今日見た夢は薄れることなく鮮明に覚えている。
……私は悪魔と契りを結んだ。何故そんなことになったのか、そこに至るいきさつは判らない。いずれにせよ、私が抱いたその悪魔は輝くばかりに美しかった。
悪魔は契約の証に、私の子供達の様子を見せてくれた。そうしてしばしの間、私は子供達と遊んだ。子供達は屈託なく私と接した。とても元気そうだった。
……目が覚めた。涙が溢れていた。いつも夢に出てくる子供達は、暗い、狭い場所で泣きそうな顔をしている。現実にもそうなっている可能性が高いだろう。
しかし、今日の夢の中の子供達は限りなく笑っていた。嬉しかった。
13日の金曜日、世間では不吉とされる日だ。そんな日にみた悪魔と契約する夢は、今の自分にとってこの上なく倖せな夢だった。
"子供達のためなら魂なんかくれてやる"
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