松果体(しょうかたい、英語:pineal body)は、脳にある小さな内分泌器。松果腺 (pineal gland) 、上生体 (epiphysis) とも呼ばれる。脳内の中央、2つの大脳半球の間に位置し、2つの視床体が結合する溝にはさみ込まれている。概日リズムを調節するホルモン、メラトニンを分泌することで知られる。 ウイキペディア
子供の松果腺は、生まれたときには非常に発達している。松果腺は刺激が不足したり、十分に使われずにいると、子供が大きくなって、左脳の論理を右脳の感情や直感よりも多く使い始めた時、縮小してしまう。
シャーリー・マクレーン
目が視覚の器官であるように、松果腺は想念伝達(テレパシー)の器官である。大抵の人の松果腺はまだ痕跡程度のものにすぎないが、それは進化しつつあるのであって、決して退化しつつあるのではない。したがって、その進化を早めて本来の機能を果たさせることが出来るのである。この機能は将来必ずやあらゆる面において発揮されるであろう。・・・・
「神智学大要」より転載
奈良女子大学・理学部・神経発生研究室のホームページから転載
松果体細胞の多分化能 ー個体発生と進化の接点を探すー



松果体は下等な動物では第3の眼とも呼ばれます。また、その位置から、頭頂眼とも呼ばれます。眼は左右一対の器官ですが、松果体は正中線上に存在する不対の器官です。松果体が光受容能をもつことはよく知られていますが、視覚情報の受容器というよりは明暗を検知し、この光情報を松果体がもつ別の機能系(内分泌機能など)に伝達すると考えられています。鳥の松果体には時計機能がありますが、外界の光情報を受容して、体内時計の時刻のずれを修正していると言われています。哺乳動物では、松果体にはもはや時計機能はなく、時計は視床下部にあります。ここから交感神経を経て松果体へ時刻が伝えられ、さらに内分泌系を介して全身に伝達されます。魚類や両生類の松果体も光受容能があることも知られていますが、時計機能についてはまだあまりよく分かっていないようです。
発生学的に松果体の面白いところは、眼の発生との類似性と相違点です。また、系統発生からも、松果体のユニークな性質が浮かび上がってきます。形態で比較すると、魚類や両生類では脳と強い連続性をもち、構造的にも神経組織としての性質をよく示しています。爬虫類・鳥類になると脳とは独立した器官としての性格が強くなり、構造的・機能的にも神経組織としての性格が弱くなります。さらに、哺乳類では内分泌器官となり、光受容機能は完全に失います。構造上の変化にともなって、松果体の機能も大きく変わります。
これまで、私たちはトリ胚の松果体やラットの松果体をモデルにして、胚発生にともなって松果体細胞の性質がどのように変化するのかを培養下で調べました。この一連の研究を通して、私たちは、松果体の個体発生が系統進化をたどることを示すことができます。つまり、個体発生の過程で、神経分化能から次第に光受容能、さらに内分泌分化能へと移行すると言えます。また、松果体細胞がどのタイプの細胞に分化するか、その運命は培養条件によって変わります。例えば、ラットの松果体細胞は、発生のある時期までは視細胞に分化できますが、これはノルアドレナリン(交感神経の伝達物質)によって完全に抑制されます。さらに、通常、神経細胞には分化しませんが、カリウムイオン濃度を上げてやると神経細胞がたくさん生まれてきます。ニワトリ松果体細胞の分化の運命も同じように環境のファクターによって大きく左右されることがわかっています。このように、松果体細胞は神経の分化のモデルとしてもたいへんおもしろい細胞です。とはいっても、動物の種類によって松果体はかなり多彩な姿を示すので、モデル系だけでは松果体機能の進化の謎を明らかにするわけにはゆきません。
私たちの興味は、松果体がどれくらい眼の組織と共通性があるのか、松果体は眼となりうるかを発生学的、分子的に調べることです。トリの松果体は光内分泌器官と考えられていますが、構造的には内分泌組織です。ただ、細胞レベルで比較すると、胚の時期には、レンズ、色素上皮、網膜ニューロンなどが分化し、眼の構成要素を発生する能力をもっています。眼は、脳に由来する眼胞と外胚葉、間葉組織が複雑に相互作用して発生します。松果体の発生過程で、周囲の組織とどんなやりとりがあるのか、眼で見られるような誘導がおこっているのか、全く調べられていません。松果体を眼にすることが出きれば、眼の発生と進化を考える上で、たいへん面白い事がわかるのではないでしょうか。脊椎動物の先祖をナメクジウオにまでたどると、この動物は頭部の先端に1個の原始的な眼(frontal eye)をもち、これはちょうど松果体のように見えなくもない。これが左右に分離して、脊椎動物の眼になったと単純に考えるわけにはゆきませんが、眼と松果体は進化的に何らかのつながりをもつ器官でしょうから、この二つの器官の発生を追うことによって眼の進化の足跡をたどりたい、と考えています。