最後の瞬間
                                2008/7/18



    無心に振り続けた そのバットを置く瞬間

    その瞬間はいつか来ることは分かっていた
    ただ、それが今日なのか、明日なのか
    はたまた一ケ月後なのか・・・


    何度も修繕した 手に馴染んだグラブをしまい込む瞬間

    もう、そのグラブをつけて白球を追う事は無い
    もう、このチームメイトと一緒にプレイすることは無い
    もう、朝早くから汗を流すことも無い
    もう、痛んだ手にテーピングすることも無い・・・


    傷つき擦り減りながら 
    今日のために磨きあげられた そのスパイクを脱ぐ瞬間
    汗の染み込んだユニフォームを脱ぐ瞬間

    小学最後の試合、中学最後の試合の後でも
    そっと奥にしまい込んだ言葉を 今贈ろう



   「お疲れさん」