引受 
輸出手形保険:○条件付引受(L/C条件)    ◎引受 
輸出保証保険:○条件付引受*引受態度のみ    ◎引受 
前払輸入保険:○条件付引受*引受態度のみ    ◎引受 
限度額設定型貿易保険:×引受停止    ◎引受 
中小企業輸出代金保険:○条件付引受(L/C条件)    ◎引受 
  <変更理由>
   近年における同国の経済状況・取引状況等を勘案し、二年未満に係るL/C条件を外し、引受方針を緩和することとしました。

(実施日)2005101日を予定しています。

                          以上



















ロシア リース業を利用してのプラント輸出
 
 ロシアではリース業が盛んである。ロシアでリース取引が急増している背景として、製造業が直面している深刻な投資不足の問題がある。ロシアの製造業の生産設備は老朽化・陳腐化が著しい。他方、自前で投資を行うには、自己資金の不足などの障害がある。その点、リースであれば、新しい産業設備を導入することが比較的容易である。
 リース業者が、自らの責任において、プラントのサプライヤーから賃借人の指定したプラントを取得し、賃借人に提供する。リース物件はリース会社の資産として扱われる。契約期間中、リース物件の紛失や磨耗のリスクは、リース業者の出費により、契約当事者の合意した保険会社によって付保される。
 リース取引は、実質的に投資プロジェクトの一種であると言える。契約期間の終了に伴い、賃借人はリース物件を返却することも、契約を延長することも、新規の契約を結ぶことも、買い入れることもできる。
 リース取引の利点として、税制の優遇がある。例えば、資産はリース業者のものなので、賃借人は重い負担となる資産税の支払を免除される。
 リース取引により、賃借人は、設備の料金を数年間にわたって月割でリース料という形で支払い、リース期間終了時にリース物件の所有権を取得することができる。












ロシア向けプラント輸出で複合一貫輸送が不成立
                                                           2006年7月21

ロシア向けプラント輸出契約の決済条件としてL/Cを受領したが、このL/Cで要求されるB/LDestinationは、数百キロメートル内陸のプラント・サイトまでとなっていた。
 積荷は機械類で多くはコンテナに収まるが、大型機械は木箱梱包でオン・デッキとならざるをえず、中国船籍のセミ・コンテナ船への船積みとなった。(積み地:横浜、名古屋)
 Combined B/Lの発行を船会社に求めたところ、現地に陸送を引き受けるオペレーターをかかえておらず、サンクトペテルブルグ揚げ後の陸送部分をカバーする通しB/Lの発行を拒絶された。
 やむを得ず、輸入者に仕向地サンクトペテルブルグまでのOcean B/LとするようL/Cのアメンドを求めた結果、アメンドされて一件落着となった。

*複合運送証券(Combined Transport B/L):複合運送証券に関する統一規則により全運送区間を通
 して荷主に対する責任を負う。

*通し運送証券(Through B/L):最初の運送人が全運送期間について発行する船荷証券。在来貨物
 船においても、船積地から陸揚地経由最終仕向地までの運送を引受ける通し運送証券が発行さ
 れるが、「自己の運送区間で発生した損害についてのみ責任を負う」という責任分割約款が必
 ず
B/Lに記載されているので、全運送区間を通して荷主に対する責任を負う複合運送証券
  (Combined Transport B/L)
とは性格が異なる。












































JBICは日本政策金融公庫に組織替え
 国際協力銀行(JBIC))は、平成20年10月1日より、株式会社 日本政策金融公庫の 国際協力銀行となりました。
 日本政策金融公庫は、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び国際協力銀行(国際金融等業務部門)を統合したものです。
 旧国際協力銀行は、1999年、海外経済協力基金(OECF)と日本輸出入銀行(EXIM)が合併したものですが、ODA(政府開発援助)を担当する部門(旧OECF)は、国際協力機構(JICA)に移行し、国際金融業務を担当する部門(旧EXIM)が、日本政策金融公庫に参加しました。
 なお、日本政策金融公庫は、同じ政府系の日本政策投資銀行とは別個の機関です。









(JBIC)の国際金融業務
                                  200742

 アドバイザー仲間でJBICの現役期部長である藤田豊明さんより、2007年4月時点のJBICについて、話して貰う機会がありました。
 JBICは、平成20年10月1日より、株式会社 日本政策金融公庫国際協力銀行(JBIC))になりましたが、下記については、現在も基本的には変わっていない事項です。


輸出金融の形態
 輸出金融の形態はバンクローンが主流になっている。サプライヤズ・クレジットはほとんど利用されなくなっており、また新JBICでもその業務は廃止される予定である。

インドネシア向けバイヤーズ・クレジット
 インドネシア向けのバイヤーズ・クレジットとしては、政府を貸し付け先とする電力公社(PLN)の既存発電設備(チラチャップ発電所等)のリハビリ用機器・役務の調達資金の供与がある。又、最近は、パイトン発電所のようなIPP(独立発電業者)向けのプロジェクト・ファイナンスが主流となっている。

プルタミナ向け融資とプルタミナの活動状況
 インドネシア石油ガス公社(プルタミナ)を合弁パートナーとする開発会社への資金供与もある。また、最近のプルタミナの事業は原油の輸入と下流部門(製品であるガソリンや灯油、LPGの国内供給)が主体になっているという。

海外投資の有望仕向先 - BRICs
 JBICの融資先800社への2006年度のアンケート調査の結果によれば、海外投資の有望仕向先の1位は3年連続して中国だが、得票率は前年2005年度より減少している。一方、インド(前年と同じ2)、ベトナム(前年4位から3)、ロシア(前年と同じ6)、ブラジル(前年8位から7)の得票率は増加している。10位までに入っているBRICsとベトナム以外の国は、タイ、米国、韓国、インドネシア、台湾となっている。

海外投資金融-海外投資保険の付保は必須条件ではない
 海外投資金融を受ける場合、独立行政法人日本貿易保険の海外投資保険の付保は必須条件とはなっていない。かってサプライヤズ・クレジットを受ける場合、輸出保険(現在の貿易保険)の付保は必須条件であったので、認識を新たにした。

JBICによるイスラム金融スキーム
 JBICは、中東オイルダラーをアジアに還流させるため、イスラム国のマレーシアを拠点とするイスラム金融を検討している。シャリア法(イスラム法)では、リスクのない不労所得である利子の受取りを禁じているが、元本保証のない事業に投資して利潤を得ることは正当なものとしている。
 JBICによるイスラム金融スキームは、シャリア法に合致しているかどうかをチェックするシャリア委員会(イスラム法学者委員会)の設置を前提としている。

                                    



イスラム金融イスラム銀行
 国際協力銀行(JABIC)がマレーシアを拠点とするイスラム金融を検討しているという話を聞き、「イスラム金融」という用語自体が初めてなので、大変なスキームを検討しているものと感じ入っていたのだが、いろいろ調べたところ、イスラム金融/イスラム銀行の設置はすでに一般化している傾向ということをあらためて認識した。
 その傾向を簡潔に表した記事を見つけたので、下記する。

 原油価格の高騰でイスラム金融が活発になっている。中東産油国の石油収入は05年3000億ドルに達したと見られ「オイルマネー」の行方が注目される。その行く先の一つにコーランの教えに従い資金を運用するイスラム銀行がある。
 コーランは「利息」を禁止している。正確に言えばカネを貸すだけで確定した利息をとる行為を否定している。事業者にだけリスクを負わせ、自分は担保を取って安閑と利息を貪(むさぼ)るのは不道徳、という考えだ。
 「ベニスの商人」を否定するのがイスラム金融と思えば分かりやすい。
だが金利を否定すると銀行は成り立たない。そこで金利を取らずに資金を融通する試行錯誤が20世紀半ばから検討されてきた。
 銀行は借り手と共同事業を行い、成功すれば利益を折半し元金に上乗せして回収する。あるいは銀行が資材を買ってリースし手数料を取る。方法は様々だが銀行も事業リスクをとり、失敗すれば損失を被る。貸手も責任を負うのが特徴だ。
 取引先にも厳格な規定がある。酒、賭博、ブタ肉など戒律に触れる資金提供はしない。利益の過半が金利収入という企業もダメ。つまりサラ金やマネーゲームにはカネを提供しない。
 誠実、公平、相互扶助がイスラム教の根底にある。イスラム銀行には「シャリア委員会」と呼ばれる組織があり、資金がイスラム法に従って使われているかを審査。モラルを収益より重視する経営で、企業の社会的貢献(CSR)や企業のコンプライアンス(法令順守)に似た潮流である。
 流れはアジアに広がっている。マレーシアはマハティール前首相の時代にイスラム金融が盛んになった。ヘッジファンドによる投機が引き金になったアジア通貨危機への怒りが発端だ。タイはタクシン首相が地域の活性化にイスラム金融を奨励した。
 9・11がこの流れを加速した。反米感情がイスラム回帰を促し、金融の世界も戒律が重視されるようになった。米国に向かったカネが資産凍結を恐れイスラム圏にUターンした。シティバンクやパリバ銀行など米欧の金融機関までが、子会社や専門支店を作ってイスラム金融を始め資金獲得にやっきになった。そこに石油価格の高騰が重なる。
 バーレーンやドバイの目抜き通りには「イスラム銀行」の看板があふれている。いまや40カ国余で200を超える銀行が約3000億ドルの資金を動かしている、といわれる。
(以下略)
山田厚史(編集委員) / 「【経済】イスラム金融の台頭」(朝日新聞 be



イスラム金融とコーラン
 イスラム銀行には、「シャリア委員会(イスラム法学者委員会)」と呼ばれる組織があり、コーランで禁じられている利子の受取がないか、取引相手等の当事者が教義に反する事業(豚肉、アルコール、武器、賭博、ポルノ等)に関わっていないかをチェックしている。

コーランとシャリア
 コーランがイスラム教の聖典であることは知られている。コーランには、確かに、「男性は4人の妻を持てる」、「目には目」、「豚肉は不浄」、「禁酒」など、伝え聞くイスラム教の教義が記述されている。「礼拝」、「断食」、「メッカ巡礼」などの義務づけも明記されている。イスラム法(シャリア法)は、これらを法制化したものと言える。参考までに教義に対応するコーランの章節を下記する。

  2. 雌牛(アル・バカラ)
      110. 礼拝と喜捨
      185. ラマダーンと斎戒
      196. 巡礼〔ハッジ〕
  3. イムラーン家 (アーリ・イムラーン)
       97. 礼拝
  4. 婦人 (アン・ニサーア)
        3.  2人、3人または4人の女を嬰れ。
  5. 食卓 (アル・マーイダ)
       38. 盗みをした男も女も、報いとして両手を切断しなさい。
       45. 生命には生命、目には目、鼻には鼻、耳には耳、歯には歯
       90. 酒と賭矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である。
       91. 酒と賭矢によって、敵意と憎悪を起こさせ、礼拝を捧げるのを妨げる。
  6. 家畜 (アル・アンアーム)
      145. 死肉、流れ出る血、豚肉 それは不浄である
 24. 御光 (アソ・ヌール)
        2. 姦通した女と男は、それぞれ100回鞭打て。

 コーランとイスラム法(シャリア法)との関係をフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用すると、次のようになる。

コーランは、ムハンマドに対して神(アッラー)が下した啓示、すなわちムハンマドが予言者として、アラブ人にアラビア語で伝えた神の言葉そのものであるとされる。イスラム法学では、神の言葉そのものであるコーランは、イスラム法体系における憲法に相当し、イスラム法(シャリア)の基幹である。
 シャリアとは「水のみ場への道」という意味だが、砂漠地帯での「水のみ場への道」は生きることに繋がる道である。神が定めた絶対の掟であるシャリアは、ムスリムにとっては、人間としての正しい生き方を示す指標である。ムスリムにとって、シャリアへの服従はイスラムへの信仰と同義である。ただし、すべての法規定を集大成した「シャリア法典」のようなものは存在しない。法というよりは、道徳的な規範であり、義務である。

コーランは利息の受け取りを禁じている
 コーランにおいては、どのように利息を禁じているか、利息に関係するコーランの章節を抜き出してみる。
雌牛の章(2275) 
 利息を喰らう奴らは、(復活の日が来ても)すっと立ち上がることなんかできないよ。ま、立ち上がるにしても、まるでシャイターン(サタン)の一撃をくらってぶっ倒された奴みたいな(情けない)立ち上り方だろうて。それというのも、奴らときたら「なあに商売だって結局は利息を取るみたいなものさ」などとほざきおるからな。アッラーは商売はお許しになった、だが利息取りは御法度だぞ。神様からお小言を頂戴しておとなしくそんなこと(利息を取ること)をやめるなら、ま、それまでに儲けた分だけは見のがしてやろうし、ともかくアッラーが悪くはなさるまい。だがまた逆戻りなどしおったら、それこそ地獄の劫火の住人となって永遠に出してはいただけまいぞ。(『コーラン』上 井筒俊彦訳 岩波文庫)
雌牛の章(2276) 
 アッラーは利息(取りの習慣)をあとかたもなくなしてしまおうとしていなさるのだ。だが施し物を出せば、それにちゃんと利子をつけて返して下さるはずじゃ。アッラーは誰であろうと罪業深い罰当たりはお好きにならん。(だが)立派な信仰をもち、善行をなし、礼拝をきちんと守り、喜捨を出す人たち、そういう人たちの御褒美は神様が引受けて下さり、もう何も恐しい目にも悲しい目にも逢うことはなくなるのさ。(『コーラン』上 井筒俊彦訳 岩波文庫)
ビザンチンの章(3039)
 あなたがたが利殖のために、高利で人に貸し与えても、アッラーの許では、何も増えない。だがアッラーの慈顔を求めて喜捨する者には報償が増加される。

イスラム教は商業による利潤追求を是とする
 イスラム教以外の宗教では、物品を生産せず流通させるだけで利益をあげる商業を卑しいものとしている。日本でも、商業を最下級とする「士農工商」という言葉がある。これは江戸時代の封建的階級観念によるものである。
 イスラム教は、開祖ムハンマド自身が交易商人であったこともあり、商業の成否は当事者の才覚によると考え、商人による「判断」を知的労働と捉え、「利潤の追求」を正当なものとした。イスラム発祥地での商業の基本的パターンのひとつが、キャラバンによる長距離交易だったことが、商業を「不労所得」と捉えない観念と関係していると思われる。長距離交易では商人自身の才覚・努力が求められ、それらを満たしていても不慮の事故によってすべてを失うリスクを抱えていた。商業による利潤追求を是とする一方で、「利子」については厳しく禁じている。
 イスラムでは、商業による「利潤」は労働の一種とされるが、金貸しによる「利子」は、自ら努力せず、かつ危険を負わずして財産を増殖させる「不労所得」として禁じられた。イスラムにおいては前者は推奨され、後者は徹底的に非難されるべきものであった。(引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)












































BRICsVISTA
 現代用語として、BRICs(Brasil:ブラジル、Russia:ロシア、India:インド、China:中国)は、広く浸透している。このBRICsVISTAを組ませて、BRICsVISTAというタイトルのコラムをマネックス証券の画面で目にした。
 VISTAとは、一般的にはWindows XPの次にマイクロソフトが売り出しているOSを指すが、マネックス証券の記事によれば、BRICsに勝るとも劣らない成長性を有すると期待されているVietnam:ベトナム、Indonesia:インドネシア、South Africa:南アフリカ、Turkey:トルコ、Argentina:アルゼンチン5ヶ国の頭文字をとったもので、「世界経済におけるBRICsVISTAの存在感が高まっている中で、BRICsVISTA各国の動向は無視できず、市場情報の収集が不可欠となってきています。」と結んでいる。

G8とG20
 日本、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアの8ヶ国により毎年、開催されている主要国首脳会議は、G8サミットと呼ばれる。
 *1998年、ロシアが加わってG8になるまでは、先進7ヶ国(G7)のサミットであった。当時のロシアは経済破綻
  で発展途上国であった。現在も、G7と言う場合は、先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議を指す。
 G8サミットには、2005年以降、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国の新興5ヶ国が、準レギュラーとして参加している。
 また、アジアの通貨危機などをきっかけに1999年、20ヶ国の財務相・中央銀行総裁会議として始まった「金融・世界経済に関する首脳会合(Summit on Financial Markets and the World Economy)=金融サミット」は、G20サミットと呼称される。G20(Group of Twenty)構成国は、G8とG8サミットの準レギュラーである新興5ヶ国に加えて、韓国、オーストラリア、インドネシア、アルゼンチン、トルコ、サウジアラビア、EUの20ヶ国・地域である。
















































危険なメール - United Postal Service
 Outlook Expressを開いたら、受信トレイに、送信者:United Postal Service、件名:UPS Tracking Number 02915529404、受信日時:2008年9月30日 9:48という添付ファイル付きメールが入っていた。
 本文記事は次の通りである。
Unfortunately we were not able to deliver postal package you sent on Sept the 28 in time because the recipient’s address is not correct.
Please print out the invoice copy attached and collect the package at our office
Your UPS

 心当たりがないわけではない。郵便局を使って、9月10日に船便、9月16日にEMSを発送している。しかし、EMSについては、9月20日に受領を確認しているし、船便は、まだ太平洋上のはずである。
 先日も、発信人がAmerican Airlines で、件名が"Your flight ticket N7223278"という添付ファイル付きメールを受けとった。今年5月訪米した時のフライトがAmerican Airlinesなので、ちょっと気になり、AA予約セクションに電話したところ、"Buy airplane ticket Online"の件かと即答あり、「多数からの問い合わせを受けて、迷惑している。迷惑メールなので、破棄した方がよい。」とのアドバイスだった。
 今回も同じ類の迷惑メールだろうが、一応、United Postal Serviceなるものを確かめておくこととし、ネット検索したところ、略称は同じUPSだが、Pの部分がPostalではなくParcelであるUnited Parcel Service(UPS)というヤマト運輸とも提携している米国の国際貨物航空会社(United Parcel Service of America, Inc. )があった。また、アメリカ郵政公社の正式名称は、United Postal Serviceではなく、United States Postal Service(USPS)であった。略称もUPSではなく、USPSである。
 添付のインボイス・コピーをプリントしろとの指図に従って、添付ファイルを開いたら、即、ウイルス感染だったであろう。

 United Postal Service発の迷惑メールをホームページにアップした翌日、またまたUPS発で、件名が[NO-REPLY] UPS Tracking Number 76303698という添付ファイル付きメールを受信した。
NO-REPLYと言っているので、前のメールを参照しているのではないかと思い、本文を見ると、内容はまったく同じである。ただ、前回が9月28日発送となっていたのに、今回は、9月18日発送となっている。また、根本的な違いとして、前回は、UPS Tracking Number 02915529404なのに、今回はUPS Tracking Number 76303698である。送信者のアドレスもtello@qea.comとtequila301@yahoo.comと違っている。ちなみに、United States Postal Service(USPS)のURLはhttp://www.usps.comである。

 この迷惑メールは、殊の外にしつこく、今度は、”Problems with delivery UPS”という件名である。Deliveryの日付が3件とも違う以外、本文はどれも同じだが、件名は、次のように変遷している。
1.件名:UPS Tracking Number 02915529404
2.件名:[NO-REPLY] UPS Tracking Number 76303698
3.件名:Problems with delivery UPS



























郵政民営化と国際郵便事業
 郵政民営化の結果、郵政三事業(郵便・簡易保険・郵便貯金)を営み、郵便局という名で周知されていた旧日本郵政公社は、平成19年10月より、持株会社である日本郵政株式会社(Japan Post Holdings Co.,Ltd.=JP日本郵政)の下に、郵便事業株式会社(Japan Post Service Co., Ltd. = JP日本郵便)、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険、窓口業務を行う郵便局株式会社の4社を置く日本郵政グループとなった。
 民営化とはいえ、郵便法第4条は、JP日本郵便以外の者は、何人も、郵便の業務を業とし、また、会社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない、として、JP日本郵便による郵便事業の独占を規定している。ただし、郵便法と相まって施行されている「民間事業者による信書の送達に関する法律(信書便法)」により、JP日本郵便の完全独占事業というわけではない。
 郵便とは、広辞苑によれば、信書(書状・はがき)その他所定の物品を国内・国外へ送達する通信制度とある。また、信書とは、いわゆる手紙であり、契約書、請求書、領収書や免許書、印鑑証明書、戸籍謄本、健康保険証なども信書に該当する。一方、新聞、雑誌、カタログ、カレンダーなどの印刷物(Printed Matters)やダイレクトメール、商品券、キャッシュカード、ポイントカードなどは、信書に該当しない。
 なお、宅配便事業について、JP日本郵便は、日本通運との合弁会社JPエクスプレス株式会社を設立、日通ブランドであった国内宅配便(ペリカン便)を取り扱っていたが、2010年7月、JPエクスプレスを精算、JP日本郵便のブランドであるゆうパックがペリカン便を吸収することになった。。
 日本郵政グループの事業で国際取引に関係するものとしては、ゆうちょ銀行が国際送金や外貨両替などの外国為替・外貨取り扱い業務を営む一方、JP日本郵便が「万国郵便連合憲章」のルールに従って、国際郵便事業を営んでいる。


国際郵便と国際宅配便
  国際郵便は、国連の専門機関である「万国郵便連合Universal Postal Union=UPU)」が定める万国郵便連合憲章及び万国郵便連合一般規則(Constitution and General Regulations)のルールに従って、業務が行われている。万国郵便連合憲章は、多国間における国際郵便において、事実上最上位の効力を有する条約である。
 UPUは、1874年、ベルンで開催されたUPUを設立するための第1回万国郵便大会議において署名された「万国郵便条約」に基づき、設立された。
 日本においては、JP日本(郵便事業株式会社)が、海外向け通常郵便物(手紙・ハガキ)と小包郵便物を扱っており、小包郵便物については、航空便、SAL便、船便の3通りの発送手段がある。
 *SAL(Surface Air Lift)便
  国際郵便を一般の航空便より低い優先度で航空輸送するサービス
  船便(surface mail)を空路(air)に引き上げる(lift)の意。
  郵政においては、船便(surface mail、sea mail)を平面路便=surface mailと呼称
 *EMS(Express Mail Service=国際スピード郵便)
  荷物を迅速に配送する国際航空郵便サービス、輸送中は最優先で取り扱われる。 

 国際宅配便は、航空機による輸送が主体であり、JP日本郵便が扱う小包郵便物の船便扱いを別として、船舶による輸送はまずないと言える。
 FEDEX、DHL、TNT、UPSなど外資系宅配便業者にしても、創業が航空輸送のFEDEXに代表されるように、空輸をベースとしている。
 日本の代表的な宅配業者であるヤマト運輸や佐川急便は、元々、トラック輸送専門なので、国内宅配事業はトラック輸送で行っているが、国際宅配便は空輸であり、且つ、法人との契約に基づいているので、日本における様な一般家庭向け宅配サービスはない。参考までに、宅配便の英語表現は、Home-delivery ServiceまたはDoor-to-door Serviceである。
 なお、日本通運の国内宅配便(ペリカン便)は、2010年7月より、JP日本郵便が扱っている郵便小包(ゆうパック)に吸収統合されたが、国際宅配便(海外ペリカン便)は、現在も、日通の航空事業部である日通航空の扱いである。また、日通の生い立ちは、トラックを用いて鉄道貨物の集荷・配達業務を行う全国の通運業者を統合して日本通運法のもとで成立した国営企業だった。旧国鉄との関係は密接であった。






























日本郵政 ペリカン便を「ゆうパック」に統一
 日本郵政グループの郵便事業会社は、ペリカン便事業を営んでいた日本通運との合弁会社JPエクスプレス株式会社を精算し、2010年7月より、ペリカン便を「ゆうパック」に統一した。
 かって、日本通運の宅配便「ペリカン便」の名前は、強いブランドイメージを持っていたが、消滅した。
 なお、国際宅配便(海外ペリカン便)は、航空事業部である日通航空の扱いで存続している。













































宅配便とメール便
 宅配便とは、比較的小さな荷物をdoor to doorで配送する輸送便である。国土交通省の用語の解説にある「宅配便貨物」は、“一般貨物自動車運送事業の特別積合せ貨物運送又はこれに準ずる貨物の運送及び利用運送事業の貨物自動車運送にて運送した貨物のうち、重量が30キログラム以下のものをいう。単位は一個を一口とする。”と説明されている。
 「宅配便」という用語は、トラック運送に関わる物流二法(貨物自動車運送事業法貨物利用運送事業法)においては、用いられていない。「宅配便」を指す「特別積合せ貨物運送」は、「貨物自動車運送事業法」第2条第6項で、“この法律において「特別積合せ貨物運送」とは、一般貨物自動車運送事業として行う運送のうち、営業所その他の事業場において集貨された貨物の仕分を行い、集貨された貨物を積み合わせて他の事業場に運送し、当該他の事業場において運送された貨物の配達に必要な仕分を行うものであって、これらの事業場の間における当該積合せ貨物の運送を定期的に行うものをいう。と定義されている。
 貨物利用運送事業法が規定する「貨物利用運送事業」には、航空、鉄道又は海運を利用して行う貨物の運送に先行、又は後続して自動車による集配を行う「第二種貨物利用運送事業」と、第二種貨物利用運送事業以外の貨物利用運送事業である「第一種貨物利用運送事業」がある。宅配便事業は、第二種貨物利用運送事業に相当する。
 郵便局が扱っていた小包郵便物は、2007年の郵政民営化にともない、郵便法の定める郵便物には該当しなくなり、貨物扱いになったが、「小包」という呼称は一般に広く認知されているため、現在も小包と呼ばれている。

 一方、メール便とは、宅配便のシステム(配送網)を利用して、書類や商品カタログなど、郵便法上の「信書」ではない軽量の荷物を運ぶ輸送サービスで、コンビニなどで取り扱われている。
 私は、A4サイズの書類を発送する場合、もっぱらコンビニ経由でメール便を利用している。料金は、通常80円、速達で180円である。平日しか取り扱わない郵便局と比べて、休日でも発送できる。郵便局(実際は、郵便事業会社)だと、A4サイズは定形外となり、50gまで 120円、 100gまで 140円、 150gまで 200円である。
 先日、VHSビデオ・カセットとDVDを封筒に詰めて、メール便で送ろうとしたところ、厚さが2cmを超えているので、メール便では扱えない、宅配便扱いになり、その場合、料金は740円とのこと。郵便局の定形外郵便物扱いだと500gまで390円なので、結局、郵便局から発送した。
メール便として受け付けられるサイズは、郵便受けに入るサイズであり(その範囲内であれば封筒の種別・サイズは問わない)、料金は郵便と異なり外形寸法だけで次のようになっている。
・A4厚さ1cmまで……80円
・A4厚さ2cmまで……160円
・B4厚さ1cmまで……160円
・B4厚さ2cmまで……240円
































実運送と利用運送
 貨物利用運送事業法において、「実運送」とは、船舶運航事業者、航空運送事業者、鉄道運送事業者又は貨物自動車運送事業者(以下「実運送事業者」という。)の行う貨物の運送をいい、「利用運送」とは、実運送事業者の行う運送(実運送に係わるものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう。
 すなわち、鉄道、船舶、航空機等の輸送手段を有する運送事業者を「実運送事業者」、実運送事業者が行う運送を「実運送」といい、事業者自らは鉄道、船舶、航空機等の輸送手段を保有せず、他の実運送事業者が行う運送を利用して、貨物の運送を行う事業を「貨物利用運送事業」という。
 NVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier)は、自らは、船舶の保有と運航を行わない利用運送事業者である。
 なお、貨物利用運送事業法が規定する「貨物利用運送事業」には、航空、鉄道又は海運を利用して行う貨物の運送に先行、又は後続して自動車による集配を行う「第二種貨物利用運送事業」と、第二種貨物利用運送事業以外の貨物利用運送事業である「第一種貨物利用運送事業」がある。宅配便事業は、第二種貨物利用運送事業に相当する。

*NVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier)
 アメリカの1998年外航海運改革法では、NVOCCとOcean Freight Forwarder(OFF =海運貨物取扱業者)は「海上
 運送仲介業者(OTI= Ocean Transportation Intermediary)」として明確に規定されている。日本においては「貨物 利用運送事業法」で定義されている「利用運送事業」が、NVOCCと混載業者(consolidator)を指す。











































海貨業者と通関業者(乙仲)
 ある相談会で、通関について、「海運貨物取扱業者」で「乙仲」なるものがあると聞くが、どのようなものかとの質問があった。それは、通関業者のことで、製品がハンド・キャリーでも持ち込めるような物なら、通関業を兼ねている宅配業者に頼めば、まず問題なく、輸入者に届けてくれると説明した。
  「乙仲」とは、戦前の海運組合法(1939年)で、定期船貨物の取次をする仲介業者を乙種仲立業(乙仲)、不定期船貨物の取次ぎをする仲介業者を甲種仲立業(甲仲)と分類していたことに由来する。海運組合法は、1947年に廃止されたため、甲仲、乙仲という分類はなくなったが、乙仲という呼び方は、現在でも、海貨業者や通関業者の俗称になっている。
 海貨業者とは海運貨物取扱業者(freight forwarder)の略で、文字通り海運貨物を取り扱う事業者である。海運貨物取扱業者と言うと、いかにも法律で定められた事業者のように聞こえるが、港湾運送事業法に海運貨物取扱業なる業種はない。港湾運送事業法で規定される事業の種類は、一般港湾運送事業、港湾荷役事業、はしけ運送事業、いかだ運送事業、検数事業、鑑定事業、検量事業である。
 一般港湾運送事業は、検数、鑑定、検量を除いて、港湾荷役(輸出貨物の船積、輸入貨物の荷卸し及び国内運送までの作業などステベに代表される荷役)のほか、通関、はしけ運送、いかだ運送、沿岸荷役、倉庫業など貿易に関する荷役・通関業務を幅広く行っている。いわゆる海貨業は、この一般港湾運送事業である。
 海貨業や倉庫業は、通関業を兼ねているのが普通だが、法律上、通関業と海貨業や倉庫業は別個の業種である。税関への輸出入申告を取扱う通関業者(Customs Broker)は、通関業法に基づく通関業の許可を受けており、通関士を置くことが義務づけられている。海貨業は港湾運送事業法、倉庫業は倉庫業法によって規制されている。倉庫業とともに物流の重要な一端を担っているトラック輸送業は貨物自動車運送事業法貨物利用運送事業法によって規制されている。

ステベ
 ステベとは、ステベドア(Stevedore)の略称で、本来の意味は沖仲仕だが、港湾運送業界では、船舶または埠頭における貨物の積卸しを専業とする船舶荷役請負業者を指す。荷主または船会社の依頼を受けて船舶で運送される貨物を揚げ積みし、そのため船内、はしけ、沿岸、いかだの荷役業務を一貫作業として行う。ステベは、船会社から船内の積揚荷役作業を専属的に指定されるのが普通であり、船会社との結びつきが強い。










































海外移転企業 労働集約型と省力型
                                                       2006年9月
 最近、ある海外進出企業より、製品の市場性が乏しくなって来ている労働集約型事業部門を閉鎖し、省力型事業部門に注力かつ拡大を図りたい、ついては一事業部門の閉鎖に関わる現地の法的手続き、配慮すべき問題等について教授願いたいとの相談を受けた。
 一般に、海外現地法人の増資や事業内容の変更は定款の改訂と届け出で済むのが通例である。ただし、減資や解散の場合は、やや面倒な手続きが必要になることもある。今回の相談の場合、手続き面での問題はないが、労働集約型事業部門の閉鎖にともなう多数の労働者の解雇に問題が発生するおそれがある。通常、現地政府の外資誘致の大きな目的の一つとして、雇用機会の拡大がある。したがって大量解雇は国策に反することであり、社会問題になったとき、政府の庇護が受けにくい。今回の相談者も、その点を十分心得ており、退職金に割増しをつけて円満退職させる他、しかるべき筋にも十分な根回しを行うと言っていた。
 ここで注目すべきは、安い労働力が大きな要因であった企業の海外移転に転機が来ているということである。そういえば一頃、あれほど喧伝された「産業の空洞化」問題が鳴りを潜めている。日本企業は、19859月のプラザ合意以降、急速な円高に直面したため、安い労働力や土地を求めて中国やインドネシアなどアジア各国に生産拠点を移していった。
 このため、国内工場の閉鎖や雇用不安の増大など、いわゆる「産業の空洞化」がさかんに議論されていた。もちろん、安い労働力や土地を求めて海外に生産拠点を移転させる流れが止まったわけではない。しかし、輸送用機械や電気機器の海外生産比率が非常に高くなり、付随して海外に出ようとする部品メーカーの機械類が、どちらかといえば、省力型であるという現実を無視するわけに行かない。またさしあたっての問題ではないが、労働集約型移転企業には、撤退を検討する場面もありえるということを認識すべきである。
 *プラザ合意(Plaza Accord):五ヶ国蔵相(G5)は、1985922日、ニューヨークのプラザ・ホ
              テルで会議を開き、当時問題
となっていた過度のドル高を是正する
              ため協調介入に乗り出す旨の声明を出した。








































教科書と現実 信用状と並行輸入
                                                     2006年9月
 最近受けた貿易相談には、かって我々が金科玉条としてきた原則が通用しないケースが多い。
 信用状決済であるにもかかわらず、
L/Cの要求する条件を確認することなく、L/C到着前に船積みしてしまい、ディスクレパンシーがあっても、後でアメンドすればよしとして、取り立てにまわす等々である。
 しかし、聞いてみると、やむを得ないのかな、と思わざるをえない。すなわち、商品が中古車両であり、業界ではそれが常識であるということ、仕向国の輸入法規が朝令暮改のため、少しでも早く輸入通関させる必要があるということ等々である。
 業界の常識という観点から見ると、我々の常識ではまったく驚きでしかないのが、輸入者との直接交渉でなく、インターネットでつながったエージェントを介しての交渉であり、書類はプロフォーマ・インボイスのみで契約書は存在しないという。案の定、トラブルが発生すると、エージェントとの連絡はぷっつり途切れたという。
 初心者向け貿易基礎講座などで、我々は、初めての取引相手には信用調査を行うとか、売買契約書が不可欠であると講義する。特に、信用状取引の仕組みについては細部にわたって解説する。
 しかしながら、今や信用状決済は、輸出で全体の三分の一、輸入で四分の一程度の利用度でしかなく、「送金決済方式」が主流になり、銀行、特に地方支店の場合、比較的新しい客先では信用状付きでも荷為替の買取りはなく、取り立て扱いにするとのこと、当然、与信行為である輸入信用状の開設は、ありえないという。

 ある外為専門家は、新規顧客のための信用状開設が困難になった理由を次ぎのように説明している。
 銀行は、不良債権処理とそれに伴なうリストラの一環として、処理コストと収益性の見直しをした。数多くの銀行が、コストと収益性の観点から、専門性を必要とし画一的に機械処理ができない国際業務を縮小した。そのため、信用状開設、ドルユーザンスの供与など新規与信行為の取り上げには極めて消極的になった。また国際業務撤退により、銀行窓口に国際業務精通者がいなくなったことも、一つの要因である。

 貿易の参考書には必ず載っていて、講義の際にも言及する事柄だが、実際には、あまり意味がなくなったものに「ブランド商品並行輸入」がある。アドバイザー間のQ&Aを下記引用する。

Q:グッチ
(Gucci)などのブランド商品の並行輸入を考えており、フランチャイズ・チェーンなどの
  仕入先をインターネットで探しているが上手く行かない。米国でも香港でもシンガポールでも
  どこでも良いから安く仕入れできる販売店をどうしたら探せるか教えて貰いたい。

1:ブランド商品の並行輸入のルートは非常に複雑です。真正品の輸入は認められていますが、
  税関に対して真正品であることの証明はなかなかやっかいです。素人や小売店の方が思いつき
  で手を出され失敗するケースが多いです。海外の直営店へハンドキャリーで買い付けに行く方
  法もありましたが、現在は有名ブランドは世界統一価格戦略を取っており、それほどうまみは
  ありません。

2:ミプロ貿易・投資アドバイザー宛てのブランド商品の並行輸入の相談は、一時期に比べると
  非常に少なくなりました。多分、海外店からの連続的買い付けの困難さ、真正品であることの
  立証の難しさ、知的財産権に属するあらゆる権利の行使による輸入差し止め、アフターサービ
  スへの不安、価格差の暫減、並行輸入業者の資金不足などの理由から、ブランド商品の並行輸
  入の「うまみ」が、薄らいで来たのでしょう。また、高価なブランド商品は、正規販売店で買
  うとする消費者の意識も強まったと考えられます。
   ウイスキーのJohnnie Walkerのように、蔵元が積極的に並行輸入業者へも販売し、総売り上げを
  稼ぐ会社もあれば、並行輸入を黙認している企業もあります。ルイ・ビトン
(Louis Vuitton)は、
  並行輸入を徹底的に締め出しており、業態は様々です。

  
  註:商標で保護されるブランド商品は、特許製品、著作権保護商品などとともに知的所有権の
    保護対象となる商品である。

































国の制度の有効利用
 海外要員の派遣経費や研修費用の軽減のために、国の制度(すなわち税金)を利用することは得策です。例えば、国際社会の一員として日本が拠出を義務づけられているODA(政府開発援助)資金の利用です。
 ODAの実施機関には、有償資金協力(いわゆる円借款)を行っている国際協力銀行(JBIC)や無償資金協力と技術協力を担当する国際協力機構(JICA)がありますが、JBICJICA以外にも、ジェトロやJODC等の実施機関があります。
 海外要員の派遣や研修を事業目的とする機関と制度は下記の通りです。
(財)海外貿易開発協会(JODC)  :専門家派遣事業
(財)海外技術者研修協会(AOTS):受入研修と海外研修
(財)国際研修協力機構(JITCO)外国人研修・技能実習制度
 数年前までは、海外職業訓練協会(OVTA)に派遣訓練と受入訓練という制度がありましたが、最近の同協会の主要事業はセミナーやコンサルティングが中心になっています。また、日本貿易振興機構(JETRO)は、海外に進出する中小企業を支援していますが、2005年からは「輸出有望案件発掘支援事業」という制度を発足しています。

JODC専門家派遣制度
 専門家の派遣を通じて開発途上国の産業発展に寄与することを事業目的とするJODC(
Japan Overseas Development Corporation)の専門家派遣制度の概要は下記の通り。
1. JODCの専門家派遣制度は、財源により、ODA型と中小企業型の2種類に分かれる。
 (他に「研修生派遣制度」がある。)

2. 自社従業員もしくは嘱託契約を結んだエキスパートを派遣する場合、必然的に
ODA型の選択に
 なる。自社従業員もしくは自前のエキスパートの派遣が困難な場合、中小企業型の選択となり、

 JODC
登録専門家が派遣される。
3. 現地の受入先は、出資関係にある日系企業でも純然たるローカル企業でもいずれも適用可能で
 ある。現在は派遣国の裾野産業の発展につながる業種、例えば自動車部品産業などが優先されて
 おり、日系企業の利用が多い。
4. ローカル企業の場合、取引関係にある企業もしくは過去にプラント機器が納入された企業が対
 象となる。現地工業会等の要請があれば、より有効に制度の適用が可能である。
5. 派遣制度が適用されると、派遣費用の
3/4JODCが負担する。残り1/4は受入れ先ローカル企業
 の負担である。一方、本制度の適用を申請した企業
(協力企業という)は、派遣経費合計額の12%
 を別途負担する。

6.
2005年9月時点、平成17年度予算は満杯状態なので、平成18年度(平成18年4月~19年3月)
 適用となる。なお、1社により同時に2国、例えば同年度にマレーシアとインドネシア向け同一
 内容の適用を申請しても受理されない。


JITCO外国人研修・技能実習制度
 財団法人 国際研修協力機構(JITCO=Japan International Training Cooperation organization)は、開発途上国の人材育成に寄与することを目的として、法務、外務、厚生労働、経済産業、国土交通の五省共管により1991年に設立された公益法人である。(建前は“開発途上国の人材育成に寄与”だが、真意は“安価な労働力”を求める経済界の要望に応えたというのが本音である。)
 JITCOの事業は、「外国人研修制度」および「技能実習制度」の推進のために、研修生・技能実習生の「受入れ機関」と海外の「送出し機関」や派遣企業に対し、総合的な支援・援助や適正実施の助言・指導を行うとしている。具体的には、研修生の来日のための入管手続き・ビザ申請などの事前点検サービスなどである。
 なお、JITCOの上記の支援を受けられるのは、原則として賛助会員である。

外国人研修制度
 外国人研修制度とは、諸外国の青壮年労働者を日本に受入れ、研修生として、1年以内の期間に我が国の産業・職業上の技術・技能・知識を修得できるよう支援する仕組みである。入管法上の在留資格は「研修」である。
 「外国人研修生」は、民営または国公営の「送出し機関」から送出されて来日し、日本側の「受入れ機関」において研修する。
 受入れ機関」には、商工会議所・商工会、事業協同組合等の中小企業団体、公益法人などの「団体監理型」と、海外の現地法人、合弁企業、または外国の取引先企業よりの研修生を単独企業が受け入れる「企業単独型」がある。

技能実習制度

 技能実習制度とは、外国人研修生が、雇用関係の下、研修期間と合わせて最長3年間、研修により修得した技術・技能・知識を、より実践的かつ実務的に習熟することを支援する仕組みである。入管法上の在留資格は「特定活動」である。

送出し機関
 JITCO は、協力関係を結んでいる送出し国政府による民営または国公営の送出し機関の認定や認定取り消し等を所掌し、送出し国政府窓口というリストに纏めている。また、送出し機関の中には、本制度を労働者派遣と位置付け、営利目的に活用する動きが見られるとして、外国人研修・技能実習制度送出し機関の送出しマニュアルの作成・公表を行っている。


受入れ機関事業協同組合など団体監理型研修
 一般的には、外国人研修生の受入れは、商工会議所や事業協同組合のような「第一次受入れ機関」を通じて行う仕組みで許可されており、中小企業単独での受入れは難しいのが現状である。“安価な労働力”を求める個々の中小企業は、事業協同組合の組合員として組合費と研修事業費を払うことで「第二次受入れ機関」となり、研修生の受入れが可能になる。
 受入れ企業が受入れられる研修生の数は限定されているが、事業協同組合等を通じて受け入れる「団体監理型研修」は、受入れ可能な人員枠が緩和されている。



中小企業による外国人研修・技能実習制度の利用
 私は、10数年前、移籍した造船会社と関係のある南米の某国より安い労働力を合法的に招く方策を講ずるため、設立間もない国際研修協力機構(JITCO)を訪問し種々話を聞いたことがある。結果的には、JITCOの制度を利用するまでには至らなかった。ついで、私が現在、顧問をしている会社の中国子会社より研修生を呼ぶ可能性調査のため、一昨年、またJITCOを訪問した。 そこで分かったことは、現行のJITCOの仕組みでは、中小企業単独で研修生を呼ぶことが難しいということである。事業協同組合や賛助会員の仕組みも耳にした。
 それが今年(2008)に入って、顧問をしている会社がある事業協同組合とベトナムより研修生を呼ぶ契約を結んだ。会長は、事業組合がセットした「ベトナム・ホーチミン面接・視察ツアー」に参加し、現地で政府系の「送出し機関」を訪問、また研修生の出発前教育を行っている「日本語学校」の見学をした。
 契約は、研修生を受け入れている組合が研修生の座学研修の一部と実務研修を会社に委託するという形を取っており、入国管理局やJITCOに対する業務は、組合の責任の下にあるわけである。結構な金額の支払金額の中には、JITCOへの年会費も含まれている。
 そんな状況の中で、私が関係する貿易投資相談会でもJITCO外国人研修制度技能実習制度にからんだ相談事例が立て続けにあった。
 最初の相談会には、機械組み立てと人材派遣を行っている企業よりの”中国に日本人向け教育機関の設立を考えているが、どのような形態がよいか?”という相談ともう一つは現在、実際に中国より研修生・技能実習生を受け入れている神奈川県所在の事業協同組合よりの”他の団体による研修生送り出しと受け入れの事例を聞きたい”という相談依頼であった。この相談会には、中国から一時帰国したアドバイザーが相談員を勤めたので、私はオブザーバーとして立ち会った。
 二番目の相談会の事例も別のアドバイザーの報告だが、ベトナムに進出している大手人材派遣会社が研修制度を利用して技術者を呼んでいるという話であった。”中国に日本人向け教育機関を設立”も人材派遣業の設立を意味しているので、中国もベトナムも人材派遣という分野への日本企業の参加を認めていると解釈できる。
 私がお手伝いをしている会社は、ベトナムから研修生を呼ぶことになったが、本音は、中国子会社から研修生・技能実習生を呼びたいところである。会社の所在地が川崎市なので、同じ神奈川県ということで、上記中国人研修生の受入れ機関である事業協同組合に打診したところ、定款上、所在地の企業しか組合に参加できないということであった。
 JITCOに、一次受入れ機関になっている川崎市所在の事業協同組合はないか、問い合わせたところ、賛助会員との協定で、第三者に会員の情報を知らせることはできない、川崎商工会議所に聞いてみてはとのアドバイスをくれた。しかしながら、商工会議所も市役所も、その種の事業組合の存在を知らず、その代わり、中小企業の連携体である事業協同組合等の設立手続きやその後の運営支援を行っている団体を紹介してくれた。結論としては、川崎市には、中国人研修生の一次受け入れ機関はないということだった。