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  私は,TOSS銀河TS代表の田村治男と申します。小学校の教師です。

  私たちのサークルTOSS銀河TSは,小学校の教師を中心としたサークルです。
  現在,サークル員は47名。北は久慈市から,南は一関市まで県内各地にサークル員がいます。
  教員だけではなく,講師の方も所属しています。

  TOSS銀河TSというサークルのもとには,子サークルが6つあります。
  県内どこでも教師修業ができるような環境が整っているサークルがTOSS銀河TSです。

  月に1回の割合で,子サークルでは例会と呼ばれる学習会を開きます。
  そこでは,子どもにわかりやすい授業や楽しい学級経営についての情報交換がおこなわれます。
  もちろん,「よりわかりやすい授業」「すべての子ができるようになる授業」の検討もおこなわれます。、

  教師という職業は,素晴らしい職業です。
  教え方次第で,目の前の子どもたちがどんどんできるようになっていきます。
  笑顔があふれ,「先生,ありがとう!」という言葉を言われます。
  教師の関わり方が的確であれば,感動のドラマが起こります。
  感動のドラマ…そう,だれもが経験したいと思う「輝くできごと」です。

  私たちのサークルでは「子どもTOSSデー」というイベントを企画運営しています。
  昨年,そこに小学校で跳び箱を一度も跳んだことがないという子どもがお母さんと一緒に参加しました。
  なんと5年間も跳んだことがないというのです。
  その子の表情は不安そうでした。お母さんの表情からも不安さがわかりました。
  それはそうでしょう。5年間も跳んだことがないのです。

  「跳び箱」講座が始まり,講師のサークル員が補助をします。
  「だいじょうぶだよ。必ず跳べるようになるよ」と笑顔で励ましながら補助をします。
  でも,その子は不安そうな表情を変えません。当然です。
  サークル員も少しばかり緊張します。
  「跳ばせられる」という自信があるものの,少しばかりの不安もあるからです。
  サークル員は,小さな段階に分けて教え始めます。

  やがて,数分後,その子の体が跳び箱の上で「ふわっ」と浮きました。
  一瞬,体育館が静かになります。
  参加者の視線がその子に集まります。
  そして着地。

  えっ,跳べた?
  異様な空気が体育館に流れます。
  なんと,数分で跳んでしまったのです。
  その子も,お母さんも信じられないといった表情です。
  跳んだ瞬間,スタッフである多くのサークル員から大きな拍手が飛び出しました。
  体育館は歓声と拍手でいっぱいになりました。

  「もう一度やってごらん」
  サークル員が笑顔で話すと,その子は黙ってスタートの場所に移動します。
  「よし!行こう!」
  その合図でその子は助走を始めます。

  「トン」と踏み切り板で両足をそろえ,手を跳び箱に着きます。
  「ふわっ」とその子の体が浮き上がり,そして着地。
  先ほどよりもきれいな姿勢で跳び,きれいな着地です。
  「わあっ!」
  また大きな歓声と大きな拍手が体育館に響き渡ります。

  その子は照れくさそうな笑顔を見せながらお母さんのところへ走って行きます。
  お母さんは「よかったね」という言葉の代わりに笑顔でその子を優しく包みます。
  会場中が笑顔で包まれます。
  本当に感動的な場面でした。
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