落ちていく。


自分ではどうしようも出来ないほどの圧倒的な力を前に、
何の抵抗も出来ずに、為すがままになっていく身体がもどかしい。
白く美しいザウデの壁を横目に、勢いを増しながら自分の身体が落ちていく。

フレンの副官、ソディアといったか。
自分を刺したときの彼女の表情を思い浮かべて、俺は安堵の息を吐いた。
彼女は自分のしたことに対して、酷く驚いたような顔をしていた。
恐らくフレンが俺をかばって手傷を負ったことで、
彼女の内の何かが爆発してしまった故の衝動だったんだろう。


もしあの時、彼女が憎悪に歪んだ表情をしていたなら。



俺はきっと、フレンの隣にいることを許さなかっただろう。



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ユーリの寛大さって絶対21歳じゃねぇよ・・・