初めまして。あおいと申します。 母が亡くなってから、しばらく親戚のお宅を転々としていましたが 遠縁の伯父に当たる方(おじさまのことです)が引き取って 下さいました。 見たこともない人だったので最初のうちはちょっと怖かったけど 今はもう平気。すごく優しくして頂いてます。 あまり外に出るのが得意じゃないので、日中は本を読んだり 音楽を聴いたりして過ごしています。それで、おじさまは私を 学校に通わせていません。 「教師なんかに任せるより、私の方がいい教育ができる」 と言って、私に毎日いろんな事を教えて下さいます。 家庭教師っていうのかしら?お仕事からお帰りになると 私と一緒に机に向かってその日のスケジュールに従って 教えて下さるのです。中でも哲学とか生化学が私は好き。 私は今14歳ですけど、大学で使ってる書籍を読んでいます。 難しいことは難しいけど、少しずつ分かってくるのが 楽しくて。おじさまも丁寧に優しく教えて下さいますし。 休みの日には一日一杯お勉強ということもあります。 ・読書について おじさまはお部屋いっぱいに本をお持ちなので、読む本には 事欠きません。日本やギリシャの神話とか、源氏物語とか 面白いお話もありますが、なんだか怖いのもあってそのあたりは 見ないようにしています。(妖怪の民俗学とか、黒魔術とか) だって夢に出てきそうですし・・・。 最近は太宰とか新田次郎とかそんなのも読んでます。小説って 面白いですね、とおじさまに言ったら、その作家の作品を全部 揃えて下さいました。 「いい作品だと思ったら、短くてもいいから、感動が薄れないうち にまねして書いてみなさい」 と言われました。ちょっとプレッシャーです(^_^;)。 ・音楽について 母の許にいたときにはほとんど音楽を聴きませんでした。 (母自身、あまり音楽を聴く人じゃありませんでしたから) ここに来てからは、毎日何か聴いています。と言っても、 おじさまのコレクションの中から好きなのを探しているだけ なんですけど。 バッハってなんかすごいし、モーツァルトも綺麗ですよね♪ おじさまは 「本当は生で聴くのが一番なのだが」 と言って、コンサートのチケットを買って下さったこともありました が、私がどうしても外に出られないので、払い戻してその代わりに CDを買ってきて下さいました。(ごめんなさい) その時のCDは私の宝物になりました。すごく素敵な気持ちになれる 曲ばかりです。(バッハのフランス組曲全曲です。聴きに行くはず だったコンサートの演目だそうです) それから、時々おじさまのピアノをいたずらしてます。CDにあった 曲を自分でも弾いてみたいんです。(折を見ておじさまに教えて もらえるようにお願いしてみます) ・外の世界について お外のことについては、あんまりお話ししたくありません。ただ 怖いのです。私にとっては、今ここにいるというだけで、それ以上 のことは考えたくないのです。幸いおじさまは、決して私に無理を させたりなさらないので、ここに来てからは不安な思いをしなくて 済んでいます。本当はちょっとずつでも、外に行けるようにしなく ちゃいけないって、分かっているんですけど・・・。