PTA会合あいさつ




        「21世紀を拓く人間性豊かで明るくたくましい子どもの育成」について

 皆さん、今日は。このたびの異動により本校にまいりました「中川有紀(なかがわ ありとし)」と申します。よろしくお御願いします。少し自己紹介をさせていただきます。
 私が牛深小学校に赴任したとき、校長先生が「名前から見て、今度来る先生はとつけむにゃ美人の先生ばい。と言っていたけどあたはほんなこて中川先生な」とおっしゃいました。「有紀」を「ゆき」と読まれてのことと思います。私はこの字を「ありとし」と読みます。立派な男性ですのでどうぞよろしく御願いします。
ところで、「PTAとかけて「破れたブラジャーととく」その心は「ちらりちらりと乳(父)が見えます」」とか、「PTAとかけて「金太郎あめととく」その心は「どこも同じ」」などとPTA活動を揶揄した言葉がありますが、七滝小学校PTAはこのような言葉には無縁ですね。本日もたくさんのお父さん方がお出ででうれしく思います。このPTA活動が子供達の健やかな成長に大きな力となります。
 今、社会は大きく変化しています。科学技術の進展によりこれまで人間の夢であったことが次々と現実のものとなり、社会の仕組みや社会生活も大きく変わってきました。子供の生活の変化もその一つです。子供が欲しいと思うものは何でも手に入る豊かな社会となり、子供から自発性ややる気を奪いました。子供の仕事である遊びも大きく変化しました。外で元気に遊ぶ姿や年齢の違う仲間どうしでの遊びが減ってきました。教育の在り方そのものも問い直されています。人が生涯を通じて学び、いつどこで学んだことでもそれが適正に評価される生涯学習社会を展望した学校教育の展開が迫られています。
 本校の子供達の生活状況について少しお話しします。
 子供達はそれぞれが1学年進級し、その自覚で生活にも張りが見られます。1年生は、初めての学校生活にもなれつつあります。「おはようございます」と元気のよい明るい挨拶ができる子供達、掃除をがんばる子供達(職員も子供と一緒に頑張っています)、きれいな声で歌う子供達ばかりです。学校での生活ぶりを家庭や地域でも実行できる子供に育って欲しいと願っています。
 平成9年度の本校の教育についてお話しします。本校教育目標は「21世紀を拓く人間性豊かで明るくたくましい子供の育成」です。目指す児童像に「明るく思いやりのある子ども」、「よく考え、工夫する子ども」、「人に頼らず最後まで頑張る子ども」を掲げました。「明るく思いやりのある子供」では、「よい行いに感銘し、間違った行いを憎む正義感」であるとか、「公正さを重んじる心や実践的態度」、「他人を思いやる心」、「生命や人権を尊重する心」、「美しいものに感動する心」、「ボランティア精神」などを育成したいものと思います。「よく考え、工夫する子供」では、「自ら課題を見つけ、主体的に学習する意欲や態度」、「自分にあった方法で主体的に学習する方法」、「社会の変化に主体的に対応できる生きる力」などを身に付けた「生涯学習社会を展望した子供の育成」に努めたいと思います。「人に頼らず最後まで頑張る子」では、「自分の力で自分なりの解決を図るために、困難にくじけず頑張る心」、「社会で許されないものは学校でも許されない」を基本に据えた学校の生活指導などに職員一同心を一つにして努力したいと思います。
 そこで、私たちは子どもから保護者から地域社会から信頼される学校、教師を目指しています。学校での子供の生活に関する情報、家庭での子どもの生活に関する情報を互いに交換し、同じ情報で同じ方向の指導を行い、子どもの成長を支援していきたいと思います。担任との緊密な連携をよろしく御願いします。また、子どもが信頼しない教師がいくら良いことを言っても子どもの指導に効果は上がりません。子どもの前での担任の品定めはご遠慮ください。
 家庭は、乳幼児期の親子の絆形成に始まり、家族との触れ合いを通して子どもの「生きる力」の基礎的資質や能力を育成する場であり、すべての教育の出発点です。次のようなことを是非家庭で身に付けさせてください。それは、「基本的な生活習慣・生活能力」であり、「豊かな情操」、「他人に対する思いやり」、「善悪の判断」、「社会的マナー」、「自制心や自立心」などです。これらは親子の共同体験で育まれることが大です。お忙しいことでしょうが、子どもと共に体験する機会を大いに増やしてください。そして、お父さんは正義感でありますとか卑怯を憎む心など強さを教えてください。
 子どもの教育は、学校・家庭・地域社会の連携協力なしにはなしえません。PTAは学校・家庭・地域社会連携の架け橋です。学校・家庭・地域社会との連携を軸に社会にたいして「開かれた学校」となり、家庭や地域社会とともに子どもを育てていく視点に立った学校運営を目指して職員一同頑張りますのでよろしくお願いいたします。




               「生命を大切にする態度や思いやりの心などを養いましょう」

 今年6月の梅雨空を「空梅雨を見かねて台風揃い踏み」と川柳で詠んでいました。
 7月を迎えても相変わらすの空梅雨で、田植え後の稲作をはじめとした農作物の生育はいかがでしょうか。
 さて、本日は日曜日ではございますが、1学期の授業参観、給食試食会、PTA全体会及びビーチボールバレー大会を計画しましたところ、たくさんの会員の皆様に御出席いただきましてまことにありがとうございました。
 子ども達も久しぶりの授業参観でちょっぴり緊張の中にも大喜びでございました。今回から、保護者の皆様にも授業の流れをお示ししました。子どもの学習ぶりはいかがでございましたか。
 1年生は見ちがえるように成長したと思われたことと思います。2年生は、お兄さん、お姉さんぶりを見せ始めていることに気付かれたことでしょう。3・4年生は、複式学級の学習にも慣れ、やんちゃの中にも落ち着きのある学習ができるようになりました。5年生は学習課題に対して、何とか自分で解決することはできないかと自力解決学習に取り組んでいます。6年生は最高学年として、児童会活動、部活動を先頭に立ってがんばるとともに、本校の特色でありますパソコンを駆使した学習ができています。
 ところで、神戸での小学校6年生土師淳君殺害の容疑者が中学3年生であったことは日本中の大人が震撼する出来事でありました。生命尊重と人権擁護の精神をこれまで以上に学校で、家庭で、地域で育んでいかねばならないと思ったのは私一人ではなかったと思います。子どもの心を揺さぶる同和教育、豊かな心を育む道徳教育の尚一層の充実を図らねばならないことを痛感しました。
 また、6月18日は通学途中の滝尾小学校の子どもの列に車が飛び込み7人が死傷する痛ましい事故が起きました。子どもには何の過失もないところでの防ぎようのない事故でしたが、より一層の交通安全教育の充実とともに通学路の安全点検が必要になっています。この2つの事件・事故を対岸のこととしないで自分の学校でも起こりうるとの観点から、後ほど係りから御願いをしますのでよろしく御願いします。
 私からは、ここ2ヶ月ほどで子どもの言動で気付いたことをお話しします。
1 ご飯を食べるとき「「いただきます」、「ごちそうさま」と言いますが、だれに言っているのですか」と尋ねたところ、「お父さんやお母さん」、「ご飯を作ってくれた人」、「食べ物そのもの」と言う声がたくさんありました。感謝の気持ちを大切にしたいものです。
2 校長室の掃除の子に、「家でもそうじするね」と尋ねると家でも掃除をしている子、そうでない子がいます。子どもも家族の一員です。「僕が、私がいないとこの家はまわらない」と家族の一員であることを実感できるよう仕事に責任を持たせたいものです。
3 職員室に子どもが用事で入ってきます。私が先生と話をしていたら、私の前をある子が手を差しだし、軽く会釈をして通るではありませんか。「今の態度はどこで誰が教えてくれたの」と尋ねると、「おうちで、いつも母が人の前を通るときはそのようにしなさいといいます」と答えました。今、このようなちょっとした心使いが薄れてきています。このようなことを家庭でもっともっと教えていきたいものです。
4 2年生の子が「雨蛙が死んだので、お墓を作ってください」と言いますので、穴を掘ってそこに雨蛙を埋めるとき「では雨蛙さんにさようならを言おうか」と言いますと、顔の前に手を合わせ目をつぶって「蛙さんさようなら」と言っていました。生命に対する畏敬の気持ちは誰もが持っています。動物の飼育や植物栽培を通して生命を大切にする態度や思いやりの心などを養っていきたいものです。
 最後に、先日御船町青少年健全育成町民会議七滝支部の役員さんとの懇談会を持ちました。そのなかでも、このようなことが話題となり、これまで以上に、学校・家庭・地域社会が一体となって子どもを育てていきましょうと皆さんで確かめあいました。
 学校・家庭・地域社会3者連携の架け橋は皆さんです。よろしく御願いします。
 登下校の途中、変質者などに会ったときなど、近くの人家に助けを求めて駆け込むことがあるかもしれません。そんなときに心から受け入れてもらうことなど皆さんからもよろしく御願いしていただきたいと思います。



     
                 「人生最初の教師は親である」

 平成9年度も残りわずかとなりました。子どもたちは元気に学年最後の仕上げに頑張っています。6年生は卒業という節目を迎えながらも浮き足立つこともなく、学校生活を送っています。
 本校でも2月中旬から下旬にかけインフルエンザが大流行し、1年生、3・4年生は学年閉鎖の措置をとりました。今年の風邪は症状が長引き5日も6日も欠席が続いた子もいました。学校で勉強したい、友達と遊びたい、先生の話を聞きたい、おいしい給食を食べたいなどの思いで、無理して学校に来た子もいました。こんな様子を見て、「これが子どもの気持ち」であり「親の願い」だと感じますと同時に、子どもの気持ちや親の期待に添うため、子供を預かっている学校としての責任を今更ながら痛感しました。登校してくる子どもたちが帰るときには、ランドセル一杯の土産を持たせて帰さなければならないと職員一同強く肝に銘じたものでした。
 ところで、最近の中学生の刃物による殺傷事件の頻発は憂慮に耐えません。10日には「人を傷つけること、命を奪うことは絶対許されない。前を向いて行動してくれることを切に願っている」という趣旨の町村文部大臣の緊急アピールがありました。
 私たちはこのような事件を対岸火事としないで、自分の子どものこととして真剣に受け止め、どのような子育てが必要かを互いに考えることであろうと思います。
 学校では、子どもが、友達や先生と共に学び合い活動する中で、自分がかけがえのない一人の人間として大切にされ、頼りにされていることを実感でき、存在感と自己実現の喜びを味わうことができるような教育活動の展開に努めていきます。
 家庭では、子どもの心を育てる取り組みを是非御願いします。「心」とは「正義感」、「卑怯を憎む心」、「報恩感謝の心」、「人を敬う心」、「向上する心」、「ルールを守る心」、「がまんする心」、「もったいないの心」、「謙虚な心」、「善悪の判断」、「倫理観」、「人を思いやる心」、「ありがたい心」、「感動する心」であり、「成し遂げたよろこび」、「克服したよろこび」、「恥ずかしいおもい」、「悔しいおもい」、「辛いおもい」、「悲しいおもい」、「腹が立つおもい」等を味わうことができる体験をたくさんさせてください。
 このような体験には「勤労体験」、「ボランティア等社会体験」、「人との触れ合い体験」、「自然の中での活動体験」等たくさんあります。これらの体験を家族で、子どもたち同士で積ませ、その過程を大切にしてください。いろんな体験を通して先ほど申しました豊かな「心」が子どもたちに育まれてきます。
 そして、お父さん方、子どもとの触れ合いの時間をなるべくたくさん持ってください。お父さんは「正義感」、「卑怯を憎む心」、「ルールを守る心」等精神的強さを理屈抜きで教えてやってください。詳しくは別紙を参考にして家庭の教育について考えて欲しいと思います。
 「人生最初の師は親である」と言われています。また、「一人の賢母は、百人の教師に勝る」という格言もございます。今こそ、家庭とはを考えるときだと思います。
 家庭とは、「家」に「心の庭」があることだと思います。「心の庭」とは、くつろぎの場、ほっとする場、ストレス解消の場である。それには、一家団欒の時を持ち、会話と笑いの絶えない家庭としようではありませんか。




                「家庭とは家に心の庭があること」

 最近の青少年の非行問題については、どなたも心を痛めていらっしゃることでしょう。
 昨年の神戸の中学生による児童殺傷事件、今年の栃木県における刃物での教師刺殺事件、警察官襲撃事件、友人と共謀しての実父殺害事件、女子中学生による高齢者殺害事件等々数え上げれば、こんなにまでと驚くほど中学生による事件が続いています。さらには、本町中学生の放火事件が新聞報道され、みなさんもショックを受けられたことでしょう。
 非行は、ある日突然起こるものではありません。その兆しや前触れがあります。その原因が小学校の時代にある場合もあります。小学校として、中学生の非行の問題を対岸の火事とは思っていません。小学校のこととして厳しく受け止め、小学校教育の一層の充実に努力しなければならないと、決意を新たにしているところでございます。
 今、非行の原因は家庭にある、いや学校教育に問題がある、社会が悪いから、政治が悪いからなどと色々議論されています。非行の原因の大もとがどこにあるか議論しているだけでよいでしょうか。議論している間にも子どもたちは成長しているのですから。端的に言えば、家庭、学校、地域社会の子どもたちの指導者である私たち大人がしっかりしなければならないと思います。
 それぞれが本来やるべき教育をきちっとすることこそ非行問題解決と、青少年の健全育成の鍵になると考えます。
 このような考えの元に、家庭と家庭教育、親のあり方について、少し考えてみたいと思います。
 家庭の教育について、柱になることとして次のことを考えています。
○心が安らぐ楽しい家庭を作る
○子どものリズムを整える
○自信を持って子どもを育てる
 この3つのことは当たり前のことですが、とても大切なことと思います。
 まず初めの「心の安らぐ楽しい家庭を作ること」は、ストレスの多い世の中です。大人である私たちがそうです。子どもはこれがストレスだとは意識しませんが、ストレスがたくさんあるはずです。大人はストレスの解消の仕方を知っています。子どもにはそれがありません。複雑で厳しい世の中だからこそ、大人にも子どもにも、ゆっくり心がくつろげる時と場、言い換えると心の安定が必要です。
 私たち教師から見ると子どもが朝起きたとき、今日も学校へ行ける、うれしいと思う学校、いつまでも残って遊んでいたい学校、これが子どもの心が安定する学校だと考えます。こういう学校でありたいと努めていますが、なんと言っても心の安らぐ場は「家庭」ではないでしょうか。
 「家庭」とは「家に心の庭」が在ることです。「心の庭」とはくつろぎの場であり、ほっとする場であり、ストレス解消の場です。子どもが楽しいと思う家庭、いやなことを忘れてしまう家庭、安心して何でも話せる家庭にしてください。それは会話と笑い、つまり一家団欒が必要です。このような家庭をつくってください。
 また、楽しく休まる家庭をつくるには、子どもの心の奥を思いやる心が大切ではないでしょうか。お子さんが寂しそうにしているとき、「何かあったの」とたずねると「別に」という答えが返ってくるかもしれません。そのとき「そう」と言いながらも、言葉に表せない、または表さないお子さんの心の底にあるものをくみ取ってあげてください。すぐにはわからないかもしれません。しかし、子どもの心の内を知ろうとする親の心遣いはお子さんの心に通じます。
 そして、お子さんの前で愚痴を言うこと、夫婦喧嘩は禁物です。この二つとも家庭の中を暗くします。子どもの心を不愉快にします。また、お子さんの前で、担任をはじめとした私たち教師の悪口を言わないでください。親と家庭と学校に失望します。担任に言いたいことは直接担任に話してください。その後で私や教頭に話をしてください。
 2番目の「生活のリズムを整える」こと。人間も生き物です。動物は、夜が明けると目覚め、日が沈むと眠りにおち、一定の時間がたつとおなかがすく。これは自然の摂理です。これが生活のリズムです。人間にも生活のリズムがあります。生活のリズムが乱れると体調をくずします。気分がイライラするもとになります。
 朝からあくびをする子どもが何人かいます。生活の様子をたずねてみますと、「夕べ、遅くまでテレビを見ていました。」、「朝寝坊して朝御飯を食べていません。」という答えがかえってくることがあります。
 どうか、起床、食事、就寝といった1日の生活の節目に当たることを大事にして、生活のリズムを整えてください。このことは、食事、身支度、挨拶など人間の生活の基本となる「しつけ」を確実に身に付ける基本になるものです。とりわけ、朝御飯をゆっくり、しっかり食べさせるようにしてください。極端に言うと、決まった時間に心のこもった朝食をとる。このことが1日の生活のリズムを整える基本になることではないでしょうか。また、このことが心の安定になることでもあります。
 第3に「親として自信を持ってお子さんを育てること。」子どもの育て方を大別すると、甘やかし、厳しすぎ、なんとかなるだろう、優しく厳しくの4つに分けられるそうです。私は、4番目の「優しく厳しく」が最も家庭教育で大事なことではないかと思います。「優しく厳しく」人間として良いことはほめ励まし、伸ばす。人間のためにならないことは厳しく戒める。これだと思います。
 学校では、子どもをほめる3基準として、@一生懸命取り組み、努力しているとき、A他人やみんなのために尽くしたとき、B良い考えを出しそれを実行したときを目安にしています。また、子どもを叱る3基準として、@人権を侵害する行動があったとき、A生命を損なう行為がみられたとき、B他人にひどい迷惑をかけたときとしています。このことは、世の中に出ても同じことだと思います。参考にしていただければと思います。
 人間が幸せになること、不幸になること、この物差しになるものは、皆さん一人一人によって決まってきます。ご両親が明るく正しく目当てを持って人生を生きることが大切になると思います。こういう生き方をしてこそ、自信を持ってお子さんにものが言えるでしょう。信念を持ってお子さんを育てることができるでしょう。
 お父さん、お母さんが家族と社会の幸せのために一生懸命頑張っている姿に子どもは心を動かします。理屈でなく心に響いてきます。
 最後に一つ付け加えます。
 お父さん方、子どもと過ごす時間をたくさん持ってください。そして、理屈抜きで正義感、卑怯を憎む心、報恩感謝の心、ルールを守る心、我慢する心、向上しようとする心など強さを教えてください。また、お父さんと仕事をしたり遊んだりする中で自然とこのようなことを子どもは感じ取るはずです。
 お母さん方、今晩のおかずからお父さんには1品多くしてください。子どもを思いっきり抱きしめ、頬ずりしてやってください。子どもの目を見て話をし、話を聴いてやってください。そして、人を思いやる心、感動する心、人を敬う心など優しさを教えてください。
 私が教師として子どもたちと泣いたり笑ったりしながら経験したこと、社会教育主事として各界、各層の方と意見交換をして学んだこと、私の家庭の子育てから学んだことなどをもとに偉そうなことを言いました。
 こんな家庭教育の見方もあると受け止め、皆さんのご家庭の教育の参考にしていただければ幸いです。
 学校は、職員一丸となって学校の果たすべき役割を果たすべく努力してまいります。
 子どもたちの健全育成を図るため、PTAが学校、家庭、地域社会連携の架け橋となる活動の推進を御願いします。
 子どもたちのためになる七滝小学校PTAにしていきましょう。




                「保護者から、地域から信頼される学校」

 皆さん、今日は。
 このたびの異動により御船町立七滝小学校から本校にまいりました「中川有紀(なかがわありとし)」と申します。よろしくお御願いします。
 少し自己紹介をさせていただきます。今から20数年前、私が牛深小学校に赴任したときのことです。そこの校長先生が次のようなことをおっしゃいました。「今度、とつけむにゃ美人の先生がくるばい。と先生たちに言っていたのです。あたはほんなこて中川先生な」とおっしゃいました。「有紀」を「ゆき」と読まれてのことと思います。私はこの字を「ありとし」と読みます。また、前任の七滝小学校でも「今度は女性校長がこらすばい」と話があっていたそうです。お見かけ通りの男性ですのでどうぞよろしく御願いします。
ところで、「PTAとかけて「金太郎あめととく」その心は「どこも同じ」などとPTA活動を揶揄した言葉がありますが、甲佐小学校PTAはこの言葉には無縁です。7日の運営委員会、14日の常任委員会で、そして、本日の総会でPTAの活動について熱心に討議いただきます。大変すばらしいことと思います。この熱心なPTA活動が子供達の健やかな成長の大きな力となります。
 今、社会は大きく変化しています。科学技術の進展によりこれまで人間の夢であったことが次々と現実のものとなり、社会の仕組みや社会生活も大きく変わってきました。子供の生活の変化もその一つです。子供がほしいものは何でも手に入る豊かな社会となりました。
 一方、この豊かさが子供から自発性ややる気を奪いつつあります。子供の仕事である遊びも大きく変化しました。外で元気に遊ぶ姿や年齢の違う仲間どうしでの群遊びが減ってきました。教育の在り方そのものも問い直されています。人が生涯を通じて学び、いつどこで学んだことでもそれが適正に評価される生涯学習社会を展望した学校教育の展開が迫られています。このような時代であるからこそ、学校と、家庭、地域が絆を深め、互いに信頼し合って子どもの育成に取り組む必要があると思います。
 私たちは子どもから、保護者から、地域社会から信頼される学校、教師を目指しています。学校での子供の生活に関する情報、家庭での情報を互いに交換し、同じ方向性をもって指導にあたり、子供の成長を支援していきたいと思います。担任との緊密な連携をよろしく御願いします。
 そこで、本校の子供達の生活状況について少しお話しします。子供達はそれぞれが1学年進級し、その自覚で生活にも張りが見られます。1年生は、初めての学校生活にもなれつつあります。「学校は楽しいですか。」と問うと、「校長先生、楽しいよ。」との声がかえってきます。また、「おはようございます」と元気のよい明るい挨拶ができる子ども達、掃除をがんばる子ども達(職員も一緒に頑張っています)、意欲的に学習に取り組んでいる子ども達です。
 平成11年度の本校の教育についてお話しします。本校教育目標は「人間尊重の精神を基盤とし、心豊かな人格の形成を目指すと共に、知・徳・体の調和のとれた心身共に健やかな児童を育てる」です。目指す児童像に「仲良く助け合い、人を大切にする子ども」、「進んで学び、よくがんばる子ども」、「正しく、明るい、元気な子ども」を掲げました。
 「仲良く助け合い、人を大切にする子ども」では、熊本の心「助け合い、励まし合い、志し高く」を基底におき、「自他の生命や人権を尊重する心」、「他人を思いやる心」、「などを育成したいものと思います。
 「進んで学び、よくがんばる子ども」では、「自ら課題を見つけ、主体的に学習する意欲や態度」、「自分にあった方法で主体的に学習する方法」、「社会の変化に主体的に対応できる生きる力」、「自分の力で自分なりの解決を図るために、困難にくじけず頑張る心」、「ボランティア精神」などを身に付けた「生涯学習社会を展望した子供の育成」に努めたいと思います。
 「正しく、明るい、元気な子ども」では、「公正さを重んじる心や実践的態度」、「よい行いに感銘し、間違った行いを憎む正義感」であるとか、「美しいものに感動する心」、「社会で許されないものは学校でも許されない」を基本に据えた指導に努めたいと思います。
 甲佐小学校249人の子どもの健やかな成長を願い、20人の職員一丸となり、教育活動には闘志を燃やして当たり、子どもの思いや願いを大切にしながら甲佐小学校249人の子どもすべてが心豊かでたくましい人間になりますよう支援してまいる所存です。
 PTAは学校・家庭・地域社会連携の架け橋といわれています。学校と家庭、地域社会がともに手を携えて子供を育てていく視点に立った学校運営を目指して職員一同頑張りますのでよろしくご支援・ご協力のほどお願いいたします。



    
           「正義感や倫理観、思いやりの心など豊かな人間性をはぐみましょう」

 皆さん、こんにちは。
 1学期は、児童会の役員が中心となって挨拶運動に取り組んでいます。毎朝、正門と公民館前で、元気な挨拶が聞こえてきます。交通安全協会員の方から、駐在所の方から、地域のお年寄りの方などから、「元気で明るい声での挨拶は気持ちがよいですね」の言葉をいただいています。この挨拶運動が家庭でも、地域でも定着できればと願っています。
 また、「丁寧な言葉使い」を指導しています。こちらはまだまだできませんが、丁寧な言葉で話をしようとの気持ちは伝わってきます。「校長先生、髪切ったねではなかった。校長先生、髪切りましたね。」と言い直す子どもが増えてきました。もうすぐ、子どもにとって楽しい夏休みです。家庭で、地域で、お客さんや大人に対して丁寧な言葉で話が出きるよう、ご指導ください。
 みなさんご承知のように平成14年度から新しい学習指導要領が施行されます。その目玉は、「ゆとり」と「生きる力」です。子どもの生活にゆとりを持たせ、じっくりと学習に取り組むために、学習内容を基礎・基本に絞り、子どもが自ら課題を見つけ、自分で学び、自分で考え、よりよい課題解決をはかる力、つまり「生きる力」をはぐくむことが大きな目標とされています。また、平成14年度からは学校完全週5日制となります。
 今、学校ではこのような教育改革の動きを視野に入れた学習活動を追い求めているところです。
 みなさんのお手元にお配りしていますものは、中央教育審議会が「幼児期からの心の教育の在り方」について、文部大臣に提言した第1章「未来に向けてもう1度我々の足下を見直そう」の中の「生きる力を身につけ、新しい時代を切り拓く積極的な心を育てよう」と「正義感・倫理観や思いやりの心など豊かな心をはぐくもう」の答申文と「日本・アメリカ・中国の高校生の規範意識の比較」のグラフです。
 グラフからは、我が国の高校生の傾向として、先生に反抗すること、親に反抗すること、学校をずる休みすること、売春など性を売り物にすること、人を脅して金品を取ることなどを「本人の自由でよい」と考える者が多いようです。みなさんは、このグラフをみてどんなことを考えられましたでしょうか。今後の家庭教育の参考にしていただければと思います。
 次に、答申文の(2)正義感・倫理観や思いやりの心など豊かな人間性をはぐくもうの枠囲みをご覧ください。
 子どもたちが身につけるべき「生きる力」の核となる豊かな人間性とは
  @ 美しいものや自然に感動する心などの柔らかな感性
  A 正義感や公正さを重んじる心
  B 生命を大切にし、人権を尊重する心などの基本的な倫理観
  C 他人を思いやる心や社会貢献の精神
  D 自立心、自己抑制力、責任感
  E 他者との共生や異質なものへの寛容
をあげています。
これらの人間性は、学校だけでは、家庭だけでは、はぐくむことはできません。これこそ、学校・家庭・地域社会が協力してはじめてはぐくむことのできる人間性であると考えます。
 このような視点から、今年の夏休みは子どもたちが家族や地域の人々とふれあい、自然とふれあい、甲佐町の歴史とふれあうなどの多くの体験を通して豊かな人間性をはぐくみますよう期待しまして、ご挨拶とします。



 
                 「心豊かな子どもに」

 寒さも厳しく、年末でお忙しいところ、授業参観に多数御出席いただきありがとうございます。子どもたちも自分の勉強ぶりをお父さん、お母さんに観てもらえる喜びで今日の日を待ち望んでいました。
 本日は、人が人として生きる生き方に関する同和教育、性教育、家庭教育についてお話しします。
 12月4日から世界人権週間が始まり、10日が世界人権デーです。
 次の詩をお聞きください。

     人の値打ち
 何時かもんぺをはいてバスに乗ったら隣座席の人は私をおばさんと呼んだ
 戦争中よくはいたこの活動的なものをどうやらこの人は年寄りの着物と思っているらしい
 よそ行きの着物に羽織を着て汽車に乗ったら人は私を奥さんと呼んだ
 どうやら人の値打ちは着物で決まるらしい
 講演がある
 何々大学の先生だといえば内容が悪くとも人は耳をすませて聴き良かったという
 どうやら人の値打ちは肩書きで決まるらしい
 名もない人の講演には人はそわそわと帰りを急ぐどうやら人の値打ちは学歴で決まるらしい
 立派な家の娘さんが部落にお嫁に来る 
 でも産まれた子どもはやっぱり部落の子だと言われる
 どうやら人の値打ちは生まれたところによって決まるらしい
 人はいつこのあやまちに気付くであろうか

 作者は痛烈に私たちのものの考え方の間違いを指弾しています。
 私たちの回りには、部落差別を始めさまざまな差別があります。これを氷山に例えるなら、海面上に現れている氷山は、差別の一現象です。海面下に「差別意識」、「予断」、「偏見」などの「人権意識の希薄さ」が隠れています。「この人権意識の薄さ」の氷の塊を溶かすため、周りの海水の温度を上げる学習、人としての生き方、在り方を常に追い求める同和問題についての学習を積み重ねてまいりましょう。
 つぎは、性教育についてお話しします。
 今、本校では性教育週間を設定して性教育に取り組んでいます。
 性に関する情報の氾濫、性の乱れや性的問題行動が増加しています。このような現実をまえに、適切な性教育の実施が望まれています。
 本校では、人間教育の一環として性教育を捉えるとともに、単に性に関する知識の伝達や性的規範を知らせるだけでなく、子どもの人間形成の過程を通して、生命尊重の精神や人間としての生き方を学ばせるとともに、男女が協力して思いやりのあるよりよい人間関係の在り方についても学習します。
 詳しい学習内容については、本日の授業や懇談会で話題になったことと思いますので、ここでは、ある子どもの作文を紹介して、子どもの質問にどう対応したらよいかをお考え願います。
 「僕は、家に帰って、お父さんとお母さんに「ねえねえ、性交を2回ぐらいしかしていない?」と聞いた。すると、「何言っているの。変なことばかり言って」と言われた。「僕は兄弟が二人なのでそう聞いたんだけど、二人は顔を赤くして困っていた。僕はどうしてなのか、不思議に思った。」
 こんな質問が子どもからあった場合、この作文のように頭越しに「何言っているの」と叱りますか。そうではなく、どうしてそんな質問をしてきたのかを問い返してください。そして、学校でどんなことを学んでいるのか、何が知りたいのかを確かめた上で、お父さんお母さんから性に関することを教えてください。小学校の段階での性教育は「僕の、私の命は、お父さんとお母さんから受け継いでいる大切なもの」という視点に立っています。
 この観点から子どもの疑問に答えてください。よろしく御願いします。
 最後に、家庭教育についてお話しします。講演会などでよく聞く言葉に「豊かな心をもった子どもの育成」があります。豊かな心とは、どんな心でしょうか。私は次のような心を持った子どもになって欲しいと願っています。
 卑怯を憎む心、報恩感謝の心、人を敬う心、向上しようとする心、社会のきまりを守る心、我慢する心、もったいないと思う心、謙虚な心、人を思いやる心、ありがたいと思う心、感動する心、共に生きる心、正義感、自尊感情などなど。「心」には精神的強さと優しさがあります。これらの心を学校でもいろんな場面で育てています。家庭でもある時は理屈抜きで教えて欲しいのです。そして、家庭が心の安らぐ場、心のストレスを解消する場、心を開く場である、子どもの居場所つくり、子どもが自己存在感を実感する場つくりをお願いします。
 もうすぐ子どもたちが楽しみにしている冬休みです。今、お話ししましたことを頭の片隅において子どもを見守っていただきたいと思います。
 おわりに、皆さん方の学校教育に対するご理解とご協力に感謝しましてごあいさつとします。




                「親にしかできないこと」

 2月下旬から3月上旬にかけて、本校ではインフルエンザが猛威をふるい、1年1組、2年生、3年生が学級閉鎖をしました。この影響で、2月29日に予定していました総会も今日まで延期してしまいました。皆様方には大変ご迷惑をおかけしました。
 あちこちの庭先には、チンチョウゲの花が咲き、かぐわしい香りを放ち、春を告げています。子どもたちは、小学校卒業、学年修了を間近に、最後のまとめにがんばっています。
 本日はこの後、学習発表会を予定しています。子どもたちの学習の成果をご覧ください。
 さて、この年になりますと、結婚式や法事などに列席する機会が多くなります。隣の人と名刺交換をして話がはずむことがよくあります。そのようなとき、決まって聞かれることは「学校の先生ですか。今の子は私たちの頃とどう違いますか。」です。新聞テレビで取り上げられる青少年の問題行動だなと察しられます。
 「私たちの子どもの頃と遊びや興味は違います。しかし、純真で優しく素直な子ですよ。」と、本校での子どもたちの生活の様子を思い浮かべながら、そして生徒指導に努力している先生たちを思い浮かべながら答えています。
 新聞に青少年非行の記事が載らない日はないように連日青少年の犯罪が報道されています。これまでは想像もしなかったことが現実に起きています。でも、毎日の学校生活で子どもに接している限り、純真で優しく、すなおな子どもたちばかりです。この思いは、私ばかりではありません。多くの先生や保護者の皆様の目にもこのように写っています。この純真で優しく、素直な子がある日突然、原因もよくつかめないうちに非行や問題行動を起こすのが今日的現象といわれています。
 少し質問します。心の中で答えてください。
 お子さんが非行化する心配があると思いますか。
 1 絶対ないと思う。
 2 ほとんどないと思う。
 3 ひょっとするとそのおそれがある。
 4 非行化の心配がある。
 5 わからない。
 我が子が問題を起こす、非行に走る。そのときになって「大変だ」と悪より徹底的に離れさせようと思っても、親の気持ちは子に通じません。親と子が毎日の生活の中で、小さなことでも真剣になってやったことの積み重ねが子どもの心に伝わります。
 学校や地域では指導できない、家庭でしか指導できないものを考えてみる必要があります。「しつけや基本的生活習慣の定着は家庭で」とはよく言われることです。親子でしかできない、家庭でしかできないことを是非作り上げてください。
 先生方に頼んで昨夜のテレビ視聴の様子を調べてもらいました。結果は次の通りです。
 3年生以上の子どもです。
 全く見なかった   1人
 約1時間程度見た  55人
 約2時間程度見た  45人
 約3時間程度見た  42人
 約4時間程度見た  13人
 約5時間程度見た   1人
 そして、12時までテレビを見ていた子や、2時まで起きていた子がいました。昨日尋ねた子どもの中には3時半まで見ていたという子もいました。
 どう思われますか。
 話は変わりますが食堂で親子づれで食事をしている光景をよく見かけます。ごちそうが多すぎてか、デザートを食べたいためか残す子を見かけます。食事を残すにはいろいろ考えがあります。自分の体に適量をいただくというのに一理あります。近頃、残すことに抵抗を感じない方が多くなったようです。注文して運ばれてきたのだから全部いただくこれが1番よいことです。でも、それが子どもに無理なら残りを親がいただく。私は小学生、特に低学年では、これが非常に効果的な親にしかできない教育であると思います。一つには食事の基本的生活習慣を作り上げることであり、二つには親が子の行動に責任を果たすということです。「自分が食べきれなかったものを親が食べてくれた。」子どもの心には何らかの形で残ると思います。これが大きな教育効果を生み出します。
 親がなすべきこと、親にしかできないことは他にもたくさんあると思います。テレビ視聴の指導も親にしかできない現場指導の一つでしょう。是非、それぞれの家庭でそれを発見し、実行に移してみられたらいかがでしょうか。
 説教めいたことを申しましたが、本日は午後半日、子供とともにお楽しみください。



    
             「益城中央小の教育目標」

 皆さん、今日は。
 このたびの異動により甲佐小学校からまいりました「中川有紀(なかがわありとし)」と申します。よろしくお御願いします。
ところで、「PTAとかけて「金太郎あめととく」その心は「どこも同じ」などとPTA活動を揶揄した言葉がありますが、益城中央小学校PTAはこの言葉には無縁です。12日の運営委員会、そして、本日の総会でPTAの活動について熱心に討議いただきます。大変すばらしいことと思います。この熱心なPTA活動が子ども達の健やかな成長の大きな力となります。
 今、社会は大きく変化しています。科学技術の進展によりこれまで人間の夢であったことが次々と現実のものとなり、社会の仕組みや社会生活も大きく変わってきました。子どもの生活の変化もその一つです。子どもがほしいものは何でも手に入る豊かな社会となりました。
 一方、この豊かさが子どもから自発性ややる気を奪いつつあります。子どもの遊びも大きく変化しました。外で元気に遊ぶ姿や年齢の違う仲間どうしでの群遊びが減ってきました。教育の在り方そのものも問い直されています。一定の知識を伝える学校から、子どもたちが自ら学び自ら考える教育、つまり生きる知恵を育てる学校への転換が求められています。このような時代であるからこそ、学校と、家庭、地域が絆を深め、互いに信頼し合い、子どもの指導に取り組む必要があると思います。
 さて、子どもたちに「学校は楽しいですか。」と問うと、「校長先生、楽しいよ。」との声がかえってきます。本校の子どもたちは「おはようございます」と元気のよい明るい挨拶ができます。掃除をがんばります(職員も一緒に頑張っています)。意欲的に学習に取り組みます。休み時間は運動場で元気に遊んでいます。みんなすばらしい子どもです。
 そこで、平成13年度の教育目標についてお話しします。校長室便り第3号でお知らせしましたのでお読みのことと思います。目標に「人間尊重の精神を基盤とし、人間性豊かな人格の形成を目指します」を掲げました。このため、知育・徳育・体育の調和がとれた、社会性を身に付けた心身共に健やかな児童を育てます。校訓は「すすんで なかよく たくましく」です。
 この目標に迫るため、
  @教師と子ども、子どもと子どもが共に生き、共に育ちあう教育を推進します。
  Aすすんで学び合い確かな知性を育みます。
  Bなかよく触れ合い豊かな人間性を育みます。
  C鍛え合いたくましい心身を育みます。
 めざす児童像は、
  @よく考え、進んで勉強する子ども
  A心豊かで、思いやりのある素直な子ども
  B互いに協力し、ねばり強くがんばる子ども
 です。
 「よく考え、進んで勉強する子ども」では、「自ら課題を見つけ、主体的に学習する意欲や態度」、「自分にあった方法で主体的に学習する方法」、「自分の力で自分なりの解決を図るために、困難にくじけず頑張る心」などを身に付けた子どもの育成に努めたいと思います。
 「心豊かで、思いやりのある素直な子ども」では、熊本の心「助け合い、励まし合い、志し高く」を基底におき、「自他の生命や人権を尊重する心」、「他人を思いやる心」などを育成したいと思います。
 「互いに協力し、ねばり強くがんばる子ども」では、「やる気、元気、根気」をモットーに指導したいと思っています。
 さらに、「間違った行いを憎む正義感」、「美しいものに感動する心」、「社会で許されないものは学校でも許されない」など社会生活を営む上で必要な資質についての指導に努めたいと思います。
 この1年、子どもには「自分の力で」または「自分で」を求め、私たち教師や保護者は「手を離して、目を離さずに」を教育指導のキーワードとして益城中央小学校の子どもたちの健やかな成長を支援して参りたいと思います。
 私たちは子どもからも保護者からも地域社会からも信頼される学校、教師を目指してがんばります。学校や家庭での子どもの生活に関する情報を互いに交換し、同じ情報で同じ方向性をもって時には厳しく、時には優しく指導を行い、子どもの成長を支援していきたいと思います。担任との緊密な連携をよろしく御願いします。子どもが信頼しない教師がいくら指導しても子どもへの教育効果は上がりません。子どもの前での担任の品定めはご遠慮ください。
 家庭は、乳幼児期の親子の絆形成に始まり、家族との触れ合いを通して子どもの「生きる力」の基礎的資質や能力を育成する場であり、すべての教育の出発点です。次のようなことを是非家庭で身に付けさせてください。早寝早起きなどの基本的生活習慣、大きな声でのあいさつや礼儀、善悪の判断、感謝の心、卑怯を憎む心、他を思いやる心、がまんする心などです。これらは親子の共同体験で育まれることが大です。お忙しいことでしょうが、子どもと共に体験する機会を大いに増やしてください。特に、父親の子育て参加をお願いします。
 学校・家庭・地域社会とともに子どもを育てていく視点に立った学校運営を目指して職員一同頑張りますのでよろしくお願いいたします。
 最後に、校長室ドアーはいつも開けています。学校の近くにお出でたとき、雨が降り出して傘などを持っておいでたときなど気軽においでください。皆さんとお話しすることを楽しみにしています。




             「生きる力をはぐくみましょう」

 1学期は、児童会執行部の子どもたちが中心となって挨拶運動に取り組んでいます。また、PTAの生活指導部の方が毎月初めに挨拶運動に取り組んでいただいています。毎朝、校門前で元気な挨拶が聞こえてきます。帽子をとってのあいさつもできるようになりました。地域の方などから、「元気で明るい声での挨拶は気持ちがよいですね。」の言葉をいただいています。この挨拶運動が家庭でも、地域でも定着できればと願っています。
 また、「丁寧な言葉使い」を指導しています。こちらはまだまだできませんが、丁寧な言葉で話をしようとの気持ちは伝わってきます。「校長先生、髪切ったね。」ではなかった。「校長先生、髪切りましたね。」と言い直す子どもが増えてきました。もうすぐ、子どもにとって楽しい夏休みです。家庭で、地域で、お客さんや大人に対して丁寧な言葉で話が出きるようご指導ください。
 少し、私語が多いようです。集会時中央小学校の子どもに私語はありません。私や先生方の話を目で聴き、耳で聴き、心で受け止めます。私は一生懸命話します。皆さんも一生懸命聴いてください。
 ところで、みなさんご承知のように来年度から新しい学習指導要領が施行されます。その目玉は「生きる力」です。「生きる力」についてはそれぞれ思いがあること思います。18世紀のフランスの哲学者J・Jルソーはエミールという著書の中で「世の中には自分の子どもを保護することばかり考えている者があるが、それでは十分とはいえない。だんだん成長していけば、自分で自分を保護するように育てなければならない。どんな運命に痛めつけられようともどんな貧乏にも耐えてゆける、必要とあればアイスランドの氷の中でも、あるいはまたマルタ島の焼け付くような岩の上でも、それに耐えてゆけるような人間に育てなければならない。」と言っています。これこそまさに「生きる力」です。この生きる力について少し時間をいただいて4点お話ししたいと思います。
 第1は「豊かな心」についてです。みなさんのお手元にお配りしていますものは、中央教育審議会が文部大臣に提言した「幼児期からの心の教育の在り方」についての答申文に添えてある資料の一部です。「日本・アメリカ・中国の高校生の規範意識の比較」のグラフを見てください。
 グラフからは、我が国の高校生の傾向として、先生に反抗すること、親に反抗すること、学校をずる休みすること、売春など性を売り物にすること、人を脅して金品を取ることなどを「本人の自由でよい」と考える者が多いようです。みなさんは、このグラフをみてどんなことを考えられましたでしょうか。今後の家庭教育の参考にしていただければと思います。
 子どもたちが身につけるべき「生きる力」の核となる豊かな人間性について@美しいものや自然に感動する心などの柔らかな感性、A正義感や公正さを重んじる心、B生命を大切にし、人権を尊重する心などの基本的な倫理観、C他人を思いやる心や社会貢献の精神、D自立心、自己抑制力、責任感、E他者との共生や異質なものへの寛容をあげています。これらの人間性は、学校だけでは、あるいは家庭だけでは、はぐくむことはできません。これこそ、学校・家庭・地域社会が協力して初めてはぐくむことのできる人間性であると考えます。
 第2は「基礎基本を大切にした学力」についてです。学力の基礎は読み・書き・計算、そして学ぶ意欲・方法、そして表現する力だと思います。このことから今年の本校の研究は国語に絞っています。朝自習も学校である程度統一しました。読書、視写、音読を全校一斉にするのです。昔から「読書百遍意自ずから通ず」という言葉があります。音読は学習の基礎です。声を出して本を読む練習をさせてください。国語の教科書ばかりでなく、算数の問題でもいいです。社会や理科の教科書でもいいのです。そして時には声を変えて読ませてみてください。毎日聞いてあげてください。その時、ほめ言葉を必ずかけてください。算数の計算練習も繰り返し繰り返しさせて欲しいと思います。鍛えることを今年の目標にしています。
 第3は生活指導について。学校では「自分の命は自分で守る」「社会で許されないことは学校でも許されない」「手を離して、目は離さずに」をキーワードに生徒指導に取り組んでいます。
 この「自分の命は自分で守る」は、毎日の生活の中でもいえることです。今日のような雨の日、子どもは傘をさして登校するなかで、少しでも濡れない傘のさし方を工夫し傘のさし方を学びます。朝起きが苦手の子どもも、毎日一定の時刻に起こすことによって体内時計がリズムを覚え早寝早起きの習慣ができます。朝早く起きるには夜早く休むようになります。おかずの好き嫌いも、それを食べないと食べるものがないなら食べるようになります。空腹には勝てませんから。
今朝は子どもが登校する頃大雨が降りました。市の後地区は一端家を出たものの雨足が強かったので引き返して様子を見たそうです。川内田地区では崖崩れ等の心配から途中まで車で送り、子どもたちはそこから歩いて登校したそうです。これが大人がとるべき支援ではないでしょうか。学校まで車で送る必要はありません。もちろん、身体の具合が悪かったり、ケガをしていたりなどの場合はこの限りではありません。そのような時は学校の中まで送ってください。道路では子どもを降ろさないでください。子どもにとっても他の車にとっても危険です。
 昨日、町の生徒指導連絡協議会がありました。高校の先生が高校の現状を話してくださいました。驚くことは高校生の携帯電話所持とその使い方です。保護者は子どもとの連絡を取りやすいように子どもに携帯電話を買い与えているそうです。子どもはその目的外のことに使っているのです。私は仕組みはわかりませんが、メール交換による出会い系サイトの殺人事件など新たな犯罪が発生しています。そのようなものに巻き込まれないとも限りません。また、喫煙が多いとのことです。それも女子に多いと聞きました。どの子も小学生時代はあどけない子ばかりであったと思います。茶髪も多いと聞きました。大人の茶髪と子どもの茶髪は意味が違うのです。子どもの茶髪や服装の乱れは望ましい自己顕示欲とは違った方向に行くのです。心が学校から遠ざかるのです。集団としての秩序が乱れ始めるのです。だから中学・高校では厳しく指導するのです。このことを念頭に子どもの指導をお願いします。また、地区懇談会で多く出ましたのが、校区外への自転車による遠出であり、カードの交換、エアガン遊びです。郡内でエアガン遊びにより長期入院、視力低下という事故が起きたところもあるようです。子どもの行動に目を向けておいてください。「よそはよそ、内は内」という毅然とした態度も必要ではないでしょうか。
 第4は「学校の安全管理」についてです。大阪池田小学校での多数の児童殺傷事件はまことに痛ましい事件でした。あのような事件が本校で起こったらどうするかを職員で考えました。PTA役員会でも検討いただきました。教育委員会でも検討いただきました。そしてできるところから改善していくことにしました。第1は校門、通用門に門扉を設置していただくようになったことです。夏休み明けまでには設置できるものと思います。そこで、土・日曜日も車の乗り入れができなくなります。車で来る時はテニスコート脇の駐車場に止めて来校してください。第2は各教室に防犯ブザーを設置するようになりました。第3は学校では出入りの業者の方に来校許可証を発行し、それを胸にして来校してもらっています。保護者の皆様には、保護者カードを配付したいと考え今準備しています。これから学校に来校される時は保護者カードを胸に付け来校ください。これは私たち職員も、保護者の皆様にも安全に関する危機意識を持っていただくためのものです。カードがない人はどうするか、保護者が二人で来校する時はどうするかなど派生的な問題をどうこうするきまりではありません。ここのところをご理解いただき、努めてカードを胸に来校いただきたいと思います。
 終わりに、私の夏休みの苦い思い出を紹介します。私は「つくつくぼうし」の鳴き声を聞くと小学生時代の苦い思い出が浮かびます。それは、休みが始まってしばらくはきちんと学習していたのですが、いつの間にか学習を全くせず、遊びに夢中になっていつの間にか8月31日を迎えたのです。ちょうどその日は前日に雨が降って農家では午後から「うりよけ」といって久しぶりの雨を喜び、体の休養のために地区全部が農休日としていた日でした。母が「有紀、夏休みの宿題は終わったかい。持ってきてみ。」と言いました。私は宿題はほとんどしていません。母は「宿題はきちんと済ませなさい。」とそれだけ言いました。夏休みの友やら工作などは直ぐにできました。できないのが日記です。30数日分の日記はそんな簡単にできるものではありません。私は泣きながら書きました。母が偉かったのは「もうよかたい。できたしこたい。」とも「適当に書くたい。」とも言わなかったことです。天気はわかりませんので書きませんでしたが、ツクツクボウシの声を聞きながら、泣きながら夜遅くまでかかって仕上げました。ですからツクツクボウシの鳴き声を聞くといつもこのことを思い出します。もう80歳に近い母ですが、母も私を見ては含み笑いをします。
 このような苦い思い出があるのを知ってか知らずか、夏休みの過ごし方についてに「8月31日がゆったりと過ごせるよう計画に沿って実行する」とあります。
 どうかこの夏休みが保護者の皆様にとりましても子どもたちにとりましても健康・安全に留意して有意義な休みとなりますよう期待しまして、ご挨拶とします。 




                  「ピグマリオン効果」

 校庭の楠の若葉が萌えるような新緑を見せています。春真っ盛りです。子どもたちも春の陽気にさそわれて元気に登校し、元気に勉強や運動に取り組んでいます。一年生も学校生活になれ、力一杯頑張っています。
 楠の若葉が新緑を見せると、運動場は落ち葉がいっぱいになります。この落ち葉を毎朝、4年生の子どもたちが先生と一緒に掃除を始めました。また、6年生の児童会執行部の子どもたちは、箒で掃き掃除を始めています。自発的にしていることです。とてもすばらしい光景です。朝の出勤途中などに立ち寄って子どもの様子を眺めてください。
 また、子どもたちは毎朝登校班で登校していますが、登校班の班長さんが1年生に「あいさつは帽子をとってするんだよ。」と動作をまじえて指導しています。その結果、わずか1週間ではありますが、1年生の大半の子どもたちが帽子をとって挨拶ができるようになりました。私は、これが子ども同士の教え合い、学びあいだと思います。本校では、1学期だけ登校班で登校し、2・3学期は自由登校となっていますが、このように登校班で登校することのよさがたくさんあります。どうか、この1年、登校班での登校のよさを探し続けて、登校班での通年登校の是非を考えておいて欲しいと思います。
 さて、子どもたちに「学校は楽しいですか。」と問うと、「校長先生、楽しいよ。」との声がかえってきます。意欲的に学習に取り組みます。休み時間は運動場で元気に遊んでいます。みんなすばらしい子どもたちです。
 このすばらしい子どもたち、532人の健やかな成長を願い、35人の職員が一丸となり、子どもや保護者の皆様の思いや願いを大切にしながら、確かな学力を身につけ、優しさと強さをもった心豊かな子どもの育成に努めてまいる所存です。
 そこで、平成14年度の教育目標についてお話しします。校長室便りでお知らせしましたのでお読みのことと思います。目標に「人間尊重の精神を基盤とし、人間性豊かな人格の形成を目指します。」を掲げました。このため、知育・徳育・体育の調和がとれた、社会性を身に付けた心身共に健やかな児童を育てます。校訓は「すすんで なかよく たくましく」です。
 この目標に迫るため、@教師と子ども、子どもと子どもが共に生き、共に育ちあう教育を推進します。Aすすんで学び合い確かな知性を育みます。Bなかよく触れ合い豊かな人間性を育みます。C鍛え合いたくましい心身を育みます。
 めざす児童像は、@よく考え、進んで勉強する子ども、A心豊かで、思いやりのある素直な子ども、B互いに協力し、ねばり強くがんばる子どもです。
 「よく考え、進んで勉強する子ども」では、「自ら課題を見つけ、主体的に学習する意欲や態度」、「自分にあった方法で主体的に学習する方法」、「自分の力で自分なりの解決を図るために、困難にくじけず頑張る心」などを身に付けた子どもの育成に努めたいと思います。
 「心豊かで、思いやりのある素直な子ども」では、熊本の心「助け合い、励まし合い、志し高く」を基底におき、「自他の生命や人権を尊重する心」、「他人を思いやる心」などを育成したいと思います。
 「互いに協力し、ねばり強くがんばる子ども」では、「やる気、元気、根気」をモットーに指導したいと思っています。
 どうぞ、子どもたちが健やかに育ちますよう各ご家庭でも「すすんで なかよく たくましく」を念頭にご指導ください。
 さらに、「間違った行いを憎む正義感」、「美しいものに感動する心」、「社会で許されないものは学校でも許されない」など社会生活を営む上で必要な資質についての指導に努めていきます。
 本年度は、この目標にせまる体制も整いました。益城町長、益城町議会、そして益城町教育委員会の教育にかける熱い思いから、「いきいき益城っ子支援事業」といって、町内の全小学校1年生全学級に担任補助職員が配置されました。本校にも2人の先生がおいでになり、総勢35人で指導に当たります。私はこれからのあらゆる教育活動、そして一人一人の日々の生活には「生涯学習の視点と人権尊重の視点」はなくてはならないものと思っています。そこで、この「生涯学習及び人権尊重の視点」を常に持ち続け、子どもの指導に当たります。
 算数の授業については、全学級二人で指導に当たります。また、4・5・6年生は輝きタイムと称して、水曜日の5時間目に全職員で国語と算数を少人数に分けて指導に当たる計画です。きめ細かな指導、個に応じた指導、基礎・基本の繰り返し学習により学力充実を目指します。
 この1年、子どもには「自分の力で」または「自分で」を求め、私たち教師や保護者は「手を離して、目を離さずに」を教育指導のキーワードとして益城中央小学校の子どもたちの健やかな成長を支援して参りたいと思います。
 私たちは子どもからも保護者からも地域社会からも信頼される学校、教師を目指してがんばります。学校や家庭での子どもの生活に関する情報を互いに交換し、同じ情報で同じ方向性をもって時には厳しく、時には優しく指導を行い、子どもの成長を支援していきたいと思います。担任との緊密な連携をよろしく御願いします。子どもが信頼しない教師がいくら指導しても子どもへの教育効果は上がりません。子どもの前での担任の品定めはご遠慮ください。
 教育の世界では人の心の持ちようによって教育効果が上がることを「ピグマリオン効果」といっています。これは、遠い昔、ギリシャの彫刻家が愛する子どもを亡くし、悲嘆の中で、我が子への思いを胸に娘の姿を彫刻したところその像に命が宿ったという話からとったものです。子どもが担任への敬慕の念を持って教育に取り組むことができますよう私たちも研修に努め、がんばります。ご家庭でもよろしくお願いします。
 家庭は、乳幼児期の親子の絆形成に始まり、家族との触れ合いを通して子どもの「生きる力」の基礎的資質や能力を育成する場であり、すべての教育の出発点です。次のようなことを是非家庭で身に付けさせてください。早寝早起きなどの基本的生活習慣、大きな声でのあいさつや礼儀、善悪の判断、感謝の心、卑怯を憎む心、他を思いやる心、がまんする心などです。これらは親子の共同体験で育まれることが大です。お忙しいことでしょうが、子どもと共に体験する機会を大いに増やしてください。特に、父親の子育て参加をお願いします。これらが学校週5日制、家庭・地域週2日制の効果を高めます。
 学校・家庭・地域社会とともに子どもを育てていく視点に立った学校運営を目指して職員一同頑張りますのでよろしくお願いいたします。
 最後に、校長室ドアーはいつも開けています。学校の近くにお出でた時、雨が降り出して傘などを持っておいでたときなど気軽においでください。皆さんとお話しすることを楽しみにしています。