これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.5〜 2006.2

石 屋 の 寺 狛 犬

幡ヶ谷不動尊 荘厳寺(渋谷区本町2−44−3)
内23区の神社の狛犬は殆ど円丈師匠に依って調べられて「参道狛犬大研究」にのっていますが、
お寺に関しては調査もれがあります。
先日幡ヶ谷町誌などをみる機会があり、その中に石屋達が奉納した狛犬が幡ヶ谷不動尊にいると書かれていました。

犬の台座には
奉納御寶前 四つ谷 若者中 宝暦三年癸酉八月吉日(1753年)」
と刻まれていますが他に刻字はありません。
少し離れたところにある水盤に
       「四谷 牛込 
石屋講中 宝暦十一辛巳年正月吉祥日」と刻まれています。
この水盤の銘で幡ヶ谷町誌は、狛犬は石屋講中の奉納だとしてのでしょう。

犬は建立されて253年経っていますが、何処にも傷みがなく保存状態は完璧です。
素朴な顔立ちでタテガミはおかっぱ風、首には衿毛があり、尾は渦毛から八つ手葉形に立っています。

不動尊と石屋の関係はよく分かりませんが、目黒不動尊や成田不動尊に石屋が狛犬を奉納していますので不動明王を信仰していたのは確かなようです。
                                 
(写真・文 山田敏春)