辞令交付式等あいさつ



                  
平成9年度 上益城教育事務所管内辞令交付式 代表挨拶


 このたびの人事異動により平成9年4月1日付けをもって、熊本県上益城教育事務所管内公立学校に勤務を命じられました102名を代表いたしまして一言ご挨拶申し上げます。
 ただいま所長より上益城教育事務所管内公立学校職員に任命する辞令をいただき身の引き締まる思いであります。
 生涯学習社会における学校は、子供たちが生涯にわたる学習の基礎・基本となる学習方法や意欲などを習得する場であり、心豊かな人間性とたくましい実践力をもった人材を育成する場であると認識いたしております。
 しかしながら、科学技術の進展による情報化、国際化、高齢化、少子化など社会の急激な変化は教育環境に大きな影響を与え、保護者や子供たちの興味・関心はますます多様化してきています。また、いじめ、不登校問題など学校が解決しなければならない課題、さらにはしつけや基本的生活習慣を身につけさせる家庭や地域社会の教育力の回復など学校が地域社会とともに取り組まねばならない課題も数多くあります。
 第15期中央教育審議会は学校が目指す教育は、子供たちの「生きる力」の育成を基本として、これからの変化の激しい社会において、子供たちが自ら課題を見つけ、自ら考え、主体的に判断し、行動することのできる教育、知・徳・体のバランスのとれた教育の展開、豊かな人間性とたくましい体を育むことを挙げています。
 この生きる力を育むには学校のみならず家庭や地域社会との連携が不可欠であり、家庭や地域社会の教育の充実を図るとともに幅広い教育機能を活性化していくことは喫緊の課題であると提言しています。
 生涯学並びに人権尊重の視点に立ち、日々研修に努め教員としての資質の向上を図るとともに、学校・家庭・地域社会の三者の連携による学校教育の展開に努め、「助けあい、励ましあい、志高く」の熊本の心をもった子供の育成並びに上益城教育の振興に当たる覚悟であります。
 所長はじめ諸先生方のご指導ご鞭撻を心よりお願いいたしまして辞令交付式に当たっての決意といたします。



          
平成9年度 熊本県教育功労者(永年勤続)表彰式 受賞者代表あいさつ

 被表彰者7名を代表しまして一言お礼の言葉を申し上げます。
 本日は、上益城郡地教委連絡協議会長の坂本先生をはじめ各町村教育長、校長会長様御出席のもと、30年勤続表彰をいただくことができましたことはこの上ない喜びであります。
 本日この日を迎えることができましたのも、本日ご臨席の諸先生方のご指導ご助言、先輩各位、同僚のご支援、保護者や地域社会の人々のご協力、さらには家族の理解があったればこそであると感謝しているところでございます。
 省みますと、初任は昭和42年でございます。当時はアメリカとソビエト連邦とが宇宙開発にしのぎを削っていた頃でありました。教育の世界ではアメリカにおいて数学の現代化が叫ばれ、日本においても教育の現代化が言われ始めていた頃でした。あれから30年、社会の変化に対応した教育の在り方について、中央教育審議会でありますとか臨時教育審議会の提言等がありました。それを受けまして数回の指導要領の改正がありました。そのたびごとに指導要領の理念に沿った教育の在り方について教材研究をはじめ児童理解をしてきたつもりでございますが、今いただいた永年勤続表彰に値するだけの仕事をしてきただろうかと思いますと汗顔の至りでございます。
 これを契機として、生涯学習の時代とも人権の世紀とも言われる21世紀に生きる児童生徒を支援する教職員として恥ずかしくない力量を高めるとともに自分の職業能力のリフレッシュに努め、上益城の教育の発展、熊本県教育の発展に微力なりとも尽くす所存でございます。本日おいでの諸先生方のこれまで以上のご指導ご鞭撻を御願いいたします。
 簡単ではございますがお礼の言葉と致します。本日は有り難うございました。


 
     
平成11年度 甲佐町辞令交付式 代表あいさつ

 このたびの人事異動により平成11年4月1日付けをもって、甲佐町公立学校に勤務を命じられました28名を代表いたしまして一言ご挨拶申し上げます。
 ただいま教育長より甲佐町公立学校職員に任命する辞令をいただき身の引き締まる思いであります。
 中央教育審議会、教育課程審議会は学校が目指す教育は、子供たちの「生きる力」の育成を基本として、子供たちが自ら課題を見つけ、自ら考え、主体的に判断し、行動することのできる教育、知・徳・体のバランスのとれた教育の展開、豊かな人間性とたくましい体を育むことを挙げています。
 この生きる力を育むには学校のみならず家庭や地域社会との連携が不可欠であり、家庭や地域社会の教育の充実を図るとともに幅広い教育機能を活性化していくことは喫緊の課題であると提言しています。このことは、とりもなおさず、生涯学習の視点に立った教育の展開を学校に求めているものと解しております。
 本町においては清流緑川の環境保護の観点から全町あげての環境教育に取り組んでおられます。中央教育審議会をはじめ、各種審議会が提言していますように、子どもたちが学校で学んだ知識をもとに家庭や地域社会において、環境保護などの実践の中で生きる力を身につけることできる教育活動の展開が肝要であると思います。
 生涯学習及び人権尊重の視点に立ち、日々研修に努め教員としての資質の向上を図るとともに、学校・家庭・地域社会三者の連携により、「助けあい、励ましあい、志高く」の熊本の心を基盤とした心豊かな子供の育成並びに甲佐町教育の振興に当たる覚悟であります。
 教育長はじめ諸先生方のご指導ご鞭撻を心よりお願いいたしまして辞令交付式に当たっての決意といたします。

 



                  
平成15年度退職辞令交付式 あいさつ

 本日は、牧寺町村連絡協議会長をはじめ各町村教育長ご臨席のもと私ども8名の退職者辞令交付式を催して頂き誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
 私ども退職者は、熊本県教育に微力なりとも貢献することができたという喜び、あのときの指導は、決断は、決裁はあれでよかったのだろうかとの反省等々を持って本日の退職の日を迎えました。
 振り返りますと、私どもが採用されました昭和40年代は、アメリカが旧ソビエト連邦に宇宙開発競争に負け、教育の現代化が叫ばれていた時代でした。その一つとして小学校算数の指導要領は集合の考え方で構成されていました。
 それから、社会の急激な変化に対応するため、ポール・ラングランの生涯教育の考えを提唱した中央教育審議会のいわゆる46答申、56答申等で幾多の指導要領の改変が行われてきました。
 さらに、臨時教育審議会が、「変化への対応、個性重視の原則、生涯学習体系への移行」の三本柱を日本の教育の方向として示しました。
 以来、中央教育審議会等の提言をもとに次から次へと教育改革が進められています。学力観の見直し、生活科の導入、総合的な学習の時間新設、学校週五日制完全実施、学校教育法・社会教育法の一部同時改正、教育公務員特例法の一部改正、個に応じた指導の充実を求めた教職員定数改善、指導と評価の一体化に伴う評価規準等の作成・実施、小学校設置基準の制定、学校評価と説明責任、学校評議員制度の導入、構造改革・教育特区の動き、学習指導要領の基準性を踏まえた指導の一層の充実等々教育理念、教育内容、教育制度にいたるまで広範多岐にわたっています。
 この平成の教育大改革の真っ直中で教職生活を送ることができましたことは私どもの誇りとするところです。この間、私どもは
 防人として旅立つ子に向けてうたった万葉の古歌

  旅人の 仮寝せん野に 霜降らば 吾が子 はぐくめ 天の田鶴群

の親の心を持って教職生活を続けて参りました。
 孟母三遷の教えの通り、教育は環境なりとは昔から言い続けられた言葉です。また、最大の教育環境は教師なりとも言い続けられた言葉です。この教育環境の整備等で悔いがないわけではありませんが、30年以上にわたる教職生活を続けてこられましたのは、県教育委員会をはじめ各町村教育委員会そして関係機関の皆様方、保護者や地域の皆様そして同僚の皆様方の温かいご指導のおかげでございます。本当にありがとうございました。
 退職後は、それぞれが自分の信ずるところにしたがい、健康に留意しながら第2の人生を歩む所存でございます。今後ともよろしくご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 終わりに、本県の教育がますます充実・発展しますことをご祈念申し上げまして感謝の言葉といたします。本日は誠にありがとうございました。