福来たれU
民俗学の蔵書を探して、節分について調べてみました。
1.節分とは、立春の前日で春から冬の変わり目に当たること。農作業の
大きな節目として、この日を境に年が変わるとされていたこと。
2.豆をまいて鬼を追い払うという伝承が生まれたのは、「豆で鬼の目を打て」
と民衆に毘沙門天が教えたという伝説が元になっていること。豆は「魔目」
に通ずるから。
3.一般に齢の数だけ豆を食べるとされているが実際は一つだけ多く食べるのが
本当らしいこと。
永田久という人の書いた「年中行事を科学する」という本に書いてありました。
おじさまがお帰りになったので、早速そのお話をしたら
「そうか。ちゃんと意味が分かった上で豆をまくなら、きちんと鬼を追い出せるな」
と仰って、いつの間にお買いになったのか、戸棚から豆の入った袋を取り出して
来られました。
でも一つだけ判らなかったことがあります。何故まいた豆を食べるのか、調べても
判らなかったのです。ひょっとしたらご存じかも知れないと思って、おじさまにお聞き
しました。
これは私の個人的な考えだが、と前置きして、
「節分は農作業が始まる大事な日だった。だから鬼を追い出すのと同時に、今年一年の
豊作を祈願する意味も込めていたと思う。豆をまくのは、畑に種をまくことを象徴し、
それを拾って食べるのは、収穫を象徴しているのだろう。齢の数より一つ多く食べるのは、
年齢より以上の働きが出来るように、という祈願だったのだろうと思う」
と仰って、豆を升にあけました。
「さあ、始めるよ」
久しぶりに楽しい節分になりそうです。