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2005年10月09日の日記


 降雪期に野 外撮影 が可能なロケ地を確保するため、比較的積雪量の少ない地方を開拓する目的で日高地方へ偵察に行って来た。冬が近づき、かねてからの課題を解決しなければな らなかったからだ。いづれ道南地方も視察する予定である。

 今回は他に札幌市内でのドールイベントが重なっているため、Mさんちに集合後コンベンションセンターに寄り、午後から目的地に向かう変則的なスケジュー ルである。

 コンベンションセンターに着くと、会場前には結構な行列が出来ている。あまり他人のことも言えまいが、周囲はヲタな空気に満ち満ちていてやや近寄りがた い。以前逝った「HTドルパ」の時にも似たような雰囲気を感じたが、こちらの方が人数が少ない分いくらかでもマシな感じがする。

 11:00 開場、そこはかとなくバーゲンな急ぎ足で会場になだれ込むぴらぴらドレスの群。やはりお気に入りのディーラの品は他人より早くGETしなければ、というこ となのだろうか。何を着たところで中身は立派なおばさんだ。

 多少間をおいて入場する。わたしにとっては特に用事のないイベントなのだが、ひょっとすると将来ディーラとして参加することも可能性として出てきたた め、事前に見に来たわけだ。
 主として1/3・1/6サイズ向けの衣装や小物を扱うディーラが多い。ブライスなどリアル等身でないドールの用品を扱う店はわずかで位置もよくない。結 果、会場の中央部だけに人だかりが出来てしまいきちんとした動線が作れずに客も売り子も循環せず滞ってしまっている。客も品揃えも少ないのだから、あんな に客が集中して見るものも見られない、なんてことは本来ありえないはずだ。主催者側のディーラ配置は再考の要ありである。
 はっきり言って東京あたりで開催されるこの手のイベントと比べ、規模も小さいがそれ以上に華やかさも薄い。札幌の腐女子諸君にはもっと頑張ってほしいと 思う。

 人垣が多少退いたところでNRさんと共にSD用着物を物色。今ひとつ着物に詳しくない売り子さんで、会話がかみ合わずどうも要領を得ない。と言うか、こ の売り子の女性は、男性に目を見て話しかけられるのに慣れていないようだ。概してヲタな人々は男女問わずこうした傾向にある。もっともSDの着物を男性が 買いに来るなんて状況はあまり想定していないのだろうか。(まぁ、それもそうかな)

 そんなこんなでマン・ウォッチングをしつつ、参加するとしたらどのような形がよいか、などと考えを巡らせていたのだが、その間にまさくんさんからとこて んさんを紹介していただいていたらしい。…らしいというのは、不覚なことにそのときのことが全く記憶にないのだ。とこてんさんは、以前からお会いしたいと 考えていたのだが、HP開設以来一度もお会いできずにいたのだった。期せずしてとこてんさんには大変無礼なことになってしまった。機会があればまた改めて ご挨拶したいと考えている。

 Mさんの暴走ショッピングも終わったようなので、会場を辞し車5台に分乗し日高方面へ。途中長沼町の蕎麦屋で昼食を摂る。大正時代から続く老舗だそう で、以前から気になっていた店だ。
 肝心の味については蕎麦自体は手打ちで腰があり大変美味しかったのだが、つけだれが既製品なのか出汁の香りが完全に飛んでいてこれはよろしくない。折角 蕎麦湯を出してもらったのに、華の第二ラウンドを堪能する意欲が殺がれてしまったのは何とも残念であった。
 店は老夫婦二人で切り盛りしていて、注文してから出てくるまでが大変長い。遅食な私が食べ終わってからややしばらくして隣の席のカツ丼が出てくる、とい う具合。そしてやっとのことでNRさんとZさんの蕎麦が出てきた……、と思いきや、おばあちゃんの足元がもつれ、蕎麦二人前が床の上に……。
 ただならぬ音に慌てて助けに立つ。ラッキーなことにどこにも怪我がなかったようでおばあちゃん、よぼっと自力で立ち上がる。とりあえず二次災害を防ぐた め、床の掃除を手伝い(というか引き受け)、作り直しの時間をさらに待つことになる。この一連の騒動の間、店の厨房で蕎麦をゆでていたご主人は、こちらを 一顧だにすることなく、ただ黙々と蕎麦をゆで続けていた。

 結構な時間を昼食に費やしてしまい、投宿する平取温泉に着いたのは日没寸前の4時半過ぎであった。荷物を搬入してから下見に出かけるのはちょっと難しい 頃合いだ。とりあえずチェックインして一旦部屋にはいることにする。一人2,500円ということで日帰り予定のZさんを除く5人が精算を済ませる。宿泊棟 は「ふれあい館」という別棟で車は寄せられないらしい。入り口前のゴーカート乗り場に車を入れ、搬入後駐車場に移すことになっている、と説明を受ける。い たく面倒な話だ。
 「ふれあい館」に行くと、こちらの建物の管理人さんなのか、これまたいたく元気なお爺ちゃんが「なんだ?ゴーカート乗りに来たのか?」とまくし立ててき た。宿泊であることを告げると「そうかそうか、わしは明日ゴーカートの貸切だから忙しいんじゃ」とゴーカートのことしか頭にないご様子。わずかに面食らい つつも無事に荷物を搬入し、移動用に使うから、と私の車を入り口前に停めておく了承を得る。

 温泉施設のある建物に戻り、付設された食堂で食事を摂る。結構いい値段だ。名物「平取和牛」を使っていると謳っている以上味はいいのだろう、と皆でス テーキやビーフカレーなどを注文。食してみると確かに味は悪くない。ただ、量的には多少不満が残る点が気になった。コストが厳しいのであればライスだけで も大盛りにする方が、遙かに満足度が上がるだろう。

 人によってはこの日一番のイベント「温泉」はお湯が柔らかく洗い場が広いのが好印象だ。反面、脱衣場にこもるすえた異臭は日常の掃除をおろそかにしてい るためと思われる。洗い場にボディソープを備えずシャンプーも水割りでこれは大きなマイナスである。
 入浴料500円を取っているのなら、もう少しレベルの高い施設も少なくない。残念ながら、わずかに及第点には及ばないと感じた。

 ともかくも今日の汗を流してさっぱりし、部屋に戻って屋内撮影を始める。何とKarasuさんが「EOS5D」を披露。一同「やっぱりね」と応酬する。 当然周囲の反応としては『「レベD」といい「5D」といい、これはもう会社の金を横領しているに違いない』との意見で合意を見ている。
 私としては、手が「1D」に馴染んでいるし「1DS」が安くなるか「1DーMKx」が1,500万画素台になるまで、ボディを新調しない予定である。や はり「視野率100%ファインダ」と「大容量電源一体型筐体」は捨てがたいのだ。


 夜が更けるにつれ寒さが部屋に侵入してきた。ストーブを点けようとすると電源は入るが、着火しない。どうやら油が来ていないようだ。部屋に入る前、フロ ントからはるばる「暖房料」を取りに走ってきた「係長さん」は何の説明もしなかった。「ゴーカート翁」は、明日の貸切のことでそれどころじゃなかっただろ う。やむなく私とまさくんさんとで「オイルサーバ」を探して全館くまなく見て回るが、それらしき物はどこにも見あたらない。時間的にフロントはもう無人だ ろう。結局ストーブの件は苦情案件として、寒さを我慢することにする。

 この日はそういった事情もあり、買い出ししてきた酒とつまみでプチ宴会となり、撮影はほとんどしないままに終わった。私も体調が悪く(おそらく身体が冷 えたのだろう)速攻で就寝。明日に備えることにする。

(了)
2005 年10月09日(日)