J.S.バッハ 「フランス組曲第4番変ホ長調」 BWV815









 

 昨日のうちにこの週末は何も予定がないって、おじさまに確認しておいたので 今日、私の練習の成果を聴いていただくことにしました。  私のピアノを聴いていただきたいのですが・・・、っておそるおそるお願いしたら 「何か練習していたようだね。よかろう、弾いてごらん」 って、なんとなく最初からご存じだった感じ。(ドキドキ)  ショパンがものにならなかったのは仕方ないなぁ、とは思いますけど、バッハは 自分なりにいろいろ考えて頑張ってきたんだから、きっと大丈夫って自分にいいきかせ て、ピアノの前に座りました。  曲はバッハのフランス組曲第四番変ホ長調 BWV815 。華やかな第五番も好きだけど、 ちょっと難しくて納得できるだけに仕上がらなかったし、四番のしっとりと落ち着いた 曲想も捨て難くて、この曲に絞って練習してきたのです。 おじさまが「なにを弾くのかね」とお尋ねになったので「フランス組曲の四番です」 と言うと、楽譜棚から私がこっそり使っていた曲集を取り出してきて四番のページを 開き、しばらくの間見つめていた後、目を閉じて「いつでも始めていいよ」と仰りました。  一瞬ミスタッチをチェックされるのかな、ってドキドキしたけどそうじゃなかった ようです。(^^;)  さあ、行きますぞっ(^^)/ 第一楽章 アルマンド・アレグロモデラート  上向音型と下降音型が交互に出てきてパラパラっと走ってしまいそうになるけど、そこ を我慢して、じっくりとかみしめるように抑揚をつけず弾いていきます。おじさまが教え てくれた「音楽の心象風景」を頭に思い浮かべながら、私の場合は、螺旋階段を一歩一歩 昇ってゆくようなイメージで弾きました。 第二楽章 クーラント・アレグロ  ちょっと速めにリズムをとりたいところなんですが、右手の三連譜と左手のスゥイング したフレーズとが、ともすると空中分解してしまいそう。見た目大したものじゃないのに もしかして私って下手っぴぃ?あたま真っ白です(>_<)。 第三楽章 サラバンド・アンダンティーノ  おしゃれな雰囲気のある楽章で、聴いてる分には「楽勝!」と思ってました。でも・・・。 私手が小さいのでオクターブが届かないんです。ここには一瞬だけ三声ぽくなる箇所があって 左手のパートにオクターブを押さえるところが、なんと二カ所も!  意外なところで一番苦労しました。ちょっとだけペダルを使って何とかつなぐように工夫 してみたのですが、自分ではうまく弾けたと思います。 第四楽章 ガヴォット(スケルツァンド)  こういう快活なリズムの曲、好きです。弾いてて自然に体が動きます。歯切れ良く音の強さ を揃えて、ちょっと速度表記よりも速く弾いてしまいました。 第五楽章 メヌエット(トランクィロ)  とっても可愛い感じの曲です。ホントに40小節くらいの小品なんですけど、練習していて 早くここに進みたかったところです。きれいな粒ぞろいのトリルを鳴らせるように頑張った つもりです。 第六楽章 エア・ウン ポコ アレグロ  心機一転、ここではリキいれてガーッと行っちゃいました。私が抱いたイメージは「渓流の 小さな滝を流れ下ってゆく落ち葉」。スピード感を強調して一気に駆け抜けちゃいました。 終楽章 ジーグ・アレグロ ヴィヴァーチェ  冒頭の2小節の音型が終始一貫して全曲を貫いているので、このリズムを崩さないように 頭で拍子をとって弾きました。ここでコケたら全部が台無しになっちゃうし、緊張しました。  なんとかつっかえることなく、全曲弾き通すことが出来ました。自分では練習以上に上手に 弾けたと思います。おじさまに聴いていただくほどでは多分ないんでしょうけど^^; 「うむ、好きだという気持ちだけで練習したわりには、きちんとまとまっていて良かったよ」 と、おじさまは仰ってくれました。うれしい!頑張ってきて良かったですぅ(T_T)。 でもその後にきつ〜い、一言が・・・。 「ところで、アルマンドとサラバンド、ちょっと苦しいところがあったのは指が届かなかったのかな?」 ・・・むむむ、やっぱりちゃんとお見通しだったのですね。おみそれいたしました。<(_ _;)>