中村天風 銀の言葉(著者 岬龍一郎)P.202より引用

<肉性意識>
肉体生命を生かすために必要な心の働き。本能心などはこれに入る。

<心性意識>
精神生命の中に存在する理性心から発生する。物事の合理的判断や応用力、知性はこの部類

<霊性意識>
人間の生命の根源である霊魂という気体の中にある。本心良心といわれるもので、これらの中には誠意、意志力、信念、理想といったものを生み出す力がある。
そしていま一つ、五感を超越した「第六感」、つまり霊感もこの中にある。

<理性と霊性の違い>
理性は文明とともに発達するが、霊性というのは人間の本質であるので永久に変わらない。

<ベーコン(哲学者)>
霊性から発揮する自覚正念(霊感)を「魂のフラッシュライト」と名づけている。
霊感さえ磨いていれば、理屈をこねまわして考えることなく、瞬時に的確な判断が下せるからだ。つまり瞬時の直感力は霊感の一つなのである。


運命を拓く (著者 中村天風)P.84〜 より引用

人間の心というものは、ふたつの異なる作用を行う意識の領域がある。「潜在意識」と「実在意識」である。
<実在意識>
形と感覚の世界に、人間を不自由なく生活させるためにはたらいているもので、しかも、この意識は常にその周囲の事物と接触することによって、間断なく切々として発達している。
実在意識が直接に行った動作は、そのいかなることも問わず、それを数多く繰り返していると、いつかその動作が、今度は潜在意識の支配で行われるようになる。するとその後その動作は半意識的にか、または、無意識的に行えるようになり、実在意識は、以前のように直接監督の努力をしなくて済むようになる。
・・・習慣的動作というものは、自分の潜在意識に働かされてなすところの行いなのである。
・・・心臓の鼓動、肺臓の伸縮運動、胃腸の消化作用などはいずれもみな潜在意識の働きによって行われている。

<再生力>
・・我々の肉体は、この潜在意識の支配の下に間断なく新しい細胞を生み出し、創り出しているといえる。
我々の肉体生命の全器官と全組織は、一年ないし数年の間に全部新しく更正しているといってよいほどに、日々、新たになる。

<病気>
何年も同じ病気で苦しんでいる人がいる。それは、肉体を更正する「再生力」という力が、「心の態度=精神状態」に、著しく関係しているという事実を自覚していないからだ。
たとえば、人間の血液の中にはバクテリアを殺してしまうある要素がある。この要素はばい菌が襲ってくると直ちにこれを取り込み、特殊な液体を注いで殺してしまうように自然にできている。
ところが、その人の心が消極的で、ひ弱く、決断力もなくぐずぐずしていて、引っ込み思案的なものになると、その心持ちがすぐ潜在意識を同化して、潜在意識の再生力の発動を萎縮させてしまう。

<潜在意識>
潜在意識は、実在意識を通じて、宇宙大霊と結ばれている。
潜在意識は、宇宙霊と同様、一切のものを作り出し産み出す創造力を有している。
そして同時に、われら人間は、この意識を完全に整理することによってのみ、宇宙の究極的真理を知ることができるという偉大なる事実を悟らなければならない。
だからこそ、正しい自覚を人生にもとうとするには、この宇宙霊から、霊智の分与を受けている潜在意識なるものの一切の作用が、「実在意識の態度」というものに同化して、その作用を、あるいは良くもし、あるいは悪くもするということを決して忘れてははならない。