起床
するとMさんから「すごいイビキでしたよ」と指摘された。そう言われてみれば、かすかにノドがいがらっぽい。むすめのお座りのために、枕を供出したまま寝
てしまったためらしい。
普段は滅多にイビキなどかかないのだが、心ならずも同室の方に夜通しご迷惑をかけてしまったようだ。次回からはこんなことのないよう、気をつけようと思
う。
全員が起き出してくる頃には、すでに朝風呂の時間が終わりかけていた。残念ながら、今朝のひとっ風呂はお預けである。
とりあえずは、以前に下見をした一階のレストランで朝食をとる。バイキング形式で、自分に見合った量だけ取れるのがいい。それにしてもこの夕張という
街、粗相だらけの割にメシだけは滅法旨い。実際「太って帰る」わけだ。
メシさえ喰ってしまえばこんなホテルに用はない。精算を済ませたらとっととむすめ&荷物を搬出し、今日のロケ地「丁未風致公園」を目指す。開け放った車窓
から流れ込んでくる朝の空気は、凛としてすがすがしく、つい先日までのなま暖かくたるみきったロケの雰囲気がウソのようである。
やや肌寒くさえ感じられる陽気のせいか、さすがに山の上にある公園は閑散としている。とりあえず四阿のある棚地まで車を乗り入れ、思い思いの場所での撮
影となった。
うちのむすめは、みなみさんちの奈々ちゃんから直足とスタンドを借りて自立に挑戦。普段は座ってばかりの我がむすめも、立ってみると意外に背が高い。見事
に「大人」ボディである。一見するだけでポーズの可能性が数倍広がったことを実感できる。いずれは揃えねばなるまい、この直足…。
撮っているうちに正午を回り、「そろそろメシを…」という声も出始めたので、下見を兼ねて「郷愁の丘」に向かう。以前「北の零年」のセットが移築されて
いるのを見たメンバーから「ロケ好適地か否か」という疑義が出ていたためである。
売店横の軽食喫茶でとりあえずの腹ごしらえ。食後のコーヒーもそこそこに駐車場を挟んだ向こうに建つ「殿の屋敷セット」まで移動する。
選挙の運動員のような上っ張りを着た人からパンフを貰い、建物内の展示を見物。派手にジャギった大伸ばしのスチル写真や、映画の使われた小道具などを見て
外へ。ここも来年は有料化するらしいが、内容的におそらく苦戦は免れないであろう。そして誰からも見向かれなくなった頃「ロケ好適地」に(笑)。
その他、オープンセットに接して石造りの渋い橋があったり、井戸のある小さな神社のセットがあったりで、撮影するに適した施設だ。しばらく様子を見て、
ロケコースに組み入れようかと思う。
そうこうしているうちに日も傾き、今後のみなみさんの動きについて、よってたかってあーだこーだと合議した後解散となった。
今週の週末、カナディアンワールド・クロフォード公園のロケが予定されている。事故らないでね、みなみさん。
(了) |