7月23日(日)東京/中日新聞 2面より
今月7日に閣議決定された「骨太の方針」に、多額の借金を抱えた自治体を再建させる
いわゆる「破たん法制」の必要性が示された。「自治体の財政運営が引き締まる」
「地方自治に国が口出しするものだ」などと賛否は二分されている。
双方の主張を聞いた。 (聞き手・関口克己)
(これより福田の掲載記事)
@―財政再建団体の問題点は。
「数多くの自治体を再建させる役割は
果たしてきたが、複雑化する会計制度や
経済環境に対応しきれていない。例えば、
再建団体指定の基準は普通会計の赤字
比率で決まるが、夕張市は普通会計に
計上されない金融機関からの一時借り入
れ繰り返していた。その基準の見直しは
必要だ」
「しかしそれだけでは不十分。夕張市が
ホテル買収など多くの観光投資を行ってい
たことを踏まえ、大規模事業や第三セクター
に多額の出資を行う場合は有識者などに
よる事前評価を行うべきだ。住民投票も
活用する。住民自治を深めれば、国の関与
なしに自治体財政は健全化できる。」 (右上Aへ)
東京&中日新聞に掲載されました! H18.7.24 〜自治体の破綻法制〜
―自治体に対する破たん法制導入が
進められている。
「慎重にすべきだ。財政再建団体制度
を見直せば、自治体の財政破たんは
防げる」
―首長に慎重論が強い。
「自治体の財政悪化の原因は、国にも
あるからだ。地方交付税による補てんを
理由に、自治体に借金をさせて公共事業
をさせたのは国だ。破たん法制は、国が
財政危機だから、もう地方の面倒は見ら
れないという発想としか思えない。「地方
分権の時代。自治体は自由と責任を持っ
てほしい」と国に呼び掛けられても、地方
側は納得できない。」
「「破たん」という言葉も適当ではない。
勝者と敗者を生むことを認める市場原理
主義者が、将来も継続しなければならない
自治体の意義を無視して使っているとしか
思えない。破たん法制は地方財政に対す
る国の関与を強め、地方自治を揺るがし
かねない」
(左下@へ)
A―竹中平蔵総務相の懇談会は、早期
是正措置を講じる第三者機関創設を
提案した。
「必要ない。各自治体には監査委員が
いるが、財政状況について、アドバイザー
的な役割しか果たしていない。これの
権限を強化し、是正勧告できるように見
直すべきだ。」
―破たん自治体に資金を貸した金融機関
に、債権放棄を認めさせるべきか。
「自治体が、「借金を返さなくてもよく
なる」と安易な借り入れに頼り、財政規
律が乱れかねない。反対だ」
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