アンセルモ・コルツァーニ

Anselmo Colzani バリトン歌手 1918328日イタリア・ブドリオ生、2006318日ミラノ没)

 

194611月、ボローニャ市立劇場にて、『ローエングリン』の《伝令》役でデビュー。19476月、ヴォゲーラ市民劇場で『リゴレット』を主演(《ジルダ》役はリーナ・パリューギ)。同年11月、生地ブドリオの市立コンソルツィオ劇場でもこのオペラを主演。以後、コルツァーニはいわゆる「地方劇場」で数年間にわたり、同輩の新進歌手たちと舞台生活を共にする。彼らの中には、レナータ・テバルディ、ジリョーラ・フラッツォーニ、ジャンニ・ライモンディ、エットレ・バスティアニーニなど、国際的名声を馳せた人もいる。

 

1952年、マスカーニ作曲『田舎騎士道』のミラノ・スカラ座公演で、ジーノ・ベーキの代役に起用される。1955年には再びスカラ座で、ミヨー作曲『ダヴィッド』を主演した。その後、同劇場で『椿姫』、『フェドーラ』(マリア・カラスと共演)、『サムソンとダリラ』、『ローエングリン』(《テルラムント伯爵》役でマリオ・デル・モナコと共演)、『ラ・ボエーム』、『カルメン』(ジュゼッペ・ディ・ステーファノと共演)、『ファルスタッフ』など多くのオペラに出演。

 

1960年、アメリカの名バリトン歌手、レナード・ウォレンの急逝により、ニュー・ヨークのメトロポリタン歌劇場で『シモン・ボッカネグラ』の代役を果たした。それから1978年までの18年間、同劇場の公演期に連続出演。メトロポリタン歌劇場では、劇場演目である伝統的イタリア・オペラのあらゆる主要バリトン役を歌いこなす。その一方で、ヨーロッパの格式高い劇場での出演も絶やさなかった。

 

196311月NHK招聘による第4次イタリア歌劇団の一員として来日。東京文化会館と大阪フェスティバルホールでの『西部の娘』公演において《ランス》役をつとめた(下の写真は来日公演舞台でのコルツァーニ)

 

                        

 

 

1980年、メトロポリタン歌劇場での『トスカ』公演を最後にオペラの舞台から引退。

 

コルツァーニの歌唱技量は、18世紀から現代まで、様々な音楽作品を解釈できる類まれな多才さで特徴づけられる。

 

共演した主な指揮者には、ミトロプロス、シッパーズ、メータ、カラヤン、バーンスタイン、ボニング、レヴァイン、そしてイタリア人では、カプアーナ、ガヴァッツェーニ、ジュリーニ、ヴォット、デ・ファブリティイス、モリナーリ・プラデッリなどがいる。

 

歌手は前出の人々に加え、レナータ・スコット、ガブリエッラ・トゥッチ、ジョーン・サザーランド、アンナ・モッフォ、モンセラート・カバリェ、ビルギット・ニルソン、ジュリエッタ・シミオナート、フェドーラ・バルビエーリ、フィオレンツァ・コッソット、フェッルッチョ・タッリャヴィーニ、フランコ・コレッリ、カルロ・ベルゴンツィ、ラモン・ヴィナイ、チェーザレ・シエーピなど。

 

2002年、コルツァーニの功績を記念し、有能な歌手の発掘と学習奨励を目的とする国際イタリア声楽コンコルソが、その生地ブドリオに設立された。

 

2009年から、 コンコルソ日本会場 をイタリア・ブドリオ会場と同等の位置づけで創設。

 

 

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