意識があることは、赤ん坊でない限りみなが知っています。
 しかし、死ぬ直前や眠っているときなど、意識がなくなるときはあります。翌朝起きたときにもとの自分の人格や意識が戻り、眠る前と同じように活動できるのです。
脳には、記憶したり、考えたり、感情が起きたりするなど、いくつかの機能単位があり、互いに連合しながら全体として活動しています。
例えば、脳の視床下部のある部分、覚醒中枢が覚醒のためのホルモンを皮質に送ると、意識が覚醒し、脳下垂体などがホルモンを出して、肝臓がよく動きます。全体のバランスがとれた状態で、エネルギーが脳に十分に集まると、意識ができます。
意識をよみがえらせたり、眠らせたりする機能が視床下部や脳幹にあって、眠るためには、セロトニンなどの物質が出てきます。
視床下部の電位が周期的に変わり、それに合わせて脳全体のどこかが特によく動く状態でなくなると、セロトニンが増えます。反対に、アドレナリンやコリンといった覚醒物質が視床下部から皮質に放射されると、意識が動いて目が覚めます
意識は、完全に眠っている状態や、目覚めた瞬間にボヤッと周りのものがみえる状態、はっきり意識が動く状態など、何段階にも分かれていて、それぞれが脳の伝達物質やホルモンと関係しています。
複雑に関連した視床下部の自律神経の中枢、感情中枢などが動くことで、心臓がドキドキしたり、腹が立ったりすることが科学的に分かるようになりました。どこが興奮したらどういう意識が起きるのかが、わかったのです。
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ただし、今の医学はどんなに進んでも、わかるのは分子レベル、DNAのところまでです。
伝達物質や神経細胞について、電気的なもの、化学的な物質、糖タンパクなどがどれだけ集まったか、血流が増えたかどうか、といったところまでしかわかりません。
どんなに科学が進歩しても、目にみえない意識の内容を知ることは不可能です。心がないと思う人はいませんが、それを科学的にとらえることはできません。
意識があることは、自らが観察することでしか把握できないことで、科学の枠を超えているのです。