日本には世界に誇るべき建築文化の木造建築があります。木材を家づくりに生かす心と技が、
歴史や風土につちかわれてきました。この木造建築が持つ英知の集積を学ぶことは、人類的課題
一年を通して高い湿度、世界有数の降雨量、著しい冬の寒冷、夏の高温、またその温度差、と
いう建築物にとって極めて厳しい条件の下、100年200年と時が育てた木の生命の力は、気候風土
に適応する住まいの力へと姿を変え、私たち日本人の生活を守ってきました。
在来工法の最も優れた点の一つに、木材の持つ調湿能力を生かしている事が上げられます。木
は湿気を吸い込んでは吐き出し、また湿度が高くなれば吸い、調湿しています。
通気断熱WB工法は、このような木材の調湿能力を生かしながら、さらに機械換気装置に頼ら
ず独自の通気システムを構築し、まるで家自身が呼吸しているように自然な通気制御を実現し
ています。通気断熱WB工法は、進化した在来工法なのです。
WB工法のWとはダブルの通気層、Bとはビルダーとブレス(呼吸)を表します。
解説:夏 暑い日には、各所の通気口(ヘルス)が自動的に開き、自然な換気をします。
床下通気口から入り込んだ外気は、床下地面の冷気と共に第2通気層を上昇して
ハットヘルスから排出される冷却層をつくり、家全体に涼しさをもたらします。
:冬 寒い日には、各所の通気口(ヘルス)が自動的に閉じ、保温効果の高い住まい
第2通気層は保温層となり快適な暖かさを保ちながら、透湿性の部屋壁や木材と
共に呼吸効果を発揮し続け、健康的な環境を維持します。
住宅において窒息とは、透湿性のない材料(合板ベニヤ・ビニールシート・発泡ウレタン等)
によって家全体を囲ってしまい通気が出来なくなった状態のことです。壁体内通気層による
「気管呼吸」を止めて暖かさを求める構造と室内の壁をビニールクロス(防湿)によって仕上げ
このことが、シックハウスや材料の蒸れ、腐れ、夏の暑さ結露、省エネ等の問題を引き起こす