これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.8〜 2006.5

年の差65歳の備前焼狛犬!

鹿島神社 (茨城県小川町下馬場530)
先日三浦市三崎町の海南神社へ行って来ました。
ここには三対の狛犬がいて一対が
備前焼の狛犬です。関東では珍しく、貴重なものと言われています。
私はまだ三対しか見ていませんが、東京都内では品川区の品川神社に文政13年(1830)に奉納された
備前焼狛犬がいます。

今回紹介するのは茨城県の霞ヶ浦の北方に位置する小川町の鹿島神社にいる備前焼狛犬です。
台座の銘は

  像が「明治八年六月(1875) 小川 伊能源兵衛  唐獅子奉納
  
像が「昭和十五年(1940)皇紀二千六百年 伊能久敏 唐獅子壱寄進

となっています。
阿吽で奉納時期に65年の差がありますが、見比べて見て違和感は全くありません。
備前焼きは寛政年間頃から型を使って狛犬を作るようになり、宮獅子として全国に知られるようになったと云われています。
型を使いますから65年前の狛犬と全く同じ物が出来上がるわけです。
つまり
この備前焼き狛犬は明治8年に奉納されたのですが、その後吽像が壊れたので65年後の皇紀2600年記念の年に新たに一体奉納し、一対としたものなのです。

(写真・文 山田敏春)